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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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偽薬(プラセボ)効果

プラセボ効果って聞いたことがありますか?

たとえば、この薬は特効薬なんだよと、白衣を着た高名の医師に勧められると、たとえ食塩水を飲んでも病気が治ってしまう現象のことです。

つまり、偽薬を処方して、薬だと信じ込む事によって何らかの症状の改善がみられる事を言うのです。この改善は自覚症状だけではなく、客観的に測定可能な体温や血圧、皮膚疹などの実際の症状の改善がみられることもあります。

特に痛みや、不眠症や下痢などに効果的と言われています。プラセボ効果は統計によると20-30%といわれていて、決して無視できる数値ではありません。一部の健康食品など、こうしたプラセボ効果を狙った商品もあります。あまりよいことではありませんが。

ちなみに医師法にも、このプラセボの暗示的効果を期待し、処方箋を発行する事がその暗示的効果の妨げになる場合には、処方箋を処方する義務がない事が規定されているのです。

もちろん、偽薬効果を期待して処方される事もありますが、実際には本物の薬の治療効果を明らかにするため、比較対照試験で利用される事が多いです。

中でも、二重盲検法という実験は、実験する医師も、患者も、どちらが偽薬でどちらが本当の薬なのかを知らないで効果のみを判定します。こうすれば、プラセボ効果を排除して、薬の効きを判定できるわけです。実際に販売されている薬は、こうした高いハードルを越えてきているのですよね。

閑話休題

最近、薬を海外からインターネットで買えますよね。僕の知り合いのレーザー業者の社員さんが、以前に医者から痩せの薬のゼニカルを処方してもらって、非常によく効いたので、先月、インターネットで安いゼニカルを探して、輸入したのだそうです。ところが、包装も、カプセルも本物そっくりなのに、飲んでも全く効果がない。おかしいと思って、前に医師から処方されていて、一錠だけ残っていた薬を試しに飲んでみると、今まで通り、脂肪の塊が便からどんどん出るのだそうです。そのとき、騙されて偽薬を買わされたことに気付いたのだそうです。

こうした偽薬の話は、実は結構あるらしく、一錠数千円もするバイアグラやレビドュラなどを本物そっくりに石膏などで作る工場も、中国などの一部にあるそうなのです。全く効果がないとリピーターがつかないので、本物の薬を砕いて入れたりとか、工夫もあるそうです。こうした薬を処方されるときは、日本では医師の処方箋が必要ですが、もしも、個人輸入するなら、騙されていないか、気をつけないといけませんね。


クリニック経営のWEB戦略

このブログやクリニックのホームページを見て下さる方が最近多くなってきたようで、お問い合わせを良く頂くようになりました。

自分の今まで書いた論文や、講演内容、ブログなどを一箇所に集めたほうが見やすいのでは? というご意見も頂いて、では、プライベートホームページを作ってみようかと思い付き、久しぶりにホームページ作成ソフトを買ってみました。

僕はもう1981年に販売された、PC8801という国産のパソコン(当時はマイコンと言っていましたが)を親父が仕事用に買ってからのPCユーザーでした。あの頃はBASICという言語を使ったり、マシン語を覚えてみたり、マイクロソフトのウインドウズの原型のMS-DOSというOSを使っていたことを思い出します。

その昔ホームページを初めて作ったときは、ワードを使ってHTMLをべた打ちするしか方法を知らなかったのですが、今回ホームページビルダーVOL10を購入してみると、フラッシュ(動画)は作れるし、画像は多く含まれているし、この世界は本当に進化著しいですね。

ところで、よく混合される「美容整形外科」と「美容皮膚科」では、WEB戦略が微妙に異なることをご存知ですか?

なぜ違うのか? と言えば、単純に客層が違うのです。

美容整形外科というのは、患者さんが人知れず自分の容姿についてずっと悩んでいる場合が多いのです。家族や友達にも相談できず、インターネットで検索するしかない患者さんにとって、各医院のHPは手術内容や金額、その効果が詳しく書かれていればいるほど良い、とされます。そして、予約もすべてHPから申し込みが出来、問い合わせもすべてメール対応で、受付や医師など現場スタッフとの会話によるコミュニケーションを必要最低限に留めたい患者さんが多いのです。HPに求められるものが、デザイン性や院内の設備といった視覚的情報やエンタテイメント性よりも、堅実な文字情報によるメニュー内容とアクセスの簡易性であるということですね。

反対に美容皮膚科の場合は、デザイン性や院内の設備、そのクリニック及び院長の哲学、イメージ・・・というものが重視されます。ネット全盛の時代にあっても、美容皮膚科の場合は雑誌やTVでの露出に人気が左右される場合も依然多く、WEB検索の仕方もちょっと違うのですね。

また、美容皮膚科の場合一番の集客は口コミです。「あのクリニックに行ったら肌のシミが全部取れてよかったわよ」「あの人もあそこに通ってるんだって」「あのクリニックではスタッフが親切」・・・など、美容皮膚科は美容整形外科と違って、友人知人で情報交換をしあう患者さんが多く、口コミに勝るPRはありません。

雑誌やTVでそのクリニックを知った患者さん、あるいはそのクリニックは知らなくともレーザー機器や有効な施術法を知った患者さんが、そのキーワードを元に検索をかけます。いわば美容皮膚科の場合、WEBがまずありきではなく、口コミやマスメディアによる情報がまず先にあって、そこからWEBに検索をかける方が多いのです。

