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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:ニキビ跡

ニキビ跡治療をレーザーで行う クリニックFでの治療戦略

ニキビ跡に悩んでいる人は多いですよね。

国内のクリニックでも、

ニキビ治療が得意なクリニックと

ニキビ跡治療が得意なクリニックに分かれると思いますが、クリニックFは、過去10年間、フラクショナルレーザー機器を使い分けることによって治療を行ってきました。

2017年の米国レーザー医学会(ASLMS)でもニキビ跡治療の演題が散見されましたが、ほぼ数年前に「ニキビ跡治療は完成した」と報告されたように、治療方針は固まっています。

現在はフラクショナルレーザー機器の全波長に加え、新たなフラクショナルRF機器がいくつか登場しています。

クリニックFで現在積極的に治療に取り入れを検討しているフラクショナルRF機器は

ヴィーナス社の VIVA

Immode社 の FRACTORA(フラクトラ)

どちらもイスラエルの企業ですが、よりダウンタイムの少ない、効果の高い治療が今現在も模索されているという事ですよね。

ニキビ跡を治療するためには、以下のスライドのように3つのハードルがあります。

1 凸凹/クレーターによる瘢痕

2 赤味によるニキビ跡

3 色素沈着によるニキビ跡

です。

スライド4このうち最も難しいのが、 でこぼこしたニキビ跡の形態に関連する治療です。

ニキビ跡の形態は以下の四種類に種別できます。

ローリング型  「W-shaped(>1-4mm

アイスピック型  「V-Shaped」 (<2mm

浅いボックスカー(箱形)U-shaped

  (>4-5mm

深いボックスカー型 「U-shaped

こちらを、フラクショナルレーザー機器、つまり柱状にレーザービームを打ち込むことで肌を均一化する機器によって治療してゆくのです。
スライド6

フラクショナルレーザー機器の治療にあたり、 機器的なパラメーターが4つあります。

それは、波長 パワー 照射密度 照射時間

なのですが、

フラクショナルレーザー機器をニキビ跡治療に利用するさいには、以下の4点のメリットがあります。

1.時間的・空間的制御性(照射密度依存性)に優れる

2.創面を湿潤もしくは乾燥にコントロール(波長依存性)ができる

3.穴の深さ(パワー依存性)をコントロールできる

4.大きさ(照射時間依存性)をコントロールできる

キャプチャ キャプチャ2実際にどのような機器を使用してニキビ跡治療をしてゆくかですが、クリニックFには以下の表にあるように多くのフラクショナルレーザー機器がありますので、それぞれに対応した治療をしてゆくという事になります。
スライド9

具体的には以下のような機器を利用しますが、クリニックF推奨のパラメーターにつきましては治療戦略上の秘密もありますので空欄にさせていただいています。(笑)。スライド10 スライド11 スライド12 スライド13 スライド14 スライド15 スライド16 スライド17 スライド18

これらの機器を、

4種類に区分けしたニキビ跡の形態に合わせて適応させてゆくのです。

ローリング型  「W-shaped(>1-4mm

アイスピック型  「V-Shaped」 (<2mm

浅いボックスカー(箱形)U-shaped

  (>4-5mm

深いボックスカー型 「U-shaped

スライド19クリニックFでは、クオリティ高く効率よいニキビ跡治療を過去10年に渡って実践し、ご評価いただいています。

以前は治せないと言われたニキビ跡ですが、現在は治療が可能な症状になっています。

悩まれている方がぜひご相談くださいね。


三つ目の博士号 薬学博士論文 フラクショナル・レーザーアシストとリポソーム併用によるドラッグデリバリーについて

3年間研究在籍していた慶応義塾大学大学院薬学系研究科での研究を終え、

医学博士(東京大学2004年)

工学博士(東海大学2013年) に次ぐ

僕の3つ目の博士号である 薬学博士

博士(薬科学) (慶應義塾大学2017年)を受理することができました。

 

ここに至るまで、思わず涙が出るほどつらい経験もしました。

その分本当に嬉しいです。様々な局面で支えてくださった方々のおかげです。

ありがとうございました。

***

僕は小学生の頃から理科が大好きな子供でした。

父親は文系の研究者でしたが、理系の研究者という職種が存在すると気づいたのは、小学3年生の頃だったような気がします。

当時、千葉の放射線医学総合研究所(放医研)に勤めていた理学博士の叔父の研究室に遊びに行かせてもらって感激したのです。

思えば、将来博士号を取るという事を明確に意識したのがこの時でした。

物理 化学 生物 は理系の主要な三部門です。

新たな理論を立証する手法は、それぞれの学問で異なります。

物理であれば数式で

化学であれば化学式で

生物であれば図表で

証明することが必要になりますが、

レーザーを軸にし、工学(物理学) 薬学(化学) 医学(生物学) の三分野の博士号を取得した医師は世界にも他にいません。

人生においても、研究においても、経営においても、他人とはひと味違った、またはちょっと角度の異なるオリジナルなものを作り上げたいというのが僕の常なる目標でありモチベーションですので、転んでしまった時もとりあえず立ち上がりひたすら信じる道を進んできたな、と思います。

***

フラクショナルレーザー機器を用いたドラッグデリバリーの論文は英文で2報書くことができました。

スライド42

一本目の論文は、レーザー医学の世界のトップジャーナル。Lasers in Surgery and Medicine誌に載せることができました。

生体に薬を入れる手法は大きく分けて三つあります。

経口 経静脈 経皮 (経肺というルートも考えられます)

