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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:肝斑

肝斑治療の料金

クリニックFで行っている肝斑治療について、毎日のように御質問や御相談のメールを頂いています。

それだけ「肝斑」という言葉が、市民権を得たということなんでしょうね。トランシーノの功績もあるのでしょうか。

治療内容もさることながら、多いのが料金についての御質問です。クリニックFのWEBでは、肝斑治療を

「105,000円~」

と表記しているため、

「治療を受ける度毎回105,000円かかるんですか?」

とか

「最高にひどい肝斑の状態で、いくらくらいかかるんでしょうか?」

・・・などといった御質問を頂くのです。

きっとメールを頂いてなくても、同じことをお知りになりたい方でこのブログを読んでくださっている方もおいでになるでしょうから、今日はこのあたりを御説明しておきたいと思います。

クリニックFで、肝斑の治療に最もよく使われる機器は、メドライトC6という機械です。

クリニックFでは、このC6による施術を、1回42,000円で承っています。(治療後には無料でビタミン導入と下地の仕上げ、頭部・首などの簡単なマッサージがつきます。)

ただ、肝斑の治療につきましては、状態によって必ずしもC6だけを使用する、と事前に言い切ることができないこと。(フラクセルなどほかの機器を使用する可能性もあること)

また、C6を使用したとしても、一度の施術で肝斑を完全に改善するところまでは至らないこと。(最低でも3~5回の施術が必要となります。)

そうした事情も踏まえて、料金案内のページでは、「105,000円~」と、表記させていただいています。

言い方を変えると、肝斑を治療したい、改善させたい、とお考えの方で、それをレーザー治療によって結果を出したい、と思われるのであれば、最新鋭の機器で最前線の治療を僕が承る場合、

数回にわたる通院と治療費=最低105,000円がかかってしまいます

ということなのです。

ただ、このブログでも何度か書いていますが、クリニックFはまず患者さんの御予算・目的ありきで作った新しいコンセプトのクリニックであり、治療機器や治療内容は僕が決めるのではなく患者さんに決めて頂くことになります。

そのため、105,000円以降どれくらいのご予算で治療を行っていくのかにつきましては、患者さんの方で御判断いただくことになるのです。

自分の治療は、内容もかける金額も自分で決めたい

自分の肌年齢は自分の意思で超えたい

・・・そんな理知的で、意思のしっかりとした患者さんがこのクリニックには多く、僕はそんな患者さんたちを万全の体制でお迎えするため、世界で最新の情報と技術を、常に正確に提供できるよう、日々勉強している、というわけです。


ADMを「肝斑」と誤診されていませんか?

最近クリニックFにお越しくださる患者さんで

「他院で、シミを“肝斑”と診断されたけれど、違う気がするので藤本先生にもう一度診て欲しい」

とおっしゃる方がいます。

これが、けっこうな数なのです。

このブログでも何度か書いていますが、両頬の目の下に出現するシミは、肝斑の場合もありますが、そのほかの種類のシミが混在していることがほとんどです。

それに関連して、今日このブログに頂いたコメントで、他の方にも御参考にしていただけそうなものがありましたので、僕が書いた答えと共にここでご紹介させていただきます。

Q:「他院で、顔のシミが後天性真皮メラノサイトーシスと診断されました。

御ブログでこの症例を読み、最新の機材と適切な出力により、今までより効果的な治療ができることを知りました。御院、クリニックFでの治療を検討しています。

ちょうど症例のように頬の上に薄めのもやもやと一点の濃いシミのようなものがあります。

ADMの治療を保険適用とする病院も多いようですが、クリニックFでは適用になりますか?」

A:「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、よく肝斑と誤診される疾患です。

僕の経験上、肝斑だと思って来院される患者さんのうち、8割の方がこのADMを合併した症例を持っています。

診断された先生の診断技術は、素晴らしいと思いますよ。

お話戻しますね。

日本には多くのレーザー機器が輸入されていますが、保険適応がなされるレーザーは、必ずしも最新のものではないのが現状です。

特に、この10年間に、アメリカを中心に世界で開発された「新技術を伴う」レーザー機器は、厚生労働省の認可が得られていないものばかりです。

日本では医師の個人輸入という形でしか手に入れることができません。つまり、日本では、最新のレーザー機器での保険診療はできないのです。

クリニックFでは、米国と同じ最新レーザー治療を、リアルタイムで、最も効率よく行うことを信条としていますので、現在は、保険適応のレーザー機器を使用していないのです。

