僕は、病気の専門家ではなく、健康を専門にした医師になろうと最初の専門医を取得した2000年にふと思いつき、「健康な人」を対象とするレーザー医療を専門にすることにしたのですが、それから約20年。
しかしながら、外側からの若返りだけでは、健康な身体を維持することは難しい。
内面からサポートするために、病気に対する一般医学や生理学や生化学、栄養学などの知識も必要です。
21世紀になり超高齢化社会を迎えて、人生が60年から100年になるに従い、疾病構造が変化するとともに、約50年おきに医療に対するニーズが変化したと僕は思っています。
1900年までは、栄養不足、栄養素不足と戦い、勝利
1950年までは、細菌感染症と戦い、抗生剤で勝利
2000年までは、外科的に癌と戦い、一部勝利
2050年までは、活性酸素と戦う50年、進行中
2050年からは、遺伝子編集や再生医療が診療開始
そう、現在の医療のフェーズでは、まさに活性酸素をコントロールすることで、病気になりにくい身体を作るための医療の研究が進みつつある時期とも言えるのです。
疲れや老化と戦うためには、生体で作られる活性酸素の除去が何よりも大切です。
なぜなら、
体の酵素の酸化が「疲労」に。
体細胞の酸化が「老化」に。
遺伝子の酸化が「癌化」に。
つながるからです。
活性酸素には4種類があることが知られています。
それは、スーパーオキシド、一重項酸素、過酸化水素、ヒドロキシラジカル。
活性酸素は、35歳までであれば、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)すなわち、スーパーオキシドを除去する酵素によって多くの酵素で除去できる過酸化水素に変わり除去されますので、ほぼ問題ないと言えますが、35歳を超えるとSOD活性が低下しますので、いかにうまく活性酸素を除去するかが、健康で長生きするためには大切になります。
一方で活性酸素が体に生じる原因は以下の5つ。
これをそれぞれ排除することで、健康が維持できると思います。
1)酸素を使ってATPのエネルギーを作るためにミトコンドリアで生成される活性酸素。
2)食材や毒物によって取り込まれる活性酸素。
3)体の過度な緊張によって発生する活性酸素。
4)過度なストレスによって発生する活性酸素。
5)紫外線によって皮膚に発生する活性酸素。
疲労や老化や癌化の初動となるのはやはりスーパーオキシドが体内に溜まること。
スーパーオキシドを除去するには、SODかビタミンCか分子状水素しかありません。
35歳を超えて、SODが低下した際に、いかに効率よくビタミンC、分子状水素を体内に取り入れるかが研究課題になると思います。
そして、35歳過ぎたら、いかにストレスが無い生活をするか。
もしくはいかにストレスを発散するか?これがいわゆるピンピンコロリに近い道です。
軽度の運動や、勉強などの軽いストレスは、むしろ体に良いと言われていますが、僕のお勧めは、音楽でも、舞台でも、舞踊でも、旅行でもよいので、好奇心を持って、一つでも多くの、新しいリアルな経験をすることだと思います。
聴いたことが無かったオペラに挑戦する。
美術館に足を運ぶ。
神社仏閣にお参り、お詣りに行く。
海外旅行でも、ツアーに乗るのはもったいない。
まったく知らない土地で、常にラゲッジロストなどの小さなトラブルや多くのジャッジを自分で行う、こうしたリアルな体験が大切なのだと思うのですよね。
なんでこんな話を書くかって?
それは次の本の草稿のための整理です。