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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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Classification of Acne Scar

このところ、ニキビ跡(痕)を治療するレーザーについての質問が多くなってきました。

「ニキビ跡」とひと言で言っても、その状態は千差万別で、状態によって適応されるレーザーも異なってくるのです。

そのため、実際お会いしてその状態を見せて頂かないと、どういった治療法を選択するかはお答えがしづらく、メールやお電話での質問だと正確なお答えが出せないという現状があります。

ニキビ跡の大まかな分類について、少し難しくなりますが、今日は一度まとめておこうと思います。

ニキビ跡とは、ひと言でわかりやすく言うと、ニキビの炎症が治まった後に残ってしまう皮膚の変形と変色のことです。

まず大きくは、肥厚(ひこう)性のものと、萎縮(いしゅく)性のニキビ跡に分かれます。

そのうち萎縮性のニキビ跡を形態的に4種類(ヨーロッパでは3種類)に分類するのが一般的です。

それらは

①Rolling ローリング型

②Ice-pick アイスピック型

③Shallow box-car 浅いボックスカー型

④Deep box-car Type 深いボックスカー型

と、呼ばれています。

①ローリング型とは、丘のようにうねって平らな部位が少ないニキビ跡(Rolling scars are gently undulating, appearing like hills and valleys without sharp borders.)のことを指し

②アイスピック型とは、表面が広く深くなるに従って細くなる円錐状のニキビ跡(Ice-pick scars, also known as pitted scars, appear as round, deep depressions culminating in a pinpoint base; in cross-section, they are shaped like a “v”.)

③浅いボックスカー(箱形の車)型(Box-car scars have a flat, “u-shaped” base. Broader than ice-pick scars, they are round, polygonal, or linear at the skin surface)と、

④深いボックスカー型(Shallow box-car scars terminate in the shallow-to mid-dermis, and deep box-car scars penetrate to the reticular dermis.)

ヨーロピアン・アクネ・グループ(The European acne group (ECCA) )では、

◎ローリング型を「W-shaped」

◎アイスピック型を「V-Shaped 」

◎ボックスカー型を「U-shaped」

と分類しています。

感性があっていいですよね。

それぞれどのレーザー機器を使用するかということになりますが、肌の「基礎工事」が終わっている、と仮定した場合、2010年現在の、クリニックFのレーザー選択では

■ローリング型なら「パール」+「フラクセル リストアデュアル」

■アイスピック型なら「エコツー」or「eMATRIX」+「フラクセル リストアデュアル」

■浅いボックスカー型なら「アファームマルチプレックス」+「フラクセル リストアデュアル」

■深いボックスカー型なら「eMATRIX」+「エコツー」

・・・といった選択になります。

しかしながら難しいのは、通常の人のニキビ肌にはここに紹介した4種の型が何種類か、または場合によってはすべて、混在している場合がほとんどなのです。顔の部位によっても、ニキビ跡の状態は異なります。

そのため、クリニックFでは部位と状態に応じて、数段階に分けてスケジュールを立て、数種類のフラクショナルレーザー/治療方法を組み合わせて、ニキビ跡を治療していきます。


IMCAS2010 ニキビ跡治療セッション

IMCASは、フランスが主体の学会です。

ですので、公用語は英語とフランス語。

セッションによってはフランス語で討論が行われますので、こうした同時通訳器をパスポートやクレジットカードと引き換えに借りるのです。

これを耳につけて、首のチャンネルを調節すると、英語が同時通訳で聞こえるというわけです。

今回色素斑や、痩身、表在性血管治療などのさまざまなセッションがありましたが、やはり印象に残ったのはニキビ&ニキビ跡のセッション。

ニキビ跡の治療の歴史を説明するスライドもあったのですが、医者の僕が見ても恐ろしいような外科的治療法をやっていた時期もあり、驚きもありました。

現状ではマイクロダームアブレーション、リサーフェシングレーザーそして、フラクショナルリサーフェシングレーザーの三つが主流となります。

さまざまな治療法が提示されてきましたが、やはり特にアジア人の肌に画期的な治療効果を出せるようになったのは2004年に米国ダラスの米国レーザー医学会(ASLMS)で発表された「フラクショナル・レーザー・リサーフェシング」の技術です。

このことについては、2007年7月の、

レーザーによるニキビ跡と毛穴治療のコツ

のブログにも詳細を書きました。

フラクショナルレーザーはこの図のように、点状(円錐状)にレーザーを照射し、レーザー照射部位のみの肌を選択的に入れ替えてゆくというもの。

2005年から 「フラクセル」

「アファーム」

「フラクセル2」

「アファームマルチプレックス」

「スターラックス1540」

「ピクセル2940」

「モザイク」

「エコツー」

「フラクセル・リストア」

「フラクセル・リファイン」

「パールフラクショナル」

「(アンコア)ブリッジセラピー」

などの機種が次々と日本国内でも販売されてきました。

2010年のトレンドには、これらの機種に

イスラエル シネロン社の「eMATRIX」や

現状の「フラクセル:リストア(フラクセル2)」の後継機種になる

「フラクセル:リストアデュアル(フラクセル3)」

も海外では販売されていて、ニキビ痕や、色素沈着には非常に効果を上げています。

これらのフラクショナル・レーザー機器の効果違いは、

水に吸収される率による性質の違い

つまり

波長の違いに集約されます。

どの波長を利用するかによって、どの深さまで、肌のどの部位まで、そして表面積のどの範囲を入れ替え治療をするか、決定できるのです。


パリの夜景と 焼きそばと

学会から帰るとき、シャンゼリゼはこんなにきれいです。

観覧車のイルミネーションも素晴らしいですね。

雪の中、さまざまなデコレーションが登場します。

赤い照明の通りもあります。

さて、この日の僕は夕食を食べるタイミングを逸してしまいました。

冬の季節、日本とパリの時差は8時間。

夕食のときにおなかが減らなくても、真夜中に無性におなかがへるときがあるのです。

夜中におなかが減った時のため、立ち寄ったラーメン屋で焼きそばのテイクアウト。

現地時間で深夜、パソコンに向かいながら焼きそばを食べるなんて、なんだか侘しいですけどこんな夜もありますよね(笑)。


バイオフォーム社 Ms. Kristel Hectors

こちらバイオフォーム社の米国マーケティングチーム女性トップのKristel Hectorsです。

バイオフォーム社Ms. Kristel Hectors

昨年のサンフランシスコで行われた米国皮膚科学会(AAD)以来の再会です。

今年の3月の米国皮膚科学会はマイアミ開催なのです。

「また3月にマイアミでお会いしましょう!」 といってお別れしました。


ゼルティック社 技術主任のMr. Mitchell E Levinson

参加したパリのIMCASですが、学会会場はずいぶんと人にあふれていましたよ。

懐かしい人にもたくさん会いました。

ゼルティック社

氷結による脂肪溶解の新機器を販売している米ゼルティック社の面々とも再会。

技術主任のミッチェル・レヴェインソンも元気でした。昨年は世界各地で何度も会いましたよ。

いよいよヨーロッパにも商品を売り出すようです。


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