【新国際学会周遊記──「中国は戦勝国?」という歴史の継承トリック】
中華人民共和国では、ミズリー号でポツダム宣言が締結された9月2日の翌日が戦勝記念日なのだそうです。
昭和100年史を企画する様になって、第二次世界大戦を振り返ると、どうにも首をかしげたくなる話があります。
その一つが「中国は戦勝国だ」という常識。

しかし歴史を丁寧に見れば、1945年に戦勝国として国際社会に座を占めたのは、あくまで蒋介石率いる中華民国でした。つまり、中華民国を引き継いだ台湾が戦勝国となるべき。
毛沢東の中華人民共和国が建国されるのは1949年。終戦から数えて実に4年後のことです。つまり「存在しなかった国家が戦勝国だった」というのは、時系列的にどう考えてもおかしい。
それではなぜ今日、国際社会では「中国=戦勝国」と語られるのでしょうか。
答えは1971年の国連総会決議2758号にあります。この決議で「中国を代表する正統な政府は中華人民共和国」とされた結果、国連安保理常任理事国の椅子を“そっくり継承”することになった。
要するに、戦勝国としての実績を上げたのは中華民国だが、その「果実」は後から成立した中華人民共和国が引き継いだ、という政治的トリックなのです。
医学論文でいえば、ある研究チームが苦労してエビデンスを積み上げたのに、後から別の研究者が「この成果は自分たちのものだ」と主張して査読誌の表紙を飾っているようなもの。歴史的事実と政治的決定がずれ
ているのに、それが「当たり前」とされてしまうと、後世は違和感を持たずに受け入れてしまう。
こうしたねじれをどう捉えるか。
歴史は直線的な真実ではなく、時に“継承の物語”として作られていく。その最たる例が「中国の戦勝国問題」なのだと思います。
――ちょっとおかしな話でしょう?
同じ流れが、1989年のソ連崩壊後の「ロシア=国連安保理常任理事国」という事にもなります。
ただこの辺り、正直なところ政治家の国際世論の根回し次第なのでしょう。日本の政治家も帰化人を排除して、日本のために動く人を冷静に選ばないといけませんね。