患者さんのためにも、新技術の認可がより早く降りるシステムがあれば良いのにと思いますよ。


肝斑に最適なレーザー機器の研究

先週一週間かけて、今年4月にワシントンで開催される米国レーザー医学会(ASLMS)の発表演題のポスターを仕上げていました。

「ポスターをマイクロソフトのプレゼンテーションで作製し、それを学会の持つアドレスにアップロードする」

という作業のインストラクションが英語で送られてくるのですが、毎年ちょっとづつ仕様が変わるのです。

米国時間15日に締め日だったので、先週一杯を使ってしまいました。

今回の学会では演題が二つ通過しているのですが、このうち一つは「肝斑治療」の演題です。

米国サイノシュア社のQスイッチアレキサンドライトレーザーのアコレードと、韓国ルートロニック社のSPECTRA-VRM3というQスイッチNd:YAGレーザーの二つのレーザー波長を比較対照しました。

レーザー治療で最も大切なファクターは「波長」ですが、組織を破壊する能力は、「パルス幅」に依存します。

レーザーのエネルギーは、縦軸の瞬間風速(POWER)×横軸の時間(Time)であらわされますが、全く同じエネルギーが照射されていても、照射時間によって瞬間風速が大きく変わるのです。

二つのレーザーはQスイッチという、レーザー照射時間がナノ秒単位(100万分の1秒)のごく短いものですが、その中でもパルス幅の違いで、反応に違いがあります。

この二つのレーザー。適切なパラメータで照射すれば、どちらも肝斑を除去する能力がとても高いのです。

実際に対照実験を行ったのですが、理論通りの非常に興味深い結果が得られました。4月の発表の後、このブログでも提示しますが、「肝斑はレーザーで治療できる時代になった」といえますね。


肝斑治療のレーザー。ホヤコンバイオ社「メドライトC6」

これが今日クリニックFに導入された新しいQスイッチヤグレーザー。

ホヤコンバイオ社の「メドライトC6」です。

クリニックFではこれまでも、肝斑の治療にレーザーを使用してきました。

ルートロニック社のSpectraVRMⅢ。

そしてサイノシュア社のアコレード。などなど。

レーザー機器には性能を決定する五つの要素があります。

それは

「波長」、「パルス幅」、「ビームモード」、「ビーム径」、「フルレンス」

しかしながら、レーザー機器はハイテク工業機器ですので、カタログ上では、全く同じ波長を使った同じ性質のはずのレーザーでも、製造会社によって少しづつ性能が異なることがあるのです。

肝斑をより効果的に治療するレーザートーニングを行うために、どうしても欲しかったレーザーがこの「MedliteC6」

とうとうクリニックFにも導入されました。

僕が以前C6を使用したときに、ひとつ気になった点がありました。オリジナルのC6は、ガイドレーザー光が強すぎて、照射前後の細かい病変の変化が見えにくいのです。かといって照射前にガイド光を消すわけにもいきません。

そこで、今回の導入時に、僕が注文を出したところ、JMEC社の技術の方が、わざわざ時間をかけてクリニックF用にカスタマイズしてくれたのです。

そして、今後の国内のC6注文を受けた場合、僕の意見が採用されて、今回僕がカスタマイズをお願いした、この仕様で出荷されることのなったのだとか。ちょっと嬉しいですね。

