まだ若き42歳の濱口竜介監督のドライブ・マイ・カー。
カンヌ国際映画祭脚本賞、全米映画批評家協会賞で4冠、米国ゴールデングローブ賞と快挙が止まらないですね。
僕も今週観てきましたよ。
村上春樹の原作は40ページぐらいの短いものなのですが、原作小説のセリフや雰囲気をそのままに3時間あまりの映画に膨らませた手腕は見事でした。
妻と娘を亡くして喪失感を抱えた俳優兼演出家(西島秀俊)がチェーホフの劇を作りあげることを通じて再生していく過程を繊細な演出で描いた作品。
小説では分かりにくかったのですが、映画では演劇や戯曲、物語を作り出し、演じるにあたって、生と性が深く関わっている事を、素晴らしい演技で微細にわたって見せつけられ、この普遍性が世界の人にも受け入れられたのだなあと思いましたよ。
そういえば英語の「drive my car」には性的な隠語の意味もありましたね。
小説では主人公の車は黄色の「サーブ900カブリオレ」だったのですが、映画で使われてたのは同じサーブ900の赤いクーペ。しかしながらこの赤い色が映像に映えるのです。
おすすめします。
映画『ドライブ・マイ・カー』公式サイト (bitters.co.jp)
西島秀俊 三浦透子 霧島れいか 岡田将生
原作:村上春樹 「ドライブ・マイ・カー」 (短編小説集『女のいない男たち』所収/文春文庫刊)
監督:濱口竜介 脚本:濱口竜介 大江崇允 音楽:石橋英子