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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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ハーバード・コントロバーシー

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レーザーの国際学会に参加するため、サンディエゴに来ています。
Controversies & Conversations in Laser and Cosmetic Surgery通称ハーバード・コントロバーシーという学会なのですが、この学会は世界で多くあるレーザー学会の中では異色の存在です。

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通常の学会であれば、レーザー開発企業が援助し、大掛かりな発表会を兼ねるのですが、コントロバーシーで会話に入るのは、MD(医師)もしくはPHD(博士号を持つ他分野の研究者)のみで、純粋な臨床のみの検討が行われるのです。

つまり、いつもは企業の招待で、企業寄りの発表をする先生方の、いわば本音を聞ける貴重な学会なのです。

この学会では、通常は商品名を使用しません。たとえば、サーマクールはモノポーラーRF、オーロラはIPL+バイポーラRFもしくはELOS、フラクセルはFractional Reserfacing Divice となります。

今年は、フラクセルの後継機種がいくつか販売されましたので、そのあたりの本音の評価が聞けるのではと思っています。(笑)

写真はホテルからの風景です。


心筋梗塞はなぜ朝方に起こるのか?

心筋梗塞は寒いときの朝4-5時に起こりやすいといわれていますが、なぜだか、知っていますか?

これは体内の優位神経が副交感神経から、交感神経にバトンタッチされる時間とほぼ同じなのです。交感神経の影響で、急激に心臓冠血管がしまるので心筋梗塞や狭心症が起こるのです。

数日前に、自律神経のブログをかきましたが、
[関連した日記LOG]
人間の体のメカニズムは本当に複雑でよく出来ています。
病気というのは、その間隙を突いて、おこるのです。


どうしたら勉強ができるようになるのか?

医療分野以外での質問リストの最も上位に来るのが医者を長年やっていると、プライベートで、いろいろな質問をされます。

「どうやったら勉強が出来るようになるのか?」、そして「記憶力が上がるのか?」ということなのです。

もちろん、答えはあります。そして簡単なことです。

それは覚えるたびに”感動する”ことなのです。

脳が感動すると、短期記憶をつかさどる扁桃体を始めとした脳の大脳基底殻が活性化します。活性化すればするほど、脳の中で新しいニューロンができますので、より固定化した記憶に残ってゆくわけです。

脳は本当に複雑です。先月ぐらいから茂木 健一郎氏の著作にはまって、ようやく全冊(たぶん?)読破したのですが、写真の本は、お勧めです。1997年代に発行された彼の著作の中ではちょっと古い本ですが、脳という物理的世界に、なぜ心という精神世界が宿るのか?この難題をクオリア(質感)という概念を理解することで、答えを提示しようとしています。

医者が脳の本を書こうとすると、どうしても解剖学の知識に頼りがちなのですが、他の分野のサイエンティストの話を読むと、視点が変わって本当に新鮮です。


不眠症の秘密

子供のとき、”こども電話相談室”というラジオを好きで聞いていました。皆さん覚えていますか?

実はこの番組、いまでもNHKのラジオで”こども科学電話相談”という番組として残っているのだそうです。

昨日だったか、たまたま、それを聞いていた友人が、”眠くなるとき、足が温かくなるのはどうしてですか?”という質問があったと話してくれました。

子供の視点は的確です。実はこれは人間が眠るためにはとても重要な現象で、自律神経、つまり交感神経と副交感神経が深くかかわっているのです。

もう10年近く前ですが、僕が都立病院の勤務医だったときに、その横の研究所で自律神経の研究をしていたときがあり、英文論文 J Auton Nerv Syst. 1999 Feb 15;75(2-3):109-15. も書きました。痛みと密接な関係のある自律神経の分野は得意だったのです。

人間の臓器には交感神経という戦うための神経と、副交感神経というリラックスするための二つの神経支配を受けています。

交感神経が亢進すると、瞳孔や血管が縮み、脈拍や血圧が上がります。副腎からはストレスホルモン(コルチゾール)が出ます。この状態が続くと血球像では白血球が優位に立つため、癌を含む、炎症性の疾患の発症が多くなります。

反対に副交感神経が亢進すると、リラックスして手足などの末梢の血管が開くので手足が暖かくなります。脈も緩やかになり、眠ることができるのです。リラックスにかかわる神経ですので、ストレスも解消されます。ですが、この状態が続くと、血球像ではリンパ球優位になり、アレルギーや花粉症などが増えるといわれています。

 

電気のない時代は、夜暗くなると自然と副交感神経が活発化し、眠りについたものですが、24時間のコンビニや、テレビがある現代社会では、この交感神経(ON)と副交感神経(OFF)の切り替えが苦手な人が出てきているのです。不眠症が増えたのはこういったわけです。

実は副交感神経を優位にする薬はありません。しょうがないのでアルコールや、睡眠薬、鎮静剤などのトランキライザーを使って夜眠る人が多いですよね。西洋医学的なアプローチだと、薬で自律神経を抑える方法しかないわけです。

ではストレスが強い場合、何をするのか。僕はアロマセラピー等の自然療法を利用しています。ぐっすりと眠れますよ。


25ansに載せて頂きました。

25ansに載せていただきました。

今回はナノラディエンスクリームについてです。

このクリームはフラーレンとAPPSを高濃度に配合した高機能性を持ついわゆる ”パワーコスメ” であるとともに、高級クリームの使用感の二つをあわせ持つ、究極のクリームなのです。

フラーレンは三菱商事で販売されている、グラファイト(黒鉛)・ダイヤモンドに次ぐ第三の炭素の総称です。フラーレンを構成する原子は黒鉛中の炭素と同じ種類ですが、60個以上の炭素原子が強く結合して球状あるいは、チューブ状に閉じたネットワーク構造を形成しています。フラーレンの代表選手であるC60はちょうどサッカーボールと同じ形をした球形分子で、直径は約0.7ナノメートル(1ナノは10億分の1メートル)です。

1985年にクロトー博士により発見され、その功績はノーベル賞になりました。この物質は構造上、活性酸素を限りなく吸収できます。化粧品に入れると表皮内にとどまり、しみの元となる活性酸素を除去し続けてくれるのです。

APPS(アプレシエ)は、2004年11月に昭和電工より発売された、シワに効く可能性のある高浸透型ビタミンCです。肌の真皮にあるコラーゲンの生成にはビタミンCが必要です。しかしながら、かつてのビタミンCでは、浸透性が悪く真皮まで到達しませんでした。さらにビタミンCは構造上、活性酸素二つにより破壊されてしまいます。本来シワに効くべき、肌の真皮まで届く前に、大切なビタミンCが破壊されてしまっていたのです。

この二つの薬剤を高濃度に配合することで、いわゆるシワに効く可能性のあるクリームを作ることが出来ました。そして、通常、高機能性のクリームは使用感が悪いことが多いのですが、大手化粧品会社の開発スタッフとともにチームを組み、使用感を重厚にしたクリームが去年完成しました。

僕は医者なので、どんな成分とどんな成分を組み合わせたらおもしろいかを考えるのは好きなのですが、化粧品はそれだけではできません。微妙なテクスチャー、香り、細かい補助成分・・・など、「化粧品のエキスパート」がいないと出来ないのですね。チームワークなのです。

開業以来クリニックFで販売していますが、実は、今までにこのクリームをOEMさせて欲しいと6社から依頼されました(すべてお断りしていますが)。手前味噌ですがけっこう評判よいのですよ。

秋には、また別の化粧品がデビューする予定ですので、楽しみにしていてください。


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