さて、ニースからモナコに抜ける道の途中に、「エズ」という小さな村があります。
鉄道のエズ駅から海沿いに、海抜420mのこのエズの村に向かう山道は、19世紀のドイツの哲学者 フリードリッヒ・ニーチェが
「ツァラトゥストラはかく語りき」
の構想を練った場所である、といわれています。
ニーチェはクラシックの音楽家たちと交流があり、特に31歳年長であったワーグナーとの親交が深く、現在でもワグナーオペラ祭典が行われる、バイロイト祝祭劇場の建設計画について、熱く語り合ったのだそうです。
ロシア出張記にも書きましたが、1876年についに落成したバイロイト祝祭劇場で、「ニーベルングの指輪」が初演されたのは、あまりに有名ですよね。
僕にとってはいつの日か“巡礼”したいと思っている聖地のようなものです(笑)。
エズの村は、敵からの攻撃を防ぐために、山の下からは影も形も見えないように造られた中世の村です。
街並みも、ひしめき合った建物の中に迷路のような石畳がある、といった雰囲気。
中にはアトリエや、手芸品のショップなどもあります。
村の中腹に教会がありますので、そこを目指します。
ここに連れて行ってくれたタクシードライバーさんによると、このエズの村には、二つの超高級ホテルがあるのだそうです。
ひとつは「シャトー・エザ」
もうひとつは「シャトー・ド・ラ・シェーヴル・ドール」
この村にある二つのシャトーホテルを目指して、ヨーロッパ中の上流階級の人たちが集まるのだそうです。
きつい山道を登っていると、ちょうどホテルの門が開き中から車が出てきました。
見れば、さすがの高級車! メルセデスベンツSLRマクラーレンロードスターです。
僕は実際に街を走っているマクラーレンを初めて見ました。
上から駐車場を見ると、アストンマーチンやらロールスロイスやら、中央にあるメルセデスのSクラスが控え目に見えるような車が停まっています。
おそらく長期滞在しているのだと思いますが、いつかこんなホテルに泊まってみたいですね。
ようやくたどり着いた、エズの教会内部です。
さらにその教会の上に古い城跡に造られたエズ庭園があります。
ここからの景色は見事でしたよ。
エズの村の横にはフランスの香水メーカー「フラゴナール」の工場があります。
工場の見学もできるようです。
ブティックでは、店員さんが熱のこもった説明を、フランス訛りの英語でしてくれました。
もっと長く滞在したかったなあ。