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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

感動のオペラ「ローエングリン」

再び、ドイツ出張記です。

この日の夜はドレスデンの由緒あるゼンパーオペラ(ザクセン州歌劇場)で、ワーグナーの名作オペラ「ローエングリン」を観劇しました。

向かう前からわくわくしていましたが、劇場に近づくとライティングも幻想的で、さらに期待が高まります。

ゼンパーオペラは、ワーグナーの「タンホイザー」や「さまよえるオランダ人」が初演された場所です。

戦後再建されたのですが、中の装飾はとても美しく、目を凝らしていつまでも見ていたい気分でした。

海外の劇場で、その地の観客とともに、雰囲気を楽しみながらオペラを観るのは、最高の贅沢ですね。

さて、オペラ「ローエングリン」です。

ワーグナーの音楽としても、すばらしい旋律の多い、最も完成されたオペラの一つだと思います。

ワーグナー・ロマンティック・オペラの最終章。

ブラバント公国の跡継ぎ問題で争う公国の王女エルザと、フリードリヒ伯爵の物語。

伯爵(と妻)の策略で窮地に陥ったエルザが、自分を助けてくれる騎士が来るのを祈ります。

もうだめだという時に、白鳥に引かれたそりで、白鳥の騎士「ローエングリン」がやってくるのです。

ストーリーをわかっているとはいえ、ストーリーが進むにつれ会場は熱気に包まれます。

しかも、ドイツで見るドイツ語オペラは字幕がないんですね。考えてみれば当り前のことなのですが、印象深かったなあ。

幕間には、いつもスパークリングワインを飲むのですが、素晴らしい舞台のとき、これが一番幸せな瞬間です。ここまでの舞台を振返り、感動し、余韻に浸り、そしてこの後に何が待っているのかをあれやこれや想像しながら、歴史あるホールで飲む一杯。

興奮して暑くなり、上着を脱いでしまいました(笑)。

幕間に見に行った楽譜です。

第三幕ではローエングリンとエルザの結婚式が始まります。

これがまたすべてのキャストの衣裳が本当に美しいのです。

そうそう、いわゆる結婚式で演奏される、結婚行進曲には二つの種類があるのをご存知ですか?

一つはメンデルスゾーンの歌劇「真夏の夜の夢」の結婚行進曲。 ジャジャジャジャーン(ドドドドー)から始まる歌。

https://youtu.be/bDr8Q7lDW8o

もう一つよく使われるのは、このローエングリンの結婚行進曲

ジャン・ジャジャジャーン(ソ・ドドド) ジャン・ジャジャジャーン(ソ・レシド)の旋律。

「ジャジャジャジャーン」じゃわからないですよね(苦笑)。語彙が少なくてすみません。

こちらもYOU TUBEです。

・・・なのですが、この曲が劇中で使われた時は、演奏があまりに素晴らしくて、僕は感動して涙が出そうでしたよ。

このローエングリンの結婚式の曲で式を挙げたカップルは数多いと思うのですが、実はこのオペラではこの曲の流れた後わすか数分後に、この夫婦間には、悲劇が訪れてしまうのです・・・。

幕が落ちる時にはローエングリンは去り、エルザは死んでしまいます。

今回のオペラ。本当に演出が素晴らしく、観客はスタンディングオベーションの大喝采でした。

多くの公国に分かれていたドイツの小国の軍服もすべて違うデザインでした。

今をときめくクラウス・フローリアン・フォークト(klaus Florian Vogt)を主役に置いた配役も素晴らしく、オペラ「ローエングリン」がますます好きになってしまいましたよ。

記憶に残る公演でした。

雨の中、夜のドレスデンをホテルまで帰りました。

 

 


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