哺乳類が老化するとは?
明確な定義はないのですが、科学雑誌CELLに2013年に掲載された9つの定義が、現在も、ほぼ変わらず、そのまま使われています。
「老化は病気であるので治すことができる」というインパクトのある表現をする媒体もありますが、まあ正直難しいのではないかと僕は思います。
これらを防ぐには、命のろうそくを、すすが出たり、燃えすぎないように、ゆっくりとろ火で燃やす努力をするといいますか、
①抗酸化力のある食材を食べる(豊富なビタミン&ミネラル)
②エネルギー効率を上げる(ATPの産生にはMNMは効果的)
③ストレスを減らして糖化や慢性炎症を抑える(生活習慣の改善)
④細胞間シグナル伝達の再開(適度な運動を行い、血流確保)
このあたりで対処するのが良いのでしょうね。
以下CELLより要約を抜粋
1. 細胞老化 (Cellular Senescence)
損傷を受けた細胞が増殖を停止し、老化状態に入る現象。老化細胞は炎症性分子を分泌し、周囲の細胞や組織に悪影響を及ぼす。
2. 幹細胞の枯渇 (Stem Cell Exhaustion)
幹細胞が老化により機能を失う、または減少することで、組織の再生能力が低下。これにより老化や疾患が進行。
3. 細胞間コミュニケーションの変化 (Altered Intercellular Communication)
炎症性サイトカインの過剰分泌や、細胞間シグナル伝達の異常が原因で、炎症や免疫応答の変化が引き起こされる。
4. ゲノムの不安定性 (Genomic Instability)
DNA損傷や突然変異が蓄積し、正常な細胞機能が損なわれる。これが癌や老化の一因となる。
5. テロメアの短縮 (Telomere Shortening)
細胞分裂ごとにテロメアが短くなり、限界に達すると分裂停止。老化や細胞死の誘因。
6. エピジェネティックな変化 (Epigenetic Alterations)
DNAやヒストン修飾の変化が遺伝子発現を乱し、老化関連の遺伝子発現の不均衡を引き起こす。
7. プロテオスタシスの喪失 (Loss of Proteostasis)
タンパク質の合成、フォールディング、分解が乱れ、異常タンパク質が蓄積。神経変性疾患のリスクが増加。
8. ミトコンドリアの機能不全 (Mitochondrial Dysfunction)
エネルギー産生能力が低下し、活性酸素種(ROS)の増加による酸化ストレスが老化を促進。
9. 栄養感知の調節障害 (Deregulated Nutrient Sensing)
インスリン、IGF-1、mTORなどの栄養感知経路が乱れることで、代謝機能が低下し、老化や疾患に繋がる。
2013 Jun 6;153(6):1194-217. doi: 10.1016/j.cell.2013.05.039.
The hallmarks of aging より