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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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プレステージ 

映画「プレステージ」。日本公開のその日に観て来ました。

僕は昔から手品(のタネを予想するの)が好きで、これまでもテレビ番組で手品があると欠かさず録画して見たものです。米国の産んだ世紀のマジシャンのデビット・カッパーフィールドが来日した1998年には、忙しい手術の合間に部長に頼み込んで、銀座の東京フォーラムに行ってしまったぐらい。僕はいわゆるマジックのファンなのです。そのデビット・カッパーフールドが監修を務めたのがこの映画です。

「プレステージ」は観るのを本当に楽しみにしていたのですが、実は先月のオーストリアのヨーロッパ皮膚学会(EADV)に参加したときにルフトハンザの機内で英語版のプレステージを見る機会があったのです。でも、3泊4日、しかも滞在時間の48時間がほとんどが学会見学に費やされた強硬なスケジュールで、不覚にもまさに半分見たところで僕は寝てしまったのです。

いやー。ちょうど半分の一時間で寝てしまった僕は本当にアホでした。この映画、前半のほぼ全てのシーンが伏線と言ってもいいぐらいの、優れた騙しの映画でした。もしこの映画を観られたら、クライマックスまで仕掛けられた罠のために作られた、映画のほぼ全てのストーリーが大きな謎解きのためのヒントだったと驚きますよ。

僕は主人公の一人のアンジャーが、森の中で数多くのシルクハットを見つけた瞬間に、それまでの映像から結末を完璧に予想できました。しかも、このシーンは映画の最初のシーンに何の脈絡もなく出てきて、その映像がまさに結末を予想させる伏線なのです。つまり、このシーンを二度目に見た時が、映画を見ている最も勘に優れた人が、最初に全ての結末が予測できる条件が全て揃うシーンなのです。

最終の結末が予想が全て当たったときは嬉しかったとともに、製作者の伏線の引き方に感動しましたよ。お勧めです。


毛穴に効くフラクショナル・レーザー

「アファーム」や「フラクセル」といった“フラクショナルレーザー”が、なぜ毛穴治療に効くのか?

これは、フラクショナル・レーザーを用いて肌に照射すると、まず照射部位に熱による組織の凝固層が形成されます。この部分は、変性したたんぱく質、いわば電子レンジでチンしたように一回り縮んだような状態になります。これにより、肌が15%程度収縮する。毛穴もその周りの皮膚も「縮む」わけです。これが第一に毛穴に効く理由です。

しかしながら、変性したたんぱく質の周囲は正常な組織があります。この正常な組織は編成部分を早く押し出そうとして、肌のターンオーバーが促進されるのです。つまり肌の入れ替わりが速くなる。加齢による毛穴の開き・緩みとは、加齢による肌の代謝=ターンオーバーの速度が遅くなることで生じるとも言えますが、それが改善されるわけです。これがフラクショナルレーザーが毛穴に効く第二の理由です。

さらに照射された皮下では熱によりラジカルが発生し、同時にヒスタミンなどの神経伝達物質を含む顆粒を細胞内に持つ肥満細胞(マストセル)が、顆粒を放出します。これが線維芽細胞を誘導し、皮下ののコラーゲンを合成するのです。肥満細胞は、僕の医学博士論文の主題の研究テーマでしたので、このあたりの最新の研究についてはアップデートしているつもりです。皮下のコラーゲンが新生するため、昨日のブログに書いたような、肌の内側の体積が少なくなるタイプの毛穴にも効果があるのです。これが第三の理由です。

僕のクリニックで、アファームを照射した直後の毛穴の変り方は、こうした症例を見慣れている医者でもちょっと感動ものです。

今後も、国内外の研究機関とこれらの追跡研究を行ってゆく予定ですので、またこのブログでもご紹介しますね。


究極の毛穴治療再び

レーザーの歴史を振り返ってきましたが、それらを踏まえてここで毛穴治療の話に戻りたいと思います。

僕が「毛穴治療」について取材を受けることが多くなったのは、先にも書いたとおり2003年頃からです。レーザーの専門医として当時毛穴治療に選択していたのは、MAXピールでした。毛穴治療に対して、「レーザー・ピーリング」という選択肢をとっていたわけです。

それから4年経ちますが、レーザーのトレンドもここ数年でがらっと変わりました。今、毛穴に対して最も効果を出しているのは、「フラクショナル・レーザー」です。毛穴に詰まった皮脂が盛り上がり、小鼻の上の黒いぶつぶつが気になる「いちご鼻」も、加齢によって毛穴が丸でなく楕円に広がり、オレンジの皮のようになってしまった「頬の毛穴」も、これでずいぶん改善されるようになりました。

写真は、小鼻に対してフラクショナル・レーザー「アファーム」を照射した「Before/After」です。左側が照射前。黒いぶつぶつと目立つ毛穴にアファームを打つと、右側=翌日にはこのように黒ずみもとれ、毛穴も引き締まり、照射前に比べてほとんど目立たない状態になっているのがおわかりになりますでしょうか?

