ニューヨーク在住の指揮者。
友人の伊藤玲阿奈さんが初めての著作を出したというのでアマゾンで早速手に入れ、拝読しました。
「宇宙の音楽を聴く」という題名から、どのような本であるのか、全く想像できなかったのですが、本日朝から読み切りました。
引用は古代ギリシア、ローマから東洋哲学、インド思想に至り、音楽や人生との関わりを述べた、玲阿奈さんの深い教養に裏打ちされた渾身の作でした。
我々が社会生活を送るうえで、基本的な常識というものを持ち合わせていると思いますが、その常識というものは時と場合によって変化します。
現在日本人の常識を縛っているものが、明治時代に急速にアップデートとリセットをさせられた、本書の言葉を借りると「近代西洋OS」ですが、この西洋OSも長い歴史の時間をかけて、少しづつ変化をしてきたものであると。
NY生活の長い、玲阿奈さんの実体験をもとに、これらのリベラルアーツの世界が体系化されています。
とても興味深い本ですので、ぜひともお勧めします。
こちらの動画は、本のコラムで紹介されていた、14世紀の作曲家ギヨームドマショーの曲。
3人の混声ですが、中間で楽譜をひっくり返すことで、後半の曲が演奏できるようになっているのです。
ここまで整合性が高い興味深い曲です。