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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

2025年7月5日──予言と自然科学のはざまで

◆ 2025年7月5日──予言と自然科学のはざまで

2025年7月5日が近づいてきました。

漫画『私が見た未来』の作者が示唆した“本当の大災害”の日として、巷では不気味な静けさとともに、ざわめきが広がりつつあります。日本に来るインバウンドも減っており、天皇陛下がなぜか、この時期にモンゴルに御幸されるなどと話が出ています。

ノストラダムスの1999年予言の時もそうでしたが、こうした予言は、たとえ外れたとしても人々の心に奇妙な影を落とすものです。

トカラ列島の不穏な足音

折しも、トカラ列島・悪石島付近で地震が続発しています。
さらに、『私が見た世界』では、フィリピン北部から何かが発生するという一節もあり、東南アジアから日本列島を結ぶプレート境界の動向が気になるところです。

◆ 日本近海における過去の破局噴火

縄文時代、日本列島は二度の巨大噴火に見舞われています。

【1】姶良カルデラ噴火(約2万9千年前)
規模:VEI 7、噴出物400 km³以上
影響:九州一円壊滅、北海道まで火山灰到達

【2】鬼界アカホヤ噴火(約7300年前)
規模:VEI 7、噴出物150 km³以上
影響:九州南部壊滅、関東地方まで降灰

◆ 縄文人の移動

これらの噴火は、日本列島の人口分布を大きく変えました。
九州から東北・北海道へと人々は移動し、新たな縄文文化圏を築いていったのです。
気になったので、地震と大噴火──破壊力の桁違いをちょっと計算してみました。

◆ マグニチュード9(東日本大震災 2011年)のエネルギー
約2.0×10¹⁸ジュール
地球全人類が1年間で使う電力消費量に匹敵

◆ VEI7クラスの大噴火(姶良カルデラ噴火)のエネルギー
噴出物:400 km³(4×10¹¹ m³)
マグマ温度:1000℃(ΔT=1000K)、比熱=1500J/kgK
総質量:1×10¹⁵kg
熱エネルギー = 1×10¹⁵kg × 1500J/kgK × 1000K = 1.5×10¹⁹J
→ Mw9の地震(2×10¹⁸J)の約7.5倍

◆ VEI8クラス(トバ火山噴火)の場合
エネルギー:1×10²⁰J以上
地震に換算するとMw10.2相当
人類史における破局噴火として知られる

◆ 学会周遊記的所感

破局噴火も大地震も、人類文明を根底から揺るがす存在です。
ただひとつ確かなのは、予言が当たるか外れるかではなく、
こうした巨大災害は必ず周期的にやってくるという地質学的事実。
来るべき日に備えるためにも、
予言は科学を学ぶきっかけに変えていきたいものです。


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