AHAやBHAによりピーリング、スクラブや器具を使った吸引・圧出など毛穴に対するアプローチは巷に多々あるようですが、これらは毛穴の「掃除」は出来ても広がった毛穴を縮めたり、周辺の皮膚を若返らせることで毛穴を目立たなくさせることはなかなかできません。最近美容雑誌でも取り上げられているようですが、毛穴周囲の皮膚は加齢と共に凹むという現象が起きます。毛穴とその周辺の皮膚どちらにも一緒にアプローチできるのが、フラクショナル・レーザーの際立った特徴なのです。


レーザーの歴史 その八  肌を入れ替えるレーザーの登場

肌を入れ替えるスキンリサーフェシングレーザーの登場
波長が10600nmの炭酸ガスレーザーは、集光度合いの標的が水にあるため、生体組織には吸収されやすいのです。このレーザーは組織選択性が低いので、いぼや、盛り上がったほくろのような編成した組織を蒸発させることで簡単に除去ができました。この性質を利用して、焦点をぼかして肌に照射すると、正常な肌と病変の肌に差がなくほぼ同一の深さに影響を与えることができるのです。ダウンタイムはあるが、特に白人種では肌を入れ替えることができ、夢の肌の入れ替えレーザーとなりました。しかし、過度に熱変性を加えてしまうと真皮まで編成してしまうため、炎症反応が強くなってしまいます。また創面も炭化するため、治療が長引いてしまう性質があり、特にメラニン色素の多いアジア人には施術後の色素沈着症が問題となりました。
蒸散系のレーザーとしては、次にエルビウムヤグレーザーが生まれました。このレーザーは炭酸ガスレーザーよりも水への吸収率が高く、肌が均一に薄く削れる特長があります。また施術面が炭化しないため、創面がフレッシュになるため、その後に加工がしやすかったのです。 サイトンというレーザーが有名で、レーザーの王様と言われており、日本以外の東アジアでは最も売れているレーザーのひとつですが、色素沈着が多 く、日本人の肌 には馴染みませんでした。

レーザーの歴史 その七 リフトアップレーザー

このサーマクールの成功を受けて、たるみすなわち形態的な老化に対しての治療法が模索されるようになりました。その対抗馬として、2003年にイスラエルのシネロン社がelosシステムをダイオードレーザーと組み合わせたポラリス(現e-laser WR) を登場させました。私は日本に初めに入った3つのポラリスのうち、ひとつを当時の六本木のクリニックに導入しました。このポラリスは痛みが少ないため、体のどの部位にも使用することができました。バストアップやヒップアップの体験症例も多くありました。

また、痛みのないサーマクールとして脚光を浴びた同じくカルフォルニアのCUTERA社からタイタンTitanという機器が2003年に発売されました。このタイタンは1100-1800nmという赤外線(IR)域の光が皮膚深くまで浸透するという性質を利用して開発されたたるみ治療機です。以後、タイタンとポラリス、サーマクールは学会会場でもたるみ効果の判定で、頻繁に比較されるようになりました。

2006年 シネロンはelosシステムとIRを利用した、リファームST(SKIN TIHGTNING)という機械を開発しました。カナダのトロントから2006年9月にDr. Stephen Mulhollandが来日し、この発表会があり、私も立ち会いました。リファームSTの効果は波長に比例します。つまり、同じ理論のポラリスよりも深い部分にエネルギーが照射されるのです。引き上げ効果はかなりのものです。 しかしながら、サーマクール、タイタン、ポラリスWR、リファームSTともに、それぞれ効果も得意とする分野も違います。患者さんのお顔の特性を生かしながら、それに合った施術を選択する必要があるのです。 クリニックFでは、このサーマクール、タイタン、ポラリスWR、リファームSTのどれもが体験 できますのでぜひご相談ください


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