TakahiroFujimoto.com

HOME MAIL
HOME PROFILE BOOKS MUSIC PAPERS CONFERENCES BLOG MAIL CLOSE

BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

リヒテンシュタイン公国のフラクショナルレーザー PLEASE

おはようございます。

今日もクリニックFの診療日です。

先月クリニックFでデモ機を購入し、テストをさせていただいているパンテック社(リヒテンシュタイン公国)の開発した新機種。

Img_6363001

ちょっと異質なフラクショナルレーザー PLEASEのご紹介です。

2004年のソルタメディカル社のフラクセルの販売以降、本当に数多くのフラクショナルレーザー機器が市場にデビューしてきました。

初期にはにきび跡や肌の入れ替え(リサーフェシング)を中心に機器が開発されてきたのですが、最近は、

●高出力で、肌の深部までエネルギーを進達させることを重視した機器(ソルタメディカル社フラクセルリペア、ルミナス社アンコアなど)

●表皮の圧迫や吸引により、深部にエネルギーを進達させることを目的とした機器(パロマ社スターラックス1540XDなど)

●肌の平行方向の収縮力を重視した機器(DEKA社マドンナリフトなど)

●機器を低出力にすることで、小型化した機器(ソルタメディカル社C&B、パロマ社のEmerge)

など、様々なの用途のものがが開発されて、進化してきました。

このPLEASEは、技術者が一から新しい理論で、すべての部品を自社で作り上げて、丁寧に組み上げた小さなスタイリッシュなフラクショナルレーザー機器。

僕も最近工学部のレーザー研究所に通っていますので、この機種を一から設計した技術者の熱意はすごく良く理解できるんですよね。

機器本体はこのように円盤形です。

Img_6364

アプリケーターに、

Img_6365

このような使い捨てチップを装着することから始めます。

Img_6360

電源を入れ、施術をすると、このように赤と青の四角いLEDが点灯します。

こちらを照射面に近づけると二つの四角が徐々に重なり合い、施術面を合わせることになります。

機器の設定ですが、こちらもあまり観たことの無いパラメーター設定です。

Img_6359

繰り返し率(Hz)とパルス長をこのように碁盤の様にそれぞれを組み合わせて設定できます。

この設定は300Hzで125msで施術を行うという設定です。

ビーム径も、照射密度も独立したパラメータで照射可能です。

レーザー照射面は、金属で出来ており、照射部位からレーザー光がもれると自動停止される様になっていて、安全性も優れている。

Img_4788

自分の肌に照射してみましたが、かなり深い部位までレーザー光が入っているのがわかります。このような小型の機器に特有な低出力を、スタッキングで補っているのでしょう。

さらにこの機器には手のアプリケーターに、エバキュエーター(掃除機の様に施術面を吸引する)がついていて、表皮の離散もありません。

Img_6361

施術後はこのように、蒸散した表皮が使い捨てチップについているのがわかります。

非常に興味深い機器です。

僕はレーザーを購入する際、

第一に、その機種の効果が、自分のクリニックの患者さんの治療に必要で、かつ、手持ちの機器で対応できない性質を持っているのか?

第二に、特に新たな会社とのおつきあいの場合、その後の機器のメンテナンスが可能なほど、技術者が有能か?

第三に、その機種単体で、採算性(定期的に機器は買い替えなければなりませんので)が合うのか?

ということを基準に決定しています。

この機種を、美容目的で利用するとしたら、鼻の頭の毛穴や、こめかみのにきび跡など、限定的な部位の部分照射。

この利用法ですと効果が高いのではないでしょうか?

もう一つの案が、この機種を経皮的ドラッグデリバリーに利用することです。

フラクショナルレーザーを利用すると皮膚に人工的に小さな穴を開けることが出来ますので、この穴の開いた部位に、インシュリンやグロースファクターのような、皮下注射が必要な薬をより楽に使用することが出来るのです。

この研究はアメリカのハーバード大学のロックスアンダソンのグループを中心にかなり進んでおり、発表も多いです。

先日も、ケロイドをご自身の治療の専門の一つとされている日本医大の小川令准教授とも、これらの蒸散系レーザーを利用した後に、ステロイドや、肺線維症をなどに使用する塩野義の抗線維化薬のパーフェニドンなどを併用利用して、古くなったケロイド治療に使えないかとディスカッションしたばかり。

ケロイドで固くなった組織に、注射をしてステロイドを入れる現在の方法ですと、痛みを伴いますものね。

少しこの機器を使って、臨床研究を重ねてゆきたいと思います。


カテゴリー