昨日の情熱大陸観ましたか?
ピアニストの藤田真央くん。
音楽について全精力をかけて、そして努力して、真摯に向き合っている姿が感動でした。
苦労も多いでしょうが、好きな事を仕事にして、尚且つ他人を喜ばせられる事が出来るって本当に幸せな事ですね。
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今年得度を得るために、僕は仏教学院に通っているのですが、釈迦の基本的な教えの一つに、八正道というものがあります。
正見・正思・正語・正業・正命・正精進・正念・正定
とされるもの。それぞれの言葉の意味は仏門の教えを語る多くのサイトが出ています。
外国語を明確に翻訳するときに、少し考えないといけないのは、それぞれの言語で表す「概念」は常に少しずれているという事。
当然のことながら、もともとの釈迦が使ったパーリー語に相当する日本語が、まったく同じ意味とは言えません。
しかしながらどの用語を検索してみても、多くの解釈をそれぞれの言葉で説明されていますので、最低でも10人ぐらいの文章から、新たな概念を括り直すようなイメージを持った方がいいのでしょうね。
八正道の中の「正命(しょうみょう)」という言葉は、正しい生活と訳している人も多いのですが、お釈迦様が使われたパーリ語では、samma-ajiva(サンマーアージワ)というのだそうです。
アージーワとは、「何をして生計を立てているのか」という意味。
つまり、仕事のことを指すのです。
「正命」とは、人の迷惑になる仕事をせず、皆に役立つ仕事をすることと言っても良いと思います。
「間違った仕事をして、生計を立ててはいけない」と言えば、あまりにも当たり前のことです。
仕事の条件とは、
1)人の役に立つこと、人に喜んでもらえること
2)さらに自分も仕事により喜びを感じることができること
3)生活をするのに見合った収入を得ることができること
4)さらに人の迷惑となる仕事をしないこと
具体的には、毒、武器、麻薬の製造と売買、さらに生き物の売買をしてはならないというのが仏教の教えなのだそうです。
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こうして考えると、アーティストは素晴らしい職業だなあと思うとともに、医師として、趣味と興味を持って「医学×レーザー」と「医学×音楽」の二つを専門分野として扱うことができる自分は、正命を選んだなあと心から嬉しく思うのです。