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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:肝斑

2013年レーザー・RF治療機器総括 新旧交代

おはようございます。

今日は9月14日(土)。クリニックFの診療日です。

台風が接近しているとのことですので、連休はちょっと心配ですね。都心も依然湿度が高く、蒸し蒸しした週末です。

とはいえ、そんな天気を肌でじっくり感じる間もなく、今日も朝から大忙し。欧州出張のおかげで土曜日が二回休診となってしまいましたので、久しぶりの土曜診療なのです。

今朝は髪を切ってきました。

これらは今週届いた本、また楽しもうと思います。

さて、今日はレーザーの機器選択の話を。

クリニックFでは僕の方針で、毎年秋頃にその年に得た情報を総括し、新規購入機器を決めることにしています。

具体的な流れとしては、年が明けて3月の米国皮膚科学会AAD、4月の米国レーザー医学会ASLMSの発表を経て情報を収集し、10月に開催される欧州皮膚科学会前後に欧州の動向を踏まえて、年末までに院内に導入する購入機器を選択しているのです。

今年は年始から5ヵ月連続米国出張、翌月より5ヵ月連続欧州出張と続きましたので、例年よりも機器の情報がより正確に入りました。

だいぶ自分の中で明確なものが見えてきましたよ。

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秋までに、新規のコンセプトで取り入れたいレーザーが出た場合は、レーザー機器の買い増しをしますが、年によっては購入したいと思える新規コンセプトの発表がなかったり、魅力的なアイディアが搭載された機器があっても、もう少し様子を見たほうが良さそうだな、と判断する場合もあります。

そうした場合は、新規機種の買い増しをせず、使用頻度の多いレーザー機器の、本体買い替えをしています。

レーザー機器も、機械ですので、新しければ新しいほど切れ味もよくなります。

本体の世代交代も必要なのです。

クリニックFを開業してから、最も買い替えを行った機種は、シネロン/キャンデラ社のベストセラーであるeMAX。

オーロラ、オーロラアドバンス、ポラリス、リファーム、ギャラクシー、トリニティ、マトリックスIRなどの機種が使用できます。

今年の5月に4代目の機器をクリニックに迎えましたが、平均1年7ヵ月ぐらいの使用で本体を入れ替えているということになりますね。

この機種を使用している方々は、定期的にクリニックFにいらしてくださっている方々なので、その方々に最も利益があるようにしているつもりです。

その上で今年さらに買い増ししたのは、eMAXの上位機種。

同じくシネロン/キャンデラ社のePLUSでした。

こちらはeマトリックスとeMAXの機能を合わせた機器ですが、単に合体器ではなく、特にインピーダンスフィードバックシステムが大きく改善。

中でも

たるみ治療の「サブライム」と

しわ治療の「モチーフIR」の

効果が絶品です。

2013年も振り返るとレーザー・アンチエイジング領域ではいくつも話題となったことがありましたが、その中でもePLUSのデビューは間違いなくその筆頭にくるでしょうね。

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ちなみに二番目の話題としては、 1995年にDr. Edward W. Knowltonにより発明され、すでに市場登場以来、10年の歳月が経過するサーマクールが挙げられます。

今年もトータルチップなど新たな技術が提供されてきましたが、開発の技術者が本社から減ってきてしまいました。

今後は新たな機器がデビューするとしても、外装が変るなどのマイナーチェンジに終始するのではないでしょうか?

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第三の話題としては、2011年にホヤコンバイオ社からサイノシュアに買収されてしまったメドライトC6とレブライトです。

肝斑治療に適応される「レーザートーニング」という治療は、国内で一部危険性について議論がなされていますが、世界的にはすでに常識となっています。

要は治療方針のプロトコールが確定しているかどうかなのでしょう。

日本では、メドライトC6がメジャーになりましたが、

2010年にデビューした上位機種、レブライト(REVLITE)も魅力的な機器。

機器としての安定度も増しています。

今年、メドライトC6と入れ替えるべきか迷っています。

※※※※※

第四の話題としては、依然DEKA社のマドンナリフトがあげられるでしょう。

こちらは眼瞼挙上を行うマドンナアイリフトが先行して著名になりましたが、本来は顔全体の肌を入れ替えるべく施術をするもの。

クリニックFでは、各種ペプチドやサイトカインなどの独自配合の創傷治癒促進因子を施術後に併用しています。

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また、レーザー機器ではありませんが、昨年末から爆発的なヒット商品となった「水光注射」について最近よく意見を求められます。

僕自身は皮下へのドラッグデリバリーやペプチドデリバリーの一つの方法と考えており、ドラッグデリバリーやペプチドデリバリーについては興味がありますので、すこし調べてみたいとは思っていますが、注入物質の内容について慎重な検討は必要だと思います。

 


