「キレイ」ではなく「美しい」――共感を生む、内面からの表情
人は年齢を重ねると、「若い頃のような外面のキレイさが保てない」と感じる瞬間があります。
でも、僕はそれを誤解だと思っています。美しさとは、顔立ちやスタイルという表層的なものだけではありません。
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かつての美容医療の世界では、「シミを消す」「シワを伸ばす」「たるみを取る」といった外見の変化が主目的とされてきました。
しかし、僕が長年レーザー医療やエイジングケアで、肌質を改善する事だけに携わってきて真に印象的だったのは、治療によって肌が綺麗になると“表情”が変わる瞬間です。
ある日、患者さんがふと鏡を見て言いました。
「なんだか、昔より自分の顔が“優しく”見えるんです。」
それは、彼女が自分自身に自信を持ち始めたから、その感情が表情となって現れていたのです。
生成AIでイメージ図を描いてもらいましたが、まさに写真の様な感じの顔ですね。
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内面からの美とは、「知性」と「誠実さ」が滲み出た状態
僕は、年齢を重ねるごとにこそ、「美しさ」は熟成されると思っています。
しかもそれは、「自分の頭で考え、他者と誠実に関わり、自分らしく生きる」ことの積み重ねによって、自然と表情に現れてくるものです。
特に、知性と性格の良さが共鳴した時、人は目の奥に輝きを宿し、言葉に力が宿ります。笑顔に含まれるニュアンスや、沈黙の中に漂う品格――それらはすべて、AIには模倣できない“人間らしさ”の核心だと私は思うのです。
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AI時代の「美」は、表情の解像度で決まる
今やSNSやAI技術により、誰もが“キレイな顔”を手に入れられる時代になりました。
けれど、どれだけ整っていても、心がこもっていなければ、人は共感しない。むしろ、ほんのわずかな目の動きや声の揺らぎ、言葉選びの丁寧さ――そうした“微細な誠実さ”の方にこそ、人は深く心を動かされるのです。
つまり、美しさとは心の在り方が表情となって可視化されたものなのだと思います。
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だからこそ、「美しく老いる」ことに価値がある
私たちは、いずれ年齢を重ね、若さという資産は手放すことになります。
けれどその代わりに、経験、知性、優しさといった、もっと深い資産が蓄積されていく。
その資産が「表情」や「所作」に変換されたとき、人は本当の意味で「美しい」と見なされるようになるのだと思います。
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若さではなく、意味のある生き方が“美”に変わる時代。
それが、私たちが迎えているAI時代の、ひとつの希望なのかもしれません。
結論としては、若い顔を作ったり、表情を無くしていく方向性の施術は40歳超えたらやめた方が良いかもしれませんね。