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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

レーザー照射と生体組織の相互作用によって生じる生物学的効果

皮膚科形成外科領域ではない著名な医学雑誌から、レーザー工学の依頼原稿があり、いろいろな方面から総論的な文章をまとめていました。

ようやく書きあがり、入稿し、すっきりしました。

レーザー照射と生体組織の相互作用によって生じる生物学的効果には,大きく分けて5つの反応があります。

1)光熱効果 (Photothermal)
 ナノ秒以上のパルス幅で生じやすく、皮下の特定色素に対して集光した光が、その色素を熱源に変えること。脱毛や、色素斑治療に使用。

2)光化学効果 (Photochemical)
 光放射が物質や生物、生体に作用して生じる化学的変化。

3)生物刺激効果(Biological stimulation effect)
 LLLT、いわゆる低出力レーザー治療(Low Level Laser Therapy)。 レーザーの光子が細胞のミトコンドリアに作用し細胞のエネルギーであるATP生成を助けることで、血管内血液循環の改善、細胞新陳代謝促進、細胞の有糸分裂が加速し繁殖速度が上昇、創傷治癒速度を加速させる。

4)光圧効果(Light pressure effect)
光圧によるナノ粒子や高分子の集合構造、光学特性の制御。

5)光機械効果(Photomechanical)
パワー密度が上昇することにより、光音響効果、蒸散、光アブレーションという三つの作用が段階的に起こる。

こうした5つの効果を相互利用することで、より正確にレーザー治療が可能になるのです。

写真は9年前のもので、レーザー工学研究室で撮ったものです。

https://takahirofujimoto.com/blog/blog/diary/school-engineering/post_38122/


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