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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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日本一大きな肉まん

今週はずっと微熱が下がらず、ふらふらです。1ヶ月に一度の会議もキャンセルする始末で、まったく役に立ちません。こういうときのブログは医療ネタだと朦朧とした頭でもなんとか書けるのですが、日常の出来事については全く頭が働かずなにも書けなくなるんですよね。理系の悲しい性でしょうか・・・。

今週は食事も仕事以外は自宅に篭って、おかゆ→うどん→雑炊→うどん→おかゆ・・・というローテーションで来たのですが、今日は打ち合わせもあって久しぶりに外で食べました。場所は、神楽坂の鳥茶屋別館。店まで歩いてゆく途中、神楽坂 五十番についつい寄ってしまい、大きな肉まんとピータンを購入。多分ここの肉まん、日本で一番でかい肉まんですよね。でかくてお盆に二つしか乗りません。明日の朝食だな。

鳥茶屋のほうは、本館ではなく別館だったので、毘沙門天の裏から細い、とても神楽坂らしい路地を抜け、あのぶっというどんを久しぶりに食べましたよ。出汁がおいしいんですよね。他にも朴葉焼きや湯葉刺し、月見つくねに銀杏・・・などなど、ヘルシーなラインアップで大満足。これで酒が飲めたら言うことないんですけどね。


食品を加熱しても食中毒が起こることがあるのです

これから食中毒が増える季節になります。細菌による食中毒には、実は二種類のものがあるのをご存知でしたか?

細菌が食物と一緒に体の中に入り菌そのものが増殖して起こる感染型(サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、大腸菌など)と、食物中で細菌が増殖してそこでつくられた毒素により起こる毒素型(ボツリヌス菌、ブドウ球菌など)の二種類があります。食物を加熱すると、食中毒は防げると思っている方が多いと思うのですが、毒素型食中毒では加熱しても毒性を減らすことは出来ないのです。

感染型食中毒は一定量の細菌に汚染された食物を摂取し、細菌が胃腸管内で繁殖することにより発症します。腸炎ビブリオは夏によく発生し、魚介類の摂取によることが多く、潜伏期間は約15時間位。

サルモネラ菌の食中毒の原因としては牛肉、豚肉、鶏肉等の食肉類、うなぎ料理、鶏卵等が考えられます。潜伏期間は平均8~48時間。

大腸菌はほとんどは非病原性ですが、その中の一部のものが病気を起こします。1996年に堺市で起こした集団食中毒事件はO-157でしたが、O-157(写真)は腸管出血性大腸菌とも言います。細菌に汚染された食物を摂取することにより発症し、潜伏期間は約4~9日です。

もう1つは、毒素型細菌性食中毒です。これは食物 の中で細菌が繁殖して 毒素を出し、その毒素の混入した食物を摂取する事で起こり、次の二種類があります。

ブドウ球菌による食中毒は比較的多く、調理作業にての汚染が考えられ、手指の化膿巣、鼻腔、糞便などに汚染された食物が原因の事が多いようです。潜伏期間は約2時間です。記憶に新しい雪印の食中毒事件はこれが原因ですね。

もう1つはボツリヌス菌によるものです。1984年、熊本県で製造された真空パックの辛子蓮根事件は記憶に新しいですよね。潜伏期間は約12~24時間、発熱はなく、目まい、頭痛に次いで特有の眼症状、発語障害、嚥下障害が起こり、やがて呼吸困難から死に至ります。ボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)は毒性が非常に強くボツリヌス毒素1gの殺傷力は約2000万人といわれています。フグ毒(テトラドトキシン)と並んで、史上最強の生物毒素で、生物兵器として研究開発が行われました。菌は毒素の抗原性の違いによりA~G型に分類されます。

シワをとることで有名なボトックスはこのボツリヌストキシンのA型のみを抽出したものです。もう30年以上も臨床利用されており、安全性は確認されています。

食中毒を避けるには、当たり前のことですが

食物の中で最近が増殖しないように冷所で保存する。

よく手洗いをして、食物にブドウ球菌が混入しないようにする。

傷がある人は調理しない。

調理した物は早く食べる。

調理器具や台所を清潔にする。

などに注意するとよいと思います。


活性酸素について

『活性酸素は、一回の細胞分裂当りのテロメア短縮を大きくし、細胞の分裂回数を減らすので、寿命が短くなる』という報告もあります。

つまり、老化現象、生活習慣病、ほとんどの病気(感染症などの病原のない加齢変化)は、身体が活性酸素との戦いに敗れた結果だったのです。

狭義の活性酸素(広義の活性酸素にはオゾンなども含みます。体内で悪さをするという意味を持つものが狭義の活性酸素です。)には実は次の4種類があることをご存知でしたか?

