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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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海の上のクリニック

今回の客船の旅では、船の中のクリニックが気になっていたので、見学に行きました。

客船には1800人の客と、300人のスタッフがいますので、まさに小さな都市の様になります。クリニックは第1階層にあり、窓のない部屋でした。

この客船に乗っている日本人の医師だけれど、クリニックの見学をさせてくれないかと言ったところ、快く案内をしてくれました。実は、写真を撮ったのですが、残念ですが、どこかにまぎれてしまったのですよ。また探しておきます。

クリニックは窓のない、25坪ぐらいの大きさで、待合室と診察室というシンプルなつくりでした。開業時間は午前、午後3時間づつで、船が港に停泊するときは閉まっています。

小さな開放創などに対して、簡単な外科手術は出来そうですが、内科診療がほとんどという感じでした。

診察料は60ドル。西洋の船だと60ユーロというのが相場らしいです。技術料は別途かかります。

こういった船の上で100日ぐらいのクルーズをする間に、美肌のレーザー治療器を使用して、降りたときに10歳若返らせるビジネスをしたら、さぞかし面白いのだろうなと思いました。

写真は映画、”海の上のピアニスト”です。あんまり関係ないですかね??(笑)

「痛いの痛いの飛んでいけー」の秘密

そうそう、「痛いの痛いの飛んでいけー」に科学的根拠があるのをご存知ですか?

実は、先日ブログに書いたように、痛みの感覚は、末梢神経を通って脊髄の後角というところに行きます。そこで神経ファイバーを入れ替えるとき、同じ皮膚領域からもっと太い神経の刺激が入ったとき、その痛みの刺激がマスクされる現象があるのです。この理論を1955年に発表されたゲートコントロールセオリーといいます。その後この理論はいくつかの修正が行われていますが大方はこの通りなのです。

痛みの神経はとても細いですから、それと同等の太さの温痛覚や、より太い圧覚、触覚などの刺激がでさすってやるとよいのです。

マッサージなんて、痛みにはとても効果的なんですよね。

ただし、実際に組織が損傷している部位をさするのはいけません。あくまで、そのまわりですよ。


痛みの講義

昨晩は、セラピストやスタッフの件でいつもお世話になっている自然療法の学校であるIMSIで、自分のもう一つの専門である、痛みの講義を行いました。

熱心な学生さんの前で、久し振りに講義をして、数年前に、都立の看護学校の講義を三年間、頼まれていた時のことを思い出しました。

痛みの感じ方、って、人によって違うと思いませんか?
実は、痛みの感じ方が人によって違う理由があるのです。

痛みは、痛みの受容体で痛みを感受すると、末梢神経を通って脊髄神経の後根というところを通過します。そこで神経線維を乗り換え、大脳の視床という部位に投射されます。この過程まではどんな人でも同じです。

ところが、実際にはその視床から大脳皮質に転写される経路は、その人の経験によって出来上がった神経回路によるのです。

つまり、過去に強い痛みによって、心臓がバクバクし、気持ち悪くなったた経験がある人は、神経経路が出来てしまっていますから、同種の痛みに対して同じような経験を追体験をするというわけです。

根性があるから痛みに強いとか、そういった問題ではないのですね。また、同じ痛みも女性の方が痛みに強いといわれています。僕も注射が嫌いですが、それは思いますね。”鼻からスイカを出す”ぐらいの痛みという、出産なんてしてしまったら、僕はきっと、死んじゃいますね。

講義中に、痛みがある状態は、冷やした方がいいのか、暖めた方がいいのか質問がありました。非常に良い質問です。

捻挫した時にすぐに冷やすのは炎症物質の産生を押さえ、組織破壊の広がりを最小に抑えること。さらに、寒冷の刺激で痛み感覚を麻痺させることが目的なのですが、実は、組織修復のための反応が円滑に進められるためには熱が必要です。熱が無いと組織を作り治すたんぱく質の動きも弱くなり修復過程出来なくなるのです。

捻挫したり受傷した直後には冷やさなければなりませんが、何日も冷やし続けるのはいけないという事になります。

一般に常識と思われているものも、近年の研究でより新しい理論が構築されています。その分野の専門医に聞くという事が大切なのですね。痛みの講義基礎編の後半は、11月16日にまた行います。


オリンポス12神

今回ギリシャに滞在して、オリンポス12神についてふれる機会が多かったので、な んだか 詳しくなりました。ギリシャ神話はハリウッドの映画にも多大なる影響をしていて、今まで知らなかった事実も多く知ることが出来ました。