こうしたことを踏まえた上でHPを作成していくわけですが、新しいクリニックでは従来の美容皮膚科におけるHP作成テクニックに、美容整形外科的HPテクニックと、もうひとつ別のテクニックを合わせて構築しています。ブログも実は自分なりにいろいろ日々試行錯誤しているのです。

HPやブログを見てくださる方が増えるのは、こうした地道な苦労(?)が報われているようで嬉しいですね(笑)。


痛みについての講義のブレスト

韓国の招待講演の時にまとめたブログにもありますが、自然療法のIMSIで10月12日に行う、痛みの講義のブレストをIMSIの人気講師である冨野さんと今日行いました。

彼女はアロマセラピーにリフレクソロジー、レイキ、エサレン、リンパドレナージュなど手技も習得していますが、何より英語が堪能なため、自然療法についての質問事項を上げると、海外の文献をつけて答をくれる、とても優秀な人材です。自然療法に関しては、僕の知恵袋とでもいえましょうか?

一般的に、国が先進国化すると、疾病構造が感染症から、心やストレスが原因の病気に変化すると言われていますが、現在アメリカでは、西洋医学に対する国民医療費よりも、自然療法を含む統合医療(補完代替医療とも言われます)に対する医療費の総額の方が多くなっており、多くの人が、これらの診療を望んでいる証拠なのです。

今日は講義の内容について、ブレストしました。痛みと自然療法という、全く新しい分野の融合の講義の前半部分なので、まず、痛みの概念について触れ、発生する機序や解剖を述べ、さらに西洋医学的なアプローチを述べた後に、使用される薬の分類と説明を行い、最後にアロマで使用される精油の薬理的効果でまとめようという事になりました。

これから半月ありますが、色々と準備を重ねてゆきたいと思います。乞ご期待。


新たなクリニックを創るきっかけ

新しいクリニックを創るのは、エネルギーが要る作業です。

設立にあたって、お金も必要ですし、そのお金を銀行から借りる場合には、事業計画書の作成などさまざまな書類作業が必要になります。優秀なスタッフ集めも大変ですよね。内装の設計をまかせる建築家に始まって、ドクターはもちろん、ナース、受付、セラピストなど、クリニックの成功は人材で決まると言っても過言ではないでしょう。人材の重要性はきっとどの業界でも同じだと思いますが・・・。それから良い場所を見つけるのも骨の折れる作業です。さらにソフト面でもたくさんの作業が出てきますが、そのソフトに限定して言うと最も大事なことは、そのコンセプト作りではないかと思います。

新しいクリニックが社会に対して持ちうる、経営理念(Mission, Vision, Values)の三つをよく考えて、数ヶ月プランを練ります。

新しいクリニックの将来、
目指す姿を『ビジョン(Vision)』
社会における在り方を『ミッション(Mission)』
そしてクリニックとしての信条を『バリュー(Values)』

この三つを明確にするわけです。

僕の得意な分野は、医師免許と経営学を生かした、クリニックの立ち上げです。これからも、外科、内科、皮膚科、といった既存の病院の概念から離れた、患者さんのニーズに合わせた新しいクリニックをまた、創りたいですね。いくつかプランを練っているところです。

クリニックを創り上げる作業は、本当に大変ですが、でも、その仕組みが完成し、動き出したときは、充実感があります。


MBA友の会

神社めぐりの後、昨日はMBA友の会の分科会?で、ヘルスケア友の会という勉強会に参加してきました。

MBA友の会というのは、知り合いにご紹介いただいたのですが、いわゆるMBAホルダーや、学生、学生志願者などが集まって定期的に勉強会を開いているらしいのです。

今回はそのヘスルケア友の会で、医療経営の勉強会をするというので参加したのです。参加者は約20名ぐらいだったでしょうか。

こういった勉強会に三連休の真ん中に参加するというのは、みな医療の経営の分野には興味があるのでしょうね。

昔は医療の分野で「経営」という言葉を使うと、「金儲け」を連想させてしまい、考えられませんでしたが、今のクリニックにはCTやMRI、SPECTに多種多様にわたるレーザー機器といった数千万から数億の高額機器を導入しなければ、最先端の医療技術を患者さんに提供できなくなりました。

一方で、保険診療費が4%も落ち込み、医院や病院の建物の維持さえも、難しくなっている医療機関があるのです。常識的な範囲での経営知識を、医師が身につけなければならない時代になってきたのです。

かといって経営学の知識をそのまま医療に応用するわけには行きません。医療という分野は、他のサービス業と違った特質がいくつもあるからなのです。やはり、一番大きなものは、医師と患者との間の、知識の非対称です。もとより、医師と患者との間には知識の開きがあるので、医師の努力が、患者には見えにくい。その一方で、患者も医師の説明次第で、治療方針を決定せざるをえない。

また、マイケルポーターの基本的な経営戦略である、コストリーダーシップ、差別化そして集中化戦略ですが、医療の持つ、公益性、倫理性の考えを強調すると、これら全て、そのまま医療界には適応できない状況にあります。

昨年の都内の美容皮膚科クリニックの新規参入は60院もありました。しかしながら、昨年40院は廃業です。自費診療の分野から、まさに医療機関の競争が始まったといえますが、良い医療を提供している医師が、経営のいざこざで職を失ってしまう可能性もあるのですよね。由々しき問題に発展しなければ良いのですが…。


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