レーザートーニング治療により消失した肝斑は放置すると必ず再発するという話

おはようございます。

今日12月18日(火)もクリニックFの診療日です。

都心は過ごしやすい一日となりそうですね。

さて、今日は「肝斑のレーザー治療における誤解」についてふれておきたいと思います。

肝斑にレーザー治療が応用されるようになってから、5年以上の歳月が経過しました。

治療の第一選択となるのは、2012年末現在、メドライトC6による「レーザートーニング」であることは各ドクター・関係者異論ないかと思います。

メドライトC6によるレーザートーニングは、状態によって必要な施術回数は異なってくるものの、確実に肝斑の色調を薄くさせる効果があります。

しかしながら、せっかく数回のレーザートーニング治療によって肝斑が消失しても、これをそのまま放置してしまうと、まず100%の確立で肝斑が再発してしまうのです。

再発性の疾患である肝斑の治療は、「色素の消失」と「再発防止のための肌質改善」、どちらもが成されて初めて完全な治療方法が確立したと言えるのではないかと思います。

レーザートーニングという治療は、肝斑の色彩を減少させる効果は確実にありますが、根本治療というよりは、対症療法に近いのです。

肝斑が再発する過程をよく観察すると、毛細血管の周りから色素が再発してゆくのがわかります。

女性の場合、特に生理周期によって定期的に皮下の毛細血管壁が緩み、中からメラニンを増加させる化学伝達物質が漏出するのです。

この漏出を抑えるために、毛細血管を縮小させておき、さらに持続した炎症反応を起こさないように肌質を改善することが何よりも大切なのです。

つまり、肝斑が表面から無くなったのちに、加えて行うレーザーや光を用いた補助治療を用いることの方が、はるかに重要な過程だと思うのです。

クリニックFでは、この補助治療に、IPLやフラクセル3DUALなどを使用していますが、こうした患者さんそれぞれの肌に適合したレーザーや光治療器を選択するのが医師の腕の見せ所であり、単にレーザー光機器が仕事をしているわけではないということなのですよね。


レーザートーニングによる肝斑治療の最前線

さて、今日6月28日もクリニックFの診療日です。

何度かお知らせしていますが、今週は土曜日までの診療で、週末から再びロシアの学会に出張予定です。

9日朝の帰国予定ですが、その日の外来を終えた翌朝に札幌に飛び、7月10日にレーザー界の大先輩である久保田潤一郎先生が代表世話人/座長をされる

「第一回光線治療セミナー in 札幌」で

「レーザートーニングによる肝斑治療の最前線」

という講演をさせていただく予定になっています。2005年より、肝斑治療がレーザーで行うことができるようになり、この治療法の常識が変わりました。

僕自身も

ルートロニック社のスペクトラVRM3(マックスピール)

サイノシュア社のQスイッチアレキサンドライトレーザー(アコレード)

ホヤコンバイオ社のメドライトC6(レーザートーニング)

と、

いくつかのQスイッチレーザー機器を使用した肝斑治療の比較研究を、過去数年にわたりアメリカのレーザー医学会(ASLMS)や、ヨーロッパの美容系学会(IMCAS)などで発表してきました。

この内容を踏まえて

そもそも肝斑の成因はなになのか?

なぜ、白変を伴わない程度のローフルレンスのQスイッチヤグレーザーで、肝斑が消褪するのか?

これらの理由とメカニズムを、工学的な数式を使用して解明してみたいと思います。

そんなわけで、ロシアで学会発表の準備がどこまでできるかわかりませんので、朝からクリニックに出勤し、プレゼンをコツコツ作っています。

が、煮詰まってきたのでちょっと一休みして、間もなく始まる診療に備えます(笑)。

 


出産後の肝斑治療

妊娠線治療についてのお問い合わせと同じくらい最近また多いのが、出産後の肝斑治療についての御質問です。

最近のベビーブーム?を反映しているのでしょうか?

妊娠中に出現したり、妊娠前にもあったものが妊娠中から産後にかけて濃くなったりする肝斑。

女性ホルモンが深く関与しているだけに、こうしたことが起きるわけですが

では、産後いつから肝斑治療を始めるべきか? と聞かれれば

「まずは、大仕事である出産を終え、産後身体が回復するのを待ち、その上で一日も早くどういった状態に今あるのか、見せに来て欲しい」

というふうに僕の方ではお答えしています。

産後2~3ヶ月から治療を始めたほうがよりよい結果を得られる肝斑もあれば、半年か1年待ってから治療を始めたほうがいい肝斑もあります。

そして、こればかりは素人判断は禁物です。

初めての出産を終えられた方は、出産後母体は回復しても慣れない育児で大変。子どもを預けられるところもないし・・・と、いうこともあると思います。

クリニックFでは、時間帯やスタッフの状況にもよりますが、赤ちゃん連れでいらしていただくことも可能ですので、そのあたりはざっくばらんに御相談くださいね。


フラクセル3Dualの肝斑治療への応用

今年一年のクリニックFの肝斑治療方針で、大きく変化しそうなものがあります。

それはフラクセル3Dualが独自に持つ1927nmの波長による肝斑治療への適応です。

現在クリニックFで肝斑治療のファーストチョイスは、HOYACombio社のメドライトC6を使用したレーザートーニングです。

しかしこのトーニング治療でどうしても色素が残ったり、治療抵抗性の時にフラクセル3Dualの新しい波長1927nmを使ってみると、強力な力を発揮するのです。

パラメーターは簡単な計算で設定できますが、患者さんによって変えています。

1927nmは水分の吸収率が高い波長です。この照射方法は、パワーを上げても深達度が変わらない1927nm特有の波長の性質を利用したものです。

理論的には肝斑の治療が可能なため、あるパラメーターの基準を決定し数名の患者さんで施術をしたところ、予想通り3~5回のフラクセル3Dualでものの見事に肝斑が消失したので、2010年にテキサスで行われる米国レーザー学会で発表しようと準備を始めました。

フラクセル3Dualは、クリニックFでここ数年購入したレーザー機器の中でもっとも満足度の高いもので、現状浅いニキビ跡の治療にはこれを超える機種はないと思っているのですが、肝斑にも適応できるのであれば、レーザーによる肝斑治療ががらりと変わるかもしれません。

ほんの5年ぐらい前までは、レーザーで肝斑治療は禁忌。さらにニキビ跡も治すための有効な手段がないに等しかったのですが、ここ数年の技術進歩は素晴らしいですよね。


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