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世界の宗教のほとんどが一神教です。日本のように八百万の神を祭るのは珍しいのです。でも、そもそもキリスト教がローマ帝国に布教されたのは313年のミラノ勅令からですから、それ以前はギリシャの神々への多くの神への信仰がこの地を支配していたといえます。

オリンポス12神のうち、全能の最高神はゼウスです。ゼウスが中心となって約10年という戦争を経てタイタン神族を倒し、世界をこの支配するようになりました。ゼウスは姉でもある正妻のヘラ(女性、結婚、家庭生活の守護神)との間にアレス(戦いの神)とヘファイストス(鍛冶の神)をもうけます。ちなみにこの二人の兄弟は、大叔母にあたる美と愛の女神のアフロディーナ(ヴィーナス)という一人の女性を妻とします。さらにゼウスは、もう一人の姉(デメテル)を含む6人の女性と関係を持ち、結局7人に子供を産ませるのです。現在ならめちゃくちゃな話ですね。でも、これらの子供達は優秀な神として成長するのです。

つまり、オリンポス12神は、ゼウスを中心として、ゼウスの兄であるポセイドン(海の神)、姉のデメテル(大地と穀物と豊饒の神)、そして正妻のヘラの4人と、叔母にあたるアフロディーナ。さらにゼウスが計7人の異母に生ませた子供にあたる前記のアレス、ヘファイストス、そしてアテナ(知性の女神、アテネの守護神)、ヘルメス(商人と旅人の守護神)、アポロン(太陽神、音楽、医学、弓術、予言の神)、アポロンの双子の姉アルテミス(月の女神、狩猟と出産の神)、そして酒と狂乱の神であるディオニソス(バッカス)で構成されているのです。そういえば、映画のロッキーの飼っていた犬の名前がバッカスでしたよね。

まとめると
ゼウス(全能の神)
ヘラ(女性、結婚、家庭生活の守護神)
アレス(戦いの神)
ヘファイストス(鍛冶の神)
アフロディーナ(ヴィーナス、美と愛の女神)
ポセイドン(海の神)
デメテル(大地と穀物と豊饒の神)
アテナ(知性の女神、アテネの守護神)
ヘルメス(商人と旅人の守護神)
アポロン(太陽神、音楽、医学、弓術、予言の神)
アルテミス(月の女神、狩猟と出産の神)
ディオニソス(バッカス、豊饒、酒と狂乱の神)

というわけです。

僕は今回の学会中、どうしても医学の神のアポロンが気になってしまい、とうとう最後にアポロンのコインを買ってしまいました。このコインは、今回の唯一のお土産になりました。


EADV in Rodos その3

これはレーザーセッションの講演でした。

僕は主にアメリカのレーザー学会に参加していますので、ヨーロッパの学会の発表を聞いていると、少し遅れているとは感じます。

でも、皆工夫してレーザーを使うんですよね。新しいものにこだわらず、古いものを工夫して、大切に使うというヨーロッパの文化を引き継いでいると思います。良いことです。

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ここで、マックスピールで有名な、MAXエンジニアリング社の秘密兵器を見つけま した。

今までベールに隠れていたフラクセルを越える最新機器、MOSAICの実物が来ていたのです。

先月に韓国に行ったとき、MAXエンジニアリング社の社長であるHaelyungに、とても自信作だと言われました。

映像は本邦初公開だと思います。

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この機械はまず、顔を両頬と鼻、前頭部、口周りの5つのパートに分けます。

各々の面積 を測定して、それに見合った面積だけ1550NMのエルビウムグラスレーザーを照射するのです。

各々のパートごとに強さを変えられるのが特徴です。

フラクセルでも、口の周りや、目元の外側など、炎症や色素沈着が起こりやすいところがあり、この部位に照射するのを、施術する医者が経験的に避けてきたのですが、そういったトラブルは減るはずです。

かなりしっかり出来ていますね。世界的に売れるのではないでしょうか。

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MAXエンジニアリング社の営業部北米担当のジミーと写真を撮りました。

ジミーはアメリカ で育った韓国人で、非常に流暢な英語を話します。機械の性能を誇らしげに語ってくれました。

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最後に、しっかりとCertificateをもらってきました。

クリニックの壁に飾ろうと思います。明日はいよいよ帰国です。

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