アメリカ、カナダ、イギリスやフランス、スペイン、ドイツ、中国、韓国、シンガポール、マレーシア・・・など、海外のクリニックでレーザー治療をされた患者さんが、
「一時帰国中にクリニックFで肌の状態を見てもらえないか?」
と、御来院されるケースがよくあります。
火傷や炎症などトラブルとなっている場合もありますし、トラブルではないけれど受けた施術に不安を感じて御来院されるケースもあります。
ところが、よくよく話を聞いてみると、その海外で施術をしたドクターが、僕の知り合いだったりすることが結構あるのです。
海外で50回もレーザー関連の講演をしていれば、そういったこともありますよね(笑)。
中には直接E-mailをして、実際にどのような設定でどのレーザー機器で照射したなどの情報を仕入れたりすることも出来るドクターもいるのですが、そうしたドクターたちは、決して母国では評判の悪いドクターではなく、むしろ有名な、実力も実績も人気もある先生である場合が多いのです。
「まさかこのドクターが、クレームを受けることになるなんて」
と、僕自身がびっくりする、高学歴で真面目で評判のドクターも決して少なくありません。
こうした状況を実際目の当たりにして思うことは、
おそらく、日本人の肌に対するパラメーターの設定は、本当に難しいのだと思います。
昨今の日本人は、アジアの人種の中でも皮膚が敏感で脆弱になっているように思います。同じ黄色人種だから、と中国人や韓国人と同じパワーで照射しても、ダメージが大きく出てしまうようなのです。
また、先