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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:赤み

新しい注目レーザー inMode

クリニックF、金曜と土曜の外来を担当している宮下です。

 

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この週末は、先日クリニックFに来院してくれたMoshe Mizrahy、彼が開発した新しいIPLプラットフォームであるinmodeも活躍してくれています。

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この機種には、過去にない画期的な技術が3つ(それぞれ、痩身、光治療、脱毛)が組み込まれています。
①IPL
②RF
③フラクショナルRF
④アレキサンドライト+ダイオードレーザー(2波長)
⑤バキューム+RF
など多彩なモードが魅力であり、これ一台でかなりの用途を満たします。

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IPLについては515nmと580nmの2種類の波長が選択できるようになっており、アジア人に関しては580nmから始めるのが安全だと思います。

 

RFは各パーツごとに10分間行い、40〜41℃程度まで温度を上げます。
しっかりと温度上昇を感じて効果が実感できそうです。

フラクショナルRFのヘッドは3タイプあり、
「浅い層や小じわに効く」
「しわやにきび跡全般に効く」
「ヘッドにコーティングがされておらず深い層まで到達し、重度のにきび痕や深いシワに効く」
といったラインナップです。

正確な診断と組み合わせるとパワーを発揮しそうですね。

また1つのヘッドでアレキサンドライト(755nm)+ダイオードレーザー(810nm)が出せるモードがあり、同時に強力なクーリング機能もついています。

安全にシミの治療もできそうです。

バキュームRFについては吸引と2タイプのRFで脂肪のアポトーシスを促します。
〇normalモード:腹部、大腿
〇sensitiveモード:内腿、上腕
〇redesisモード:硬めの大腿や腹部
という3モードがあり、1部位25分程度かけて40〜41℃をターゲットにして十分に温めます。

どのモードも効果が楽しみです。

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僕は診療の合間に髭の脱毛を試してみましたが、痛みも少なくあっという間に終わり、個人的にも気に入りました(笑)。

ご興味のある方は是非ご相談くださいね。


542nm 577nmと聞いてピンと来る人はレーザー医療の専門家です

今世紀に入ってから約20年間。

最も進化した医療の一つが、レーザー治療を中心とした、Photo-medicine(光医療)であることは、僕のブログを読んでいる方はご存知だと思います。

この分野が急速に進化したのは、ご存知

1983年にサイエンスに採択されたPrecise microsurgery by selective absorption of pulsed radiationという論文です。

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(Anderson & Parrish, Selective Photothermolysis, Science, vol.220, page 524-7)

ページにしてわずか3ページ強。

とても短いこの論文(選択的光融解理論)が業界に与えた影響は数知れず。

この理論は、「(レーザー光の)波長、光の照射継続時間(パルス幅)、単位面積あたりに照射する光エネルギー量の適切な組み合わせによって、生体の限定された領域に光熱分解を生じさせることができる」 というものでした。

➀光の波長(Wavelength)

➁照射持続時間(Pulse dilation)

➂単位面積当たりのエネルギー量(Fluence)

3つの要素を調節して照射すると

特定の色素、細胞、そして細胞内構築物を選んで、

融解する、もしくは組織の急速な温度上昇に起因するショックウェーブの機械的な力で特定組織のみを破壊することができるという理論です。

今日は、

➁照射持続時間(Pulse dilation)➂単位面積当たりのエネルギー量(Fluence)

が適切に選ばれたと仮定して話を進めてみたいと思います。

➀光の波長(Wavelength)を変化させることで、どういった治療効果の変化がみられるでしょうか?

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こちらのグラフは、波長を変化させることで、体内のどのような物質が吸収するかのグラフです。

➀メラニン(茶)は波長が短ければ短いほど強く吸収する。→シミ治療にかかわります。

➁オキシヘモグロビン(赤)は一般的に波長が短くなればなるほど強く吸収されるが、可視光線には542nmと577nmに二つの山がある。→あざ治療にかかわります。

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➂真皮の水分は波長が長くなればなるほど吸収率が上がる。ちなみに表皮には水分はほとんど存在しません。→肌のタイトニング治療にかかわります。

皮膚の中で最も熱に弱い組織は表皮ですので、表皮を冷却しながら施術をするのが原則です。

このバンドの可視光線を光治療器として使うと、メラニンとオキシヘモグロビンの吸光度が近いので、干渉されてしまうのです。

クリニックFでは、治療上、これらのコントラストを上げるために

➀シミ治療の場合

機器の冷却を上げて、使用するジェルも氷で冷やしたり、リドカイン麻酔を塗布してから使用します。

どちらも血管を収縮させる力があり、メラニンを際立させるのです。

➁赤みのあざや、酒さなどの赤みの治療の場合

光治療で注意しなければならないのは、冷やしすぎないこと。

光治療器であれば、常温のジェルで、フルレンスと冷却を落として施術します。

同じくメラニンに対しても吸光度が高い波長なので、事前にメラニンを除去したり、直前にビタミンCイオン導入をすることでビタミンCを酸化型から還元型に変化させ、メラニンの色調を薄くしてから照射する。

と言った工夫をしています。


血管腫病変の学会

午後は八重洲富士屋ホテルで勉強会でした。

演題は、Cynosure社製 Cynergy Laser を用いたDye585nmとNd:YAG1064nmの連続照射機能(Multiplex)での血管種病変への有用性とその臨床応用というもので、今週岡山で開かれた日本形成外科学会で発表された演題をそのまま東京でもう一度やって貰えたのです。

このCynergyというレーザーはダイレーザーとヤグレーザーを0.2秒ぐらいの間隔で連続照射できる特殊な機能を持っていて、赤い血管腫に対し、非常に内出血を少なくして治療することが出来ます。

検討会は、東京女子医大の河野先生などが参加して非常に有意義なものとなりました。


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