ですが、この論文は、経皮の薬剤吸収を促進する方法です。

今回の僕の論文は、リポソームを薬剤トランクのように用いて、フラクショナルレーザーをアシスト照射することで薬剤の皮下への導入を増やそうというもの。

スライド43それまで、経皮の薬剤吸収の促進と制御方法には上記二つの手法がありました。

こちらのフラクショナルレーザー機器を物理的な手法とすれば、以下のようにより有利に薬剤をコントロールして皮下に導入できることとなります。

スライド44皮下に導入するフラクショナルレーザーとしてはCO2の波長を選択しました。

この波長は照射後の皮膚が乾燥し、薬剤が浸潤しやすい状況を作るからです。

スライド45波長を決定して、残りの3要素のパラメーター

パワー 照射密度 照射時間をコントロールして実験を行いました。

スライド46

リポソームに内封させる薬剤としては、

低分子モデル 分子量376 5CF

低分子タンパクモデル 分子量6000 インシュリン

ワクチンモデル 分子量 45000 OVAアルブミン

と、大きさの違うモデル薬剤を用いて、それぞれ実験を行いました。

スライド48

どのモデル薬剤を用いても、パワー依存性、照射密度依存性、パルス幅依存性に薬剤導入が増すことが確認できました。

こうしたフラクショナルレーザーを用いた薬剤導入で最もメリットがあると思われるのは

〇針を使って日々インシュリンを導入しなければならない糖尿病患者

〇予防接種のためにワクチンを注射する小児

〇組織内圧が高く、そもそも注射が難しいケロイド患者

などが想定されます。

さらに、フラクショナルレーザーで開ける穴を調節することで、さらに大きな、例えばメラノサイトのような細胞を導入できるようになります。こちらはドラッグではなく、セル(細胞)デリバリーとしての応用です。

白斑や薄毛の治療などにも大きな福音となるでしょう。

***

二つ目の論文は、リポソームに用いるペプチドを、温度応答性に構造変化する変形性のペプチド組み込むことで、崩壊のタイミングをレーザーでコントロールするというもの。薬学のジャーナルに載せることができました。

スライド60

スライド61皮下に温度応答性のリポソームをしばらく沈降させて、必要な時間にレーザーを照射して皮下温度を上昇させることで薬剤放出をさせることができるのです。

実際にクリニックFでは、フラクショナルレーザーを使用したのちにこうした効果的な薬剤を塗布することで、肌を入れ替える施術を行っています。

難治性のニキビ跡や、初老期の表皮の細かいシワなどの肌を、脱皮させ、生まれ変わらせることができますよ。


新しい注目レーザー inMode

クリニックF、金曜と土曜の外来を担当している宮下です。

 

m

dr-m

 

この週末は、先日クリニックFに来院してくれたMoshe Mizrahy、彼が開発した新しいIPLプラットフォームであるinmodeも活躍してくれています。

inmode1inmode3

inmode2

 

この機種には、過去にない画期的な技術が3つ(それぞれ、痩身、光治療、脱毛)が組み込まれています。
①IPL
②RF
③フラクショナルRF
④アレキサンドライト+ダイオードレーザー(2波長)
⑤バキューム+RF
など多彩なモードが魅力であり、これ一台でかなりの用途を満たします。

inmode4inmode5inmode7inmode8

IPLについては515nmと580nmの2種類の波長が選択できるようになっており、アジア人に関しては580nmから始めるのが安全だと思います。

 

RFは各パーツごとに10分間行い、40〜41℃程度まで温度を上げます。
しっかりと温度上昇を感じて効果が実感できそうです。

フラクショナルRFのヘッドは3タイプあり、
「浅い層や小じわに効く」
「しわやにきび跡全般に効く」
「ヘッドにコーティングがされておらず深い層まで到達し、重度のにきび痕や深いシワに効く」
といったラインナップです。

正確な診断と組み合わせるとパワーを発揮しそうですね。

また1つのヘッドでアレキサンドライト(755nm)+ダイオードレーザー(810nm)が出せるモードがあり、同時に強力なクーリング機能もついています。

安全にシミの治療もできそうです。

バキュームRFについては吸引と2タイプのRFで脂肪のアポトーシスを促します。
〇normalモード:腹部、大腿
〇sensitiveモード:内腿、上腕
〇redesisモード:硬めの大腿や腹部
という3モードがあり、1部位25分程度かけて40〜41℃をターゲットにして十分に温めます。

どのモードも効果が楽しみです。

inmode

僕は診療の合間に髭の脱毛を試してみましたが、痛みも少なくあっという間に終わり、個人的にも気に入りました(笑)。

ご興味のある方は是非ご相談くださいね。


ニキビ跡治療の加速度合い

このセッションの座長のMark Taylor MDとは、5月のスロヴェニアでの招待講演以来の再会でした。

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様々な波長のノンアブレイティブ フラクショナルレーザーとフラクショナルRFさらにPRPを組み合わせたニキビ跡治療の講演は素晴らしかったです。

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ニキビ跡治療は完成したと言われて久しいですが、当時から明らかに治療が加速しましたね。

アジア人の肌にもそのまま適応できそうですね。


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