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第二回 大学・総合病院における光治療セミナー

今日はグランキューブ大阪 国際会議場というところで、表記の株式会社JMEC主催のセミナーの招待講演に呼んで頂き、大阪に日帰りで行ってきました。

座長は関西医科大学 皮膚科学教室教授の岡本祐之先生でした。僕は前回もお世話になった駒澤大学経営学経営学教授の山田先生とともに、「美容診療経営の実際」と言う演題を話す事になりました。

超高齢化時代の幕開けをむかえて、日本の医療は大きく変貌しつつあります。最も大きな要因は、医療費負担増に対する厚生労働省の医療費削減の基本方針なのですが、この5年間の医療費低減率はなんと約6%。山田先生の試算によると、一般には価格が1%下落すると、営業利益は11%低下することになり、6%の低下は、保険診療体制に、壊滅的な打撃を与えるという事になります。由々しき問題ですね。

これを見越して、自由診療に活路を見い出そうとする医師がどんどん増えていることは皆さん御存知のとおりです。しかしその自由診療とは、従来の医療と全く相反する世界観によって成り立っていることを、実際にその現場に立って初めて知ることになるわけです。

数年前には医師が“経営”などと言う言葉を使用すると、“金儲けを考えている医者だ。医療で金儲けを考えるなんてけしからん”と揶揄されたものですが、時代が変わった今、経営学を知らない医師は先々生き残ってはいけない、と言われるようになりました。

まだまだ若輩者の僕の立場でどこまで説得力のある話ができたかはわかりませんが、自分がここまで自分なりに苦労し悩んだ病院経営の話を踏まえ、いくつかの提案をさせていただきました。

家に帰ってきたのは夜11時前。さすがにくたくたになりながらもパソコンを開いてみると、今日名刺交換をさせていただいたドクターからのメールが来ていて、嬉しくなりました。

こういうことで

「また次に呼んでいただいた時には、がんばろう」

と思うんですよね。


目の下のたるみをとるレーザー

目の下のたるみは、30代後半から40代以降の女性にとって悩みのたねとなっている場合も多いと思います。ここ何度か連続して目の下のたるみを取ってほしいという患者さんがいらっしゃって、そういえば、ここ数年で最も変わった肌の治療法は、シワやたるみに対する治療だなと改めて思いました。

ほほや、顔のしわなどは、ほんの数年前までは、「フェイスリフト」という形成外科的な手術を行っていました。耳の前から頭の中にメスを入れ、皮膚と筋膜を引き上げるという手術です。この手術をしてしまうと、表情がつり目になるので、「フェイスリフト」と呼ばれていたのです。

顔のほとんどのしわに効果があると言われるフェイスリフトですが、ひとつどうにもできなかったにが目の上下の弛みです。特に目の下のたるみは、“ブレファロプラスティー”という、目の下に切開を入れて脂肪を取る特殊な手術が必要だったのです。でも、メスを顔に入れるのは、どうしても抵抗がある方も多く、レーザーだけでどうにかできないものだろうかと僕の元を訪れる患者さんに聞かれるわけです。

レーザーは光です。この光を照射して肌の中にどのぐらい浸透できるかというと、以前は0.3㎜ぐらいが限界でした。これだと茶色いメラニンというシミの元を作る、比較的皮膚の浅いところにあるメラノサイトという細胞を破壊するのがやっと、というかんじでしょうか。これを大前提に考えると、当時、レーザー=シミをとる機械という認知がされて当然だったと言えます。

しかし、ちょうど2003年頃から、肌のより深くにエネルギーを照射できる機械が開発されてきて、こうなるとシワやたるみに対して効果が出てきます。さらにこの手のレーザーは肌の皮膚が少し縮むので、“だらっ”としたたるみが減るのです。

さらに、2004年にフラクセルが開発されてからは、表皮角質層のキメ(テクスチャー)を整えることで、加齢した肌そのものをより若い肌に入れ替えができるようになってきました。

目の下のたるみを気にしてクリニックにいらっしゃる患者さんには、クリニックFでは、皮膚を縮ませるレーザーと、肌のテクスチャーを入れ替えるレーザーを併用することで、かなりの改善例を作っています。メスを入れる場合と比較して、70-80%ぐらいの改善率があるのではないかと思っています。


人は見た目が9割

 

竹内一郎さんの「人は見た目が9割」という本を読みました。この本は、アメリカで重要視されている「ノンバーバル・コミュニケーション」と呼ばれる領域の本ですね。言葉よりも、言葉以外の要素の方がより多くの情報を伝達しているという理論です。

アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士は、人が他人から受け取る情報(感情や態度など)の割合について次のような実験結果を発表しているものです。

顔の表情 55%

声の質、大きさ、テンポ 38%

話す言葉の内容 7%

この研究が物語っているのは、話の内容が7%に過ぎないと言うことです。驚きませんか?  残りの93%情報は顔の表情や、声の質だと言うのです。

この本を読んで僕が感じたことは、「人は見た目が9割」であるならば、

「プレゼンは見た目が7割」

と言えるのではないか、ということです。

国内外で開かれる学会に呼んでいただく機会が多い僕ですが、最初は緊張ばかりだったのが、先月で海外で20回目の講演を果たしたこともあって、最近すこしだけ周りを見渡す余裕ができてきました。

以前は、学会でのプレゼンと言えば話の内容をとにかく密度の濃いものにしなければならないということだけが頭にあって、パワーポイントで作るスライドも、文字情報やグラフに頼り、それを多用していました。僕よりずっと先輩のドクターが席にいらしたりするので、おかしなものを出してはならないという気負いも多分にあったのだと思います。

しかし、現場でのお客さんの反応を見ていると、

「このままじゃ、お客さんには楽しんでもらえないな」

ということを去年ぐらいから感じるようになり、以来すこしずつ自分なりに「改良」してきたのです。

改良の一番のポイントは、文字や表よりも、画像やレイアウトを工夫すること。そしてプレゼンを「起承転結」に分け、「起」の部分ではドクターに焦点を合わせてプレゼンを作るのではなく、一般のサラリーマンやOLさんでもわかるような、わかりやすく身近な話から入ること。最後の「結」で、何が言いたいのかを明確にまとめること。

さらにパワーポイントを「紙芝居」に見立て、僕の声が聞こえなくても「絵」で見れば内容がある程度理解できるようなものを準備するようになったのです。

これらによってお客さんの反応は確実に変わりました。自分なりの手ごたえを感じられるようになってきたのです。特に最後の「絵で見てわかるようにする」という重要性をひしひしと感じています。

プレゼンも、人と同じように「見た目が大事」なのです。

もしプレゼンの作り方で悩んでおられるドクターがいたら、今ならご相談に乗れるかもしれませんよ(笑)。


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