導入されて嬉しいことは嬉しいのですが、高級外車並みの支払いを考えると「顔で笑って心で泣いて」といったところでしょうか…(笑)。

まあ、寿司屋さんが用途に分けて沢山の種類の包丁を持っているのと同じく、レーザークリニックは、まずはレーザーに投資しなければですよね。

ところで、以前のブログにも書きましたが、2005年以降はQスイッチレーザーで肝斑を治療することが、世界では一般的な治療になりました。すでに、多くの論文も発表されています。

反対に、ライムライトやナチュライトなどのIPL(光治療器)で、肝斑を治療できると紹介している記事を見たことがありますが、正確には、「肝斑の中には、IPLで薄くなるタイプがある」という程度でしょう。成功率は30%ぐらいだと思います。

おそらくIPLが肌のターンオーバーを早めるために、肝斑が薄くなって見えるのだと思います。理論的にはIPLのパルス幅ではメラニンを破壊できませんから。

ところで、肝斑をレーザーで治療する上では、以下5つの注意点があります。

1.表皮最下層にあるメラニン色素を破壊できるように、深達度の高い“赤外線域の波長”のレーザーを選択する。

2.メラニン色素を破壊する臨界照射時間(TRT・熱緩和時間)である50ナノ秒以下のレーザーを選択する。

3.均一にレーザーが照射されるように照射径内のパワーが均一なトップハットモードのレーザーを選択する。

4.メラニン色素のみを破壊し、周りの正常皮膚に影響が無いパワーを選択する。

5.目の周りに発生することが多い肝斑は、レーザー照射によって網膜に影響を与えることがあるので、適切なスポット径を選択する。

しかし、いよいよメドライトC6がクリニックFに入ったことで、おそらく国内どころかアジア圏で、これだけ肝斑用のレーザー機器をそろえたクリニックは他には無いのではないかとおもいます。

肝斑でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


肝斑とレーザー治療

南アフリカから帰ってきた翌日、Cynosure社の方が治療前後の写真を持ってクリニックFに来てくれました。 結果が素晴らしかったので、ご紹介します。

「肝斑治療のために、低出力のQスイッチアレキサンドライトレーザーを使用できないか?」

と、以前よりAccoladeという機械を使用して、適切なパラメータを設定できるように治療法を研究してきたことは、このブログでもお伝えしてきました。

モニターテストのために、クリニックFで何人もの症例をとりましたが、一様に結果は良好。その内のひとりが、この写真に写っている方です。

まずは、治療前の状態をご紹介しましょう。

写真を見ると、目のちょうど下に日光性色素斑、頬の部位に淡い色のADM(後天性真皮メラノサイトーシス)と肝斑の合併症例が見られます。

こうした合併症例は事の外多く、

「肝斑で悩んでいるので、なんとかしてほしい」

と言ってクリニックを訪れる方の9割は、肝斑だけでなく、たいてい他のタイプの「シミ」も混在しています。それをまず担当医は自身がよく理解していることが重要ですし、その上で患者さんに対してもよく説明し、理解してもらうことが肝要です。

「他の病院に行って高いお金を払ったけど、肝斑は全く良くならなかった」

と言う患者さんもよくおいでになりますが、話を聞いてみると、医師が肝斑の治療法をよく理解していない場合(適切な治療法の選択・適切な機器/出力設定が出来ていない場合)と、この「合併症」の存在に両者が気付いておらず、治療を見誤っている場合と、両方のケースがあるように思いますね。

今回のAccoladeの特徴は、パワー設定をうまく調節すれば、この「合併症」と、“おまけ”で目尻のシワにもアプローチできる、という点です。

施術後の写真をご紹介しましょう。

この写真は前後2週間を挟んで、2回Accolade治療した後のものです。

色素斑が改善していることはもちろん、目の周りのしわも目立たなくなっているのがわかりますか?

これまでのQスイッチヤグレーザーと比較して、このQアレキサンドライトレーザーは、レーザーの照射時間が少し長いのですが、この違いによる「熱だまり」が、コラーゲンの生成に良い方に影響したのだと思います。

彼女だけでなく、とても良い症例写真が沢山撮れていますので、肝斑でお悩みの方は声をかけてください。

 


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