一万円札を42回折ることができたら、月まで(38.4万キロメートル)届くという話を聞いたことがないでしょうか?こちらは一昨年ドバイで撮った中秋の名月です。
百万円の札束が約1cmであることから、1万円札の厚さは約0.01cm これを半分に折ると0.02cm 2回折ると0.04cmとなるのですが、22回折ると東京タワーの高さを越え、26回折ると富士山の高さを超えると。
ちなみにPCRによって遺伝子を増やすのも同じように行います。
➀まず、DNAを90度以上に加熱すると、二本鎖DNAになります。
➁プライマーをターゲット配列に特異的に結合(anneal)させるアニーリングを40-65度に温度を下げて行います。
➂再度温度を72度まで上昇させると、相補的なDNAが合成されていきます。
この、熱変性(denaturation)、アニーリング(annealing)、伸長(extention)の3ステップのPCRを1サイクル行うと、目標とする遺伝子が2倍になるわけです。
このサイクルを続けることで、特定の遺伝子(今回であれば新型コロナウイルスの遺伝子)を見つけるのですが、通常は20-40サイクルを行います。20-40サイクルって、どんなに莫大な増殖なのか、イメージしていただければと思います。
新型コロナの判定では、一体何サイクル行うのか、ちょっと気になったので調べてみました。検査プロセスを、公示された日本臨床検査医学会基準で調べましたが、陽性反応者判定のためには、以下の通り。日本では極限の40サイクルも行うのです。
そもそも採取部位が悪いと陰性になりますので、陰性であっても非感染を保証できないですよね。さらに、ウイルスの断片などを拾ってっしまい極端に増幅される場合もありますので、検査が陽性であったからといって感染しているとは言えない。
無症状者にPCR検査を薦めることは意味があるのか、考えれば考えるほど、わかりませんね。
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(Nested-PCR 検査成立の基準)
陽性コントロールで目的サイズのバンドが検出され、陰性コントロールで検出されないときに試験成立とする。2nd PCR で目的のサイズに近い大きさのバンドが検出された場合は陽性とする。されなければ陰性とする(qPCR 検査成立の基準)
薬事承認されたIVD検査試薬が無い現状を鑑み、暫定的に検査成立の基準は国立感染症研究所が作成した病原体検出マニュアル 2019-nCoVに準じることとする。
すなわち陽性コントロール 50 copies/5ulにおける増幅曲線の立ち上り(Ct値)が40サイクル以内にみられ、かつ陰性コントロールの増幅曲線の立ち上がりが見られないときに試験を成立とする。