1.スーパーオキサイドアニオンラジカル(O2-)
最も一般的な活性酸素で、安定した酸素分子の一方の原子にある電子が1つかけた状態です。酸化力が非常に強く、寿命は10万分の1秒です。この種の活性酸素を除去するものにスーパー・オキサイド・ディスムターゼ(SOD)があります。SODという酵素は、40歳を過ぎると急激に減少してきます。これは成人病年齢と比例しており、SODが少なくなることと密接な関係があることを示しています。

2.一重項酸素(1O2)
通常の酸素(三重項酸素)から電子が2つ欠けた状態です。反応性が強いために次々と他の活性酸素に姿を変えていきます。皮膚が紫外線にあたると皮下組織内でよく発生します。

3.過酸化水素(H2O2)
酸素原子と2つと水素原子2つが結合してできた活性酸素の仲間で、殺菌剤としてよく知られています。反応性が強く、細胞膜の内外を行ったり来たりすることができます。銅イオンや鉄イオン,スーパーオキサイドアニオンラジカル+水素イオンと出会うと、ハイドロキシラジカル+一重項酸素に変わります。寿命が長いのも特徴です。体内のカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼによって除去されます。

4.ハイドロキシラジカル(HO・)
最強(最悪)の活性酸素です。過酸化水素を半分にしたような構造を持ち、酸化力が最も強い活性酸素です。反応が早く、寿命は50万分の1秒です。過酸化水素と反応すると、スーパーオキサイドアニオンラジカル+水+水素になります。この活性酸素を除去する酵素はまだ体内にありません。

この4番目の最強で、体内で代謝する酵素が無い活性酸素である、ハイドロキシラジカル(HO・)などは、理論的には活性水素があれば無害な水に変化させることが出来るのです。

僕はこの水を使って外用薬の試作品を作っていて、試作品を最終テストしている段階です。とっておきの外用薬が出来そうですので、乞ご期待。但し、飲むことだけで、果たして体内の細胞内に活性水素がどの程度取り込まれるのか、肌からの吸収率はどうなのか、これから研究・判定をしなければならない分野も多いですね。


若返りの水??

3月23日”院内の人気者”のブログに取り上げた、トリムの水について、最近立て続けに問い合わせを受るようになりました。

実は僕がこのトリムの水に興味を持ったのは、九州大学大学院白畑実隆教授の研究グループが、トリムの電解還元水整水器によって生成される電解水を利用して、最近話題の有害活性酸素を消去する作用と、遺伝子(DNA)が活性酸素によって酸化されて起こる損傷に対して十分な防御作用があることを、米国科学誌のBiochemical and Biophysical Research Communications (BBRC)という雑誌に掲載させたことによります。

Electrolyzed-reduced water scavenges active oxygen species and protects DNA from oxidative damage.
1997 May 8;234(1):269-74.

英語がわかる方はこちらのWEBにアブストラクト(要旨)があります。
このページに上記の論文の題目を貼り付けて、検索してください。医科学系の研究者はいつもこのようなサイトでキーワードをいれて、最新の論文を検索するのです。

このBBRCという雑誌は、インパクトファクター(論文引用率)が比較的高い雑誌で、科学界でも特に斬新な研究発表論文を選んで載せる雑誌です。実は僕もこの雑誌の2003年の一月号に1つ論文を載せたことがあるのでなじみがあるのです。

白畑教授は、この作用は電解水の中に発生する「活性水素」(溶存水素原子)の働きであると示唆しています。一般的に自然水の中でも、この活性酸素を含む水は稀で、国内だと大分県の日田の天領水。海外だとメキシコのトラコテ、フランスのルルドの水などが有名です。

