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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

レーザー医療2017年上半期の総括 光治療機器のまとめ

レーザー医療2017年上半期の総括 光治療機器のまとめ

レーザー治療機器について、そろそろ2017年上半期のまとめをしたいと思います。

レーザー機器はピコ秒発振の可能な機器が各社一巡したところですが、工学的にはこちら単なるQスイッチレーザー機器の一種であるといえます。

研究開発費がかかっているのはよくわかりますが、我々医師が既存のQスイッチnano秒レーザーの3倍以上の価格を吸収するならば、患者さんの施術価格に転嫁せざるを得ないのが現状です。

刺青の治療および、研究目的以外の用途は、まだ低いのではないかと個人的には思っています。

今日の話題は、光治療機器。

過去5年以内に発売された、代表的な4機種のIPL製品について特徴を述べたいとおもいます。

光治療は商標であるフォトフェイシャル、フォトRFを含め様々な呼び名があるが、工学的にはIPL(インテンス・パルス・ライト Intense Pulsed Lightコンデンサ等を用いクセノンランプ (xenon lamp)を極短時間のみ発光させた光。)に総括されます。

機器としては開発後、20年以上の経過を経て技術的には成熟期と言えますが、ここ数年で新たに開発された技術もあります。

同じエネルギー密度の光の照射であっても、高いピークパワーや短いパルス幅を実現し、色素斑に対する効果は上昇していますし、1Hzが限界であった繰り返し照射も、2〜3Hzと頻度を高く設定できる製品も出てきており、1人の患者に対する施術時間短縮にもつながっています。

レーザー

1.e-plus (米国 Syneron/Candela社製品)

IPLと 独自のバイポーラーRF(高周波)elos ®を同時照射することにより出力を光とRFに分散することで、従来製品よりも安全にエネルギーを深部へと到達するメリットを有する複数アプリケータを搭載した複合型治療器です。

メラニンをターゲットにしたSR、SRAはそれぞれ波長域が580〜980、470〜980nm。

より低い波長域を有するSRAによる治療の方がメラニンへの反応性が高いですが、メラニンの量が多い場合は反応熱による熱傷のリスクも高くなります。

クリニックFで使用している際に、経験的にはSRでフルーエンスを27J/cm2程度まで高めても安全に使用出来ていれば、短波長帯のSRAへの安全な切り替えが可能になりますのでおすすめしています。Sublimeは700〜2000nmと近赤外線領域の波長域を有するアプリケータで肌のタイトニングが可能になります。

2.versa (イスラエルvenus concept社製品)

ヘモグロビン色素に吸収する515nm-600nm、さらにメラニン色素に吸光度の高い650nm-820nmの二つの波長帯を既存の機器に比べて1.5倍の出力にしたこと。

独自の冷却センサーを持ち1秒間に1000回の温度チェックで5℃をキープするTEC冷却式サファイア使用により高い冷却効率を実現できる点や、3Hzでの高速照射が可能な点などが特徴として挙げられます。高周波、パルス磁場、高周波ナノフラクショナルなど多彩なモードを有する総合型プラットフォームとして使用されています。IPLでは、スキンリジュビネーション、脱毛、血管と色素病変、肌の若返り、ニキビ、赤ら顔、しわ、たるみなどに合わせ、7つの照射モードがありそれぞれの効果が期待できますね。

アプリケータは515nmと580nmの2種類。アジア人の皮膚に対しては580nmのアプリケータから使う方が安全に使用できます。

ニキビ対応のACDUALハンドピースは青色415〜480nm 赤色光630nm〜950nmを組み合わせるという新たな技術法でパルスごとに青色光と赤色光を同時に発振する革新的な技術で注目されている。

青色光はニキビを引き起こすアクネ菌を破壊し、赤色光は炎症を抑えることで早期回復を促します。

3.M22(イスラエル ルミナス社製品)

商業用IPLの原型であるフォトフェイシャル®を完成させた機器メーカー(旧コヒレント社)の作り上げた5世代目のIPL。

アプリケータ交換ではなく、8波長(515nm, 560nm, 590nm, 615nm, 640nm, 695nm、Acne用、Vascular用)の治療用フィルターからの選択で行うことができ、加齢性皮膚への対応・シミ・赤ら顔・毛穴など多くの病変の治療を1台で行うことができる。フィルター交換による波長変更・パルス分割変更・出力変更をより短時間で行えるため、全顔照射の最中に部位によって異なる照射方式でオーダーメイドの治療が可能です。

4. InMode(イスラエル INVASIX社製品)

INVASIX社は長年IPL、レーザー機器の開発に携わってきたMoshe Mizrahy氏がCEOを務めるイスラエルのメーカーである。

特別に設計されたキセノンランプを使用することで、500nm-600nmに相当するピークパワーの出力がより高くなるように設計され、ターゲットとしている波長領域以外のエネルギーの分散が少なく、施術がより安全に且つ最大の効果が狙える機器と言えます。

アプリケータは2種類。515SR(515nm-1200nm)はスキンリジュビネーション、血管および色素病変に、580nmSR(580-1200nm)は 脱毛、肌質改善に効果があります。

また搭載されている独自のクーリングシステムは非常に強力であり、施術時の痛み、火傷のリスクの軽減がなされている。

クリニックFでは、この他、キュテラ社ライムライト、サイトン社BBL、サイノシュア社(旧パロマ社)スターラックスなど過去に定評のあった古い設計の機器も保有し、患者さんの肌に合う機器を選択しています。


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