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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:経営学

金沢へ

今日は金沢工業大学 情報フロンティア学部 経営情報学科 専門家科目「マーケティング戦略」の特別講義のため、金沢入りします。

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なんだかあんな事件があったので気分的に新幹線で寝落ち出来ないなあ・・・

ですので講義の内容をブラッシュアップします。


マイケル E.ポーター「医療戦略の本質」の訳者は

2009年に発売されたこの本。

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経営学の神様の1人マイケルポーターが専門外とも言える医療戦略について書いた本で、ポーター独自の流石の着眼点が素晴らしく、医療経営に関わる人なら是非読んで欲しいと思っていた本でした。

ところが、つい先日、断捨離している時に起業家医師の会でいつもご一緒する山本雄士先生がこの本の訳者だと気付き、かなり驚きました。

もっと年上の人が訳者だと勝手に想像していたんですが、まさか自分より若いとは。笑。

ハーバードビジネススクールでポーターに直接師事して翻訳を頼まれたのだそうです。

医療経営の関係者なら、ぜひ一読をお勧めします。


東証一部上場日本トリム社の森澤社長と

昨晩は、僕の経営のメンターの一人である、東証一部上場日本トリム社の森澤社長とご一緒させていただきました。

僕も最新著作であるディフェンシブ栄養学の本をお渡しして、その他近況報告や共同研究の提案などをさせていただきました。

トリム

森澤社長に初めてお会いしたのはもう12年以上も前なのですが、人生の成長に応じて、毎回適切なアドバイスを頂けますので、大変ありがたく、刺激を受け、勉強させていただいています。


米国アラガン社の社員さんに向けた経営戦略講義

今晩は、フィラーとボトックスを販売する米国アラガン社の社員さんに向けた経営戦略講義をさせて頂きました。

アラガン_1

アラガン_2

人数を考えて、敢えて大学のゼミの様な問題定義の後、質問形式のスタイルを採用。

通常の1.5倍速で話させていただきましたので、皆大変だったと思いますが、脳には負荷をかけた方が、より良い結論が導き出せます。

アラガン_3

アラガン_4

アラガン_5

鋭い質問もありました。

良いディスカッションをさせていただく事が出来ました。


医療経営について今年考えたこと

僕のブログは同業者であるドクターも沢山読んでくださってると聞きますので、今日はちょっと医療経営について今年考えたことを書いてみたいと思います。

HPやブログ、FBなどフォローしてくださってる方はすでによくご存じかと思いますが、昨年から新たな、そして初めての試みとしてクリニックFに非常勤医師を迎えています。

これは僕にとって大きな決断であり、誤解を恐れず言えば辛抱と忍耐を強いられる作業でもあります。

いくら優秀なドクターであってもそのドクターは僕と異なる人格です。

自分でやるほうが早いこと、楽なことを根気強く後進のドクターに教えなければなりません。

僕ではないドクターに診てもらうことになる患者さんに、診療とは違う気遣いの元、頭をいつもより多く下げなければなりません。

自分では行うことのない予測不能な事態も起こりますから、都度対応しなければなりません。

ある意味子育てのような体力が必要となる作業です。

しかしながら経営が軌道に乗り安定した今、先を見据えた時に「このタイミングでやらずしていつやるのか!?」ということで、思い切って踏み切ったわけです。

具体的に言うと、それまでのクリニックFは保険診療を扱わないことで病気の患者さんがお越しになりませんから、開業日数を自由に設定できました。

医師は僕一人ですから、月にあえて13日前後しか診療を行っていませんでした。

病気の治療を行うわけではありませんから一分一秒の手当を争うような疾患の扱いはなく、患者さんは皆さん健康で、あくまでエステティックの範疇、言ってみれば余暇を使ってお越しになる患者さんばかりですからそれでも受け入れられたわけです。

僕が気をつけるべきことは、限られた診療日に気力・体力・技術・知識すべてを120%に整えること。

開院日に我がままを言わせてもらうわけですから、100%では足りません。

常に120%。

ベスト以上のベストな状態で朝から夜まで診療と治療を行う、というこの一点に絞られました。

ちょっと変わったクリニックですが、おかげさまでそうした僕と診療方針を受け入れてくださる患者さんに支えられ、またレーザー以外の贅沢をしなかったこともあり、リーマンショックの時も震災の時も経営は一度も揺らぐことなく、一歩一歩ではありましたが順調に成長を続けてきました。

僕自身もこのスタイルにより、診療以外に大学院での研究や企業でのコンサルティング業務など行うことができましたので、良いバランスを見出してきました。

 

歯科_1

 

そんな中で、レーザーのことを勉強したい、クリニックFで診療を学ばせてもらえないか、と若いドクターから声をかけてもらう機会が増えました。

また、ありがたいことに患者さんも増えまして、開院日数を増やしてほしいという声がちょくちょくかかるようになりました。

経営をされている方であればわかってもらえると思いますが、新しい手は経営が悪いときよりも経営が良いときに打ちたいものです。

良いときであれば有形無形の社内留保ならぬ「院内留保」がありますから、余裕をもってトライできる。

そこでエラーが仮にあっても次に打つ手を冷静に分析、考察を加えて行うことができます。

こうしたことから我がクリニックでも新しいドクターを迎え、新たに増えた診療日と、ドクターの補佐を補強するためにスタッフも増やし、対応を考えながら2年弱の月日が流れました。

おかげさまで良い人材に恵まれ、自分自身も刺激を受けながら場面場面を構築してきました。

その上で今改めてわかったこと、反省と見直し、どこにフォーカスしてどこを削ぎ落していくのか。こうした岐路に立っていることを感じます。

経営には「5年・10年先を見据えて、意思決定すべき」という言葉や「1・3の法則で、1と3がつく時に見直しを図れ」といったことがよく言われます。

僕が思うのは、その上で
「5年後までに達成したい目標について設計図と航海図を作り、5年間を2-1-2に分けるべき」
ということです。

計画を立てて2年走り、次の1年で航海図を見直し、良かったこと、悪かった事を一度帆を下げて精査する。

その上で航路を再調整し新しい戦略で自信を持って次の2年をひた走る――というイメージです。

今回再調整しなければならないポイントとして日常の小さなこと(しかし実に大切な事)から挙げていくと

◆月の開院日数の適正値

◆院長である自分の適正診療日数

◆求められている人材の方向性と適正人数

◆提供すべき価値観に合致するマーケットと製品

◆目標とすべきゴール設定

こうした部分です。

二年やってみたからこそわかったこと、収穫や手ごたえも多く、感謝の気持ちも沸く一方、予想できる事をできうる限り想定すれば、少しでも早く異変に対処する事ができると思っていましたが、今回は5年後を意識して動いてきた様々な投資が裏目に出るような事も起こりました。

いや、自分はまだまだひよっこですね。

日本の独特な法律の下、患者さんのための継続とクオリティの維持、そして次のステップに必要な留保のための税引き後利益。

これらを意識しながらどんなベストメンバーでどういった試合に向かっていくのか。

医院経営を極めるには、まだまだ歳月も経験も必要だと痛感しました。

次の二年のための航海図を、自分なりに作り直し軌道修正してみたいと思います。


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