昨日は、東京オペラシティにてコンサート「音楽は名医」を開催させていただきました。
第一部は、元宝塚トップスター和央ようかさんとのトーク。
音楽の効果と効能についてでした。
コロナ問題で、NYへの帰国が難しくなる可能性があるにもかかわらず、僕のコンサートのトークのだけのためにわざわざ駆けつけてくださったのです。
音楽は耳に聞こえている部分だけではなくて、その上下の音域を肌の触覚で聴いているのだということをお話しさせていただきました。
和央さんと写真は、事務所に確認してからアップさせていただきます。
第二部は、今や世界的なピアニスト藤田真央くんによる
「ラフマニノフピアノ協奏曲第二番」でした。
僕はこの曲のCDを40種類も持っていますし、大好きな曲です。
ところが金曜日のゲネプロで一度だけ通して聴けた真央くんの演奏は、まさに新世代の桁外れの演奏。
速度の違う6枚ぐらいの音源で、どれでも対応できるようにと指揮練習の自習をしてきましたが、全く役に立たず。
独特で、素晴らしいテンポ感に衝撃を受けました。
土日はその録音を聴き続け、世界の真央くんの足を引っ張ることだけは避けたいと、素人ができる最大限の努力をしようと、テンポを必死で記憶しました。
東京オーケストラ MIRAI の方々の集中力をお借りしながら、渾身の力で必死に真央くんの演奏について行きました。
スコアはほぼ覚えていますので、第三楽章、サビのシーンでは脳内にドーパミンがドバッと出るのを感じながら、目を瞑って指揮棒を振っていました。
曲の中の自分が苦手な場所を越えるたびに安堵し、次危ないのはこのフレーズだと先読みしながらの演奏でした。
会場の方々が息を呑むのがわかるぐらい集中されているのもよくわかりました。
独特の空気感ですね。
奇跡の瞬間でした。
そして、アンコールは
パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏曲
真央くんが以前コンサートのトークでこの曲のことを話されていて、僕も大好きな曲でしたので、ソロの代わりにこの曲をアンコールで演奏していただけないかとお願いし、ご快諾いただきました。
最後はオーケストラのアンコールとして、ラデツキー行進曲をウィーンフィルのニューイヤーコンサート風に演奏させていただきました。
拍手が禊になるかのように、会場が一気に明るくなりました。
僕は、これまでも事あるごとにクラシック音楽に助けられてきました。
コロナ問題で、今月の公演の仕事が全てなくなってしまったという楽団員の方もいましたが、この会はもともと赤字開催で、大好きなクラシック音楽や音楽家への恩返しの意味もあったのです。
そして、もう30年以上譜面を見て楽器を演奏するということを、していませんでしたので、わずか半年前には楽譜を全く読めないぐらい忘れていました。
ましてや指揮の経験は僕にはありません。
そんな状態の僕を、多くの音楽関係の方に助けていただき、昨日のコンサートを迎えることができました。
本当に感謝しかありません。
コロナ問題で様々な逆風の吹く中、医師として安全な公演を遂行する提案も必要だろうと、できる限りのことを行いました。
別の記事にアップしますが、クリニックスタッフが5時間かけて楽屋を含むホール全体の手が触る場所の消毒もしてくれました。
まずは、このコンサートに関わってくださった全ての方に感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。