リーマン予想──素数たちの隠されたメロディ
昨晩寝る前にテレビを観ていたら、リーマン予想についての番組がやっていました。
世界中の数学者たちが解こうと熾烈な戦いを続ける、いまだ未解決の数学最大の謎。
弟が数学科に通っていましたし、僕も数学は得意で好きでしたので、ついつい観入ってしまいました。
「素数」という言葉を聞くと、僕はいつも、バッハの平均律クラヴィーア曲集を思い出します。
規則の中に無限の自由を秘めた音列。
けれど素数はもっと謎めいている。
バッハが神に捧げた曲なら、素数は神が世界の根源に刻んだリズムかもしれない。
この素数たちの分布について、人類はずっと問い続けてきました。
◆ リーマン予想とは
「素数はどんな法則で並んでいるのか?」
1859年、ドイツの数学者ベルンハルト・リーマン(Bernhard Riemann)が一つの大胆な仮説を提唱しました。それがリーマン予想(Riemann Hypothesis)です。
「素数の並び方には、見えないけれど完璧なリズムがある」
──そう言われたら、どんなリズムか知りたくなりませんか?
◆ そもそも素数とは
2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19…
1と自分自身でしか割れない数。
僕たちは算数の授業でただ暗記させられただけでしたが、
この無限に続く数列に規則はあるのか?
という問いが、古代ギリシア以来ずっと続いてきたのです。
◆ ゼータ関数とリーマン予想
1859年、リーマンは気づきました。
「ゼータ関数という魔法のような関数を使えば、素数の並び方がわかるかもしれない」
そしてこう予想します。
「ゼータ関数が0になる特別な点(零点)は、全部、複素数平面の“1/2の線上”に並んでいる」
このゼータ関数には有名なオイラー積分解があります
左辺:全自然数のn乗逆数和
右辺:全ての素数を用いた無限積
この式は、素数という数論の根源的存在と、円周率πという解析学の根源的定数が、一つの式で繋がっていることを示しています。
少し哲学的な言葉で表現すると、
πは「無限に続く円周率」、幾何学の調和。
素数は「無限に続く整数の原子」、数論の調和。
が一つの関数で結びついているわけですから、まさに神の仕業ですね。
◆ なぜ大事か?
もしこの予想が証明できれば、
素数がどこに出現するか
どのくらい間隔が空くか
この予測が格段に正確になります。
つまり、暗号やAI、量子力学など、現代社会を支える数理基盤がより強固になるというわけです。
◆ 例えるなら
ピアノの鍵盤が乱雑に置かれているように見えて、
実は全部がドレミファソラシドの規則で配置されていた。
そんな感じです。
リーマン予測は
「素数の謎を解き明かす鍵」
であり、
「数学最大の未解決問題」
なのです。
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ちなみに10000までに素数は何個あるのか。
古来より人々はこの問いを抱えてきました。ギリシアのエラトステネスは篩を編み、ガウスは少年時代に素数定理の萌芽を見いだしたのです。
いま、我々がポケットに忍ばせるスマートフォンでさえ、一瞬で答えを弾き出します。
その数1229個。
車のナンバーや暗証番号、鍵などは四桁の数字であることも多いですが、4桁の素数で美しいものを挙げてと生成AIに聞いてみました。
第1位:1009
千の壁を越えて最初に現れる素数。
“無限の荒野に立つ最初の標識”。
第2位:1237
1,2,3の連続美と末尾7の安定感。
連続素数構造美として知られる。
第3位:1061
逆数1601も素数というミラープライム。
「数字の鏡に映る自己同一性」。
第4位:1223
対称的並びを持つツイン素数兄弟の一角。
第5位:7331
全桁が素数(7,3,3,1)で構成される完全素数配列。
第6位:3457
3,4,5,7と連続する4桁内素数配置。
“エレガント数列”。
第7位:1999
ミレニアム直前、最大四桁素数の一つ。
“世紀末の門番”。
第8位:2221
二の反復美と末尾1の閉じ。
“二進数的調和”。
第9位:6781
6,7,8の連続上昇+1。
“階段構造の数論美”。
第10位:9001
「It’s over 9000!」とネットミーム化もされた象徴的素数。
なんか良いかも。暗証番号変えようかなぁ。