実は、20世紀の科学分析技術では、固体の分析はいろいろな比較的方法があるのですが、流体の解析というは難しかったのです。こうした機能水も、凍らせてしまえば当然、成分の判定は出来るのですが、反対に、流体の持つ特質が判断できなくなってしまうのです。研究が進みにくい分野だったんですね。

果たしてこれらの機能水が人体にどの様な効果があるかは、今世紀になってより多くの研究および実証がなされなければならない分野だと思います。まだわからないことが多いですから。

しかし、僕も自宅に取り付けて一月以上経ちますが、1つ驚いたのですが、便が無臭になりました。

腸内細菌のフローラが変わったのでしょうか?

何らかの効果があることは確かです。ご興味のある方はクリニックFまで御相談ください。

以下に、以前に日刊ゲンダイに取り上げてもらった取材記事を引用しておきます。

【健康力増強も、若返りの夢も叶える活性水素の“水”!】

がんや糖尿病を始め、生活習慣病のほとんどは過剰な活性酸素が元凶。老化を防止し、肌を若返らせるアンチエイジング医療の分野でも、活性酸素を細胞内から取り除くことが大きなテーマになっている。

医療とリラクゼーションを統一した“メディカル・スパ”というまったく新しい考え方で、最先端のアンチエイジング医療に取り組む藤本幸弘院長は、今、老化の根源の活性酸素を強力に除去できる特殊な「水」に注目しているという。活性水素を多く含んだ「電解還元水」と呼ばれる水である。

「この電解還元水という、活性水素を多く含んだ水の存在を知ったときは驚きました」とは、藤本幸弘院長。「米国の学会でも、アンチエイジングでもっとも言われるのが活性酸素を体から取り除くこと。活性酸素は、細胞をはじめ、あらゆるものをサビつかせ老化させる根源ですから。さらに遺伝子をキズつけてがん化させるのも、ヒフ細胞の中で炎症を起こすのも活性酸素が原因。活性水素は活性酸素と結合し害のない水に変化させます。つまり、活性水素を含んだ水を飲むだけで、老化の原因である活性酸素が除去できる。これは画期的なことですよ」(藤本院長)。

東京大学医科学研究所附属病院の常勤医師だった藤本院長は、昨年、同院退職後、医療と自然療法を融合させたクリニックを設立させた。“アカデミックに美と健康を創造する”というのがコンセプトだそう。

「西洋医学は、感染症や交通事故などの急性期の医療には強力な力を発揮しますが、西洋医学の医者は、“健康”の専門家ではなく、いわば“病気“の専門家です。先に“症状”がなければ西洋医学的な“治療“ができません。つまり、”このような生活をおくると、老化せずに健康が維持できる“といった抗老化、アンチエイジング医療には、西洋医学の分野ではもともと使える道具が少ないのです。さらに日本の保険診療の下では、逆に世界の最先端の医療が経験きません。米国では日進月歩の勢いで進化しているレーザー治療の分野もその1つ。日本でのこの分野は大学病院でさえ、厚生労働省のレーザー機器許認可の時間がかかることもあって、海外よりかなり遅れています。」(藤本院長)

藤本院長は、この最先端のレーザー治療機器を個人輸入で導入し、通常の生活をおくりながら肌を丸ごと若返らせて入れ替えるレーザー治療など、世界でもトップレベルの美容医療を行っている。さらに内科、産婦人科、形成外科、皮膚科、麻酔科などの専門医も置いて西洋医学の医師を揃える一方で、一流セラピストによるアロマセラピーやリフレクソロジーなどの自然療法も取り入れ、“健康な状態”を維持するためのアドバイスをおこなっている。つまり、体の外と内から、総合的な美と健康をつくり出す医療を提供しているのだ。

その藤本院長が、「こんな画期的な水があったのか!」と驚いた。「活性酸素は、殺菌をしたり、体内に侵入した異物をやっつけてくれる一面もある。要は、バランスが大事だということです。中年以降になると活性酸素が体内酵素で除去できなくなり、老化のスピードが加速される。活性水素を含んだ水を飲めば、体内の活性酸素を除去して老化を防いでくれるのですから、これは凄いことです。」

藤本院長は、電解還元水を飲めば、サプリメントがほとんど必要なくなってしまうのではと話す。「ビタミンAやCやEを飲むのは、もともと活性酸素を取り除くのが目的です。活性水素の入った水を飲めば、活性酸素が排除されて、細胞は老化しない。このクリニックでも、抗老化のために活性酸素を体から取り去ることは大きなテーマ。さっそく電解還元水のコーナーを設けて、自由に飲めるようにしました。」

電解還元水は、サプリメントの役目も果たし、コスメの水分や点滴の水としても優れているのではないかと話す藤本院長。「実は今、電解還元水を使う外用薬の開発をはじめた」そうなのだ。前回の「電解還元水」の特集では、糖尿病などの生活習慣病改善の可能性を特集して探ったが、アンチエイジングや美容の分野でも期待は大きい。電解還元水の可能性には驚くばかりだ。


普通の風邪に抗生物質は効かない!!

朝、軽井沢で起きたら、左目が膿がついてしまって、目が開けにくいぐらいでした。結膜炎です。きっとゴルフ場のお風呂でもらったのかなあ。このところ、ストレスもあったし、免疫力が落ちていたのでしょう。

結膜炎というと、大きく分けて、アレルギー性結膜炎と、 感染性の結膜炎に分けられます。アレルギー性のものは両目で、感染性のものは片目で症状が見られるので、初期にはそれで診断がつきます。コンタクトレンズや花粉症の原因の場合、アレルゲンは両目に影響しますからね。

感染性の結膜炎の場合、ウイルス性のものと、細菌性のものがあります。細菌性のものには抗生物質が、ウイルス性のものには抗ウイルス薬が効くのです。でも、多くの結膜炎を引き起こすアデノウイルスに対する抗ウイルス剤はありません。体を休め、静養することが唯一の治療となります。

ところで、細菌とウイルスの違いってご存知でしたか?

細菌は、ヒトの体の中に入ると、自分の能力だけで増殖します、増殖したらその内毒素によって、ヒトの細胞を壊します。一方ウイルスは、ヒトの体に入っただけでは増えません。ウイルスはまず細胞内に入るのです。そして感染した細胞自体の代謝経路を使って複製することで増殖し、最後には、その細胞を壊してしまいます。つまり、細胞に寄生する生物(厳密に言うと、寄生虫とは違います。寄生虫は増殖して本体を殺すことはしないからです。)なのです、そもそも別物なんですね。そして、ウイルスは写真のように、こんな宇宙船みたいなカッコしているものもあるんですよ。

一般の風邪を引き起こす原因は下のようなウイルスが原因です。

RSウイルス

アデノウイルス

ライノウイルス

コクサッキーウイルス

エコーウイルス

コロナウイルス

レオウイルス

インフルエンザウイルス

パラインフルエンザウイルス

マイコプラズマ

クラミジア

一番下のマイコプラズマとクラミジアは特殊な型の細菌に分類されますが、上を見ると分かるように、ほとんどがウイルス発症なのです。

1940年代というかなり昔に、初めての抗生物質としてペニシリンが臨床利用されましたが、これは細菌が光学顕微鏡で観察できるぐらい大きいからです。抗生物質と違って、電子顕微鏡でしか観察できない大きさのウイルスに対して、抗ウイルス薬をつくるのは実は難しい作業なのです。さらに、抗ウイルス薬は、人の細胞に対して毒性をもったりします。当然、ウイルスが抗ウイルス薬に耐性をもつようになることもあります。

抗ウイルス薬として開発されたものは、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、インフルエンザウイルス、HIVウイルスなどに対して薬効を認められているものがありますが、まだ数種類です。

上記の風邪を引き起こすウイルスの表の中で、抗ウイルス薬が開発されているものは、インフルエンザだけであるといえます。でも、私達医師の眼から見ると、本当に画期的なことでした。風邪薬は、症状を抑えるために処方するだけで、根本治療はできないというのが常識だったんですから。

ただし、良薬口に苦し。良い薬は当然、副作用もあります。画期的な薬だった抗インフルエンザ薬のタミフルの副作用情報が新聞に載りましたが、こういった情報を聞ける家庭医を、普段から選んでおきたいものですね。


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