さて、いよいよ今回の出張の目的である、国際学会周遊記初の、ロシア・フラーレンの学会が始まります。
ロシア出張に行く前から、ワーグナーの「ニーべルングの指輪」で思いっきり盛り上がってしまっていたので、まずその話を書きますね。
とにもかくにも、ロシア滞在初日の夜。
クラシックファン巡礼の地(笑)。マリインスキー劇場(元キーロフ劇場)の前で写真を撮りました。
憧れの場所だったので、初日はスーツで行きましたよ(笑)。
サンクトペテルブルグ(元レニングラード)は緯度が60度ぐらいあります。
写真を撮影したのは午後7時ぐらいなのですが、白夜のシーズンでまだまだ明るいですね。
外観はこんなエメラルドグリーン色。
一瞬奇抜に見えるこの壁の色ですが、かの有名なエルミタージュ美術館も同じ色でした。
ロシアの土地に馴染んでいるのです。
そしてこの日は、ワーグナの超大作である二ーベルングの指輪上演4日間の最終日。
僕は全4作を16時間かけて(笑)DVDでおさらいしていきましたので、字幕ロシア語の最終話だけでも、すぐに話に入っていくことができました。
オペラはチケットを取った日から始まっているのですね。
おそらく毎日通ったであろう人たちの熱気で会場は溢れています。
日本でワーグナーのオペラを観ると観客に男性がとても多いのですが、こちらでは女性が多かったのでまずそれに驚きましたね。
それにしてもご覧ください。ロシア皇帝文化の元、国家威信をかけて作られた豪華な内装。
思わず深い溜息が出ます。
オーケストラボックスで見たニーベルングの指輪の楽譜です。
劇場の中にはホールがあります。幕間にここでシャンパンを飲みましたよ。
最後は会場総立ちでブラボーの連呼でした。
観客のほとんどの人たちが4日間通ったのでしょうから、思いもひとしおなのでしょう。
夕方6時に始まった公演でしたが、終わりは深夜1時に近かったです。
滞在中は夜11時過ぎまで明るかったのですが、白夜のシーズンとはいえ、さすがにこの時間には日が落ちて、夜になりました。
7月6日の成田は雨でしたが、JALでモスクワに向かいました。
抗酸化剤のひとつ=フラーレンの専門学会が、サンクトペテルブルグで開催されたのです。
すでに50ヵ国以上の国々を訪れている僕ですが、ロシアは16年前にモスクワでトランジットしただけ。
初めて訪れる地で、とても楽しみにしていました。
さて、11時間のフライトを経て、モスクワに降り立ってみると…。
国内線は、見たこともない航空会社の機体が沢山。
ちなみにサンクトペテルブルグ行きの飛行機もS7という会社のこんな黄緑色の機体でした。
飛行機の写真ばかりですみません。航空機オタクなもので(笑)。
夏のロシアは草原の国なのですね。
機上から見たロシアの都市は、森の中に突然現れる感じでした。
サンクトペテルブルグ空港につくと、国際フラーレン学会の担当者が待っていてくれました。
国際学会でスタッフが空港で出迎えてくれたのなんて、考えてみれば初めてです。
何故か理由を聞いてみると、なんでもロシアではタチの悪いタクシー運転手が多いため、外国から初めてロシアを訪れた人間が何も知らずにタクシーを使うと、必ずトラブルになるのだとか。
お国柄なんでしょう。
バスのような大きなタクシーに僕一人だけ乗り込みます。
どんなところなのかわくわくしますね。
街中を移動するまでは、このような草原の中を走るのですが、
街に入ると、いかにも旧ソ連の好みそうな建築物が沢山。
街並みもほかの西洋の国とは違う気がします。
日本時間では朝に近い時間だったので、ホテルにチェックインしたらすぐに眠ってしまいました。
今日の朝、講演先のタイから帰国しました。
そのままクリニックFに向かい、診療の合間に、今回の出張のロシアとタイの両方分の領収書と、期間中に来た郵便物を整理しているので、院長室は大変なことになっています。
良かったのは、今年のワシントンDCの米国レーザー医学会での僕の二つの発表内容が載っている Laser in Surgery and Medicine 誌 が届いたことでしょうか。手に持っている赤い本です。
ロシアとタイの国際学会周遊記報告ブログは、意外にも患者さんに人気の高い「今日の僕」シリーズとともに、明日から スタートさせますね。
タイIMCASの学会日三日目の開催日だった昨日は、朝一番からバンコク週報という、タイの日本人週報誌の取材を受けました。
特に今回僕が発表をさせて頂いたシネロン社の新プロトコールである「トリニティ」について、また世界のレーザー開発の状況や、日本とバンコクにおけるレーザー皮膚治療方針の違いなどのお話をさせて頂きました。
バンコクは、アジアでは美容施術が非常に発達している都市のひとつです。最新の機器が導入されているクリニックもありますし、ホスピタリティも含めて、機器によってはほぼ日本と変わらない施術が受けられる場合もあります。
特にたるみなどの「形態的老化」の治療は、ほとんど変わらないのではないでしょうか。
レーザーの専門医師として注意しなければいけない点は、一つはシミやくすみなどの「色彩的老化」についての治療です。シミの治療はメラニンの吸収率の高い紫外線に近い可視光線の領域の波長を利用します。この領域の光は、パラメータの調節が非常に難しいと言えます。
きちんと効果を出せるパラメーター設定は非常に狭いので、日本人が白人種の多い国で施術をすると、火傷をするようなパワーで打たれてしまったり、逆にタイのように茶色・黄身の濃い肌の国で施術をしてしまうと、日本人のような肌にはほとんど効果がなかったりすることがあります。
実は午後に、もう一つ講演を頼まれました。
前日の僕のシネロン社の講演を聴いていた、今回僕と一緒にイタリアのプロモイタリア社から招待を受けたANNA FORENZA医師が、
「実は今回のこの講演はフラクショナルエルビウムレーザー+RF機器の話なんです。あなたの専門分野だから、ぜひ一緒に講演してもらえないでしょうか?」
・・・と言われ、急遽共同講演することになったのです。
驚きましたが、おかげさまで楽しく講演をさせて頂くことが出来ました。
これで、ロシアとタイのすべてのタスクを終え、ようやくほっと一息したところです。
あとは今夜のフライトを待つばかり。
今回はロシアとタイの学会が続いてしまったため、クリニックを長いことお休みしてしまい、患者さんにはご迷惑をおかけしました。ごめんなさい。
世界の最新情報や、世界の医師たちとたくさんのディスカッションをしてきましたので、明日からの診療にまた役立ててゆきたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。
ところで、昨日取材を受けたバンコク週報の記者さんとは話が合って、いろいろ話し込んでしまったのですが、今日はその方から
「日本に帰国される前に、ここにぜひ行って下さい」
と、スパをご紹介して頂きました。
スパ施設としては世界レベルの施術が受けられると言われている「S Medical Spa」というところです。
ちょうど夜のフライト前に予約がとれたので、勉強とリラクゼーションを兼ね行ってきます。どんな場所だったかはまた御報告させて頂きますね。
日本時間の16日木曜日早朝に成田に着きますので、明日はそのまま外来に向かいます。
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藤本 幸弘、 前田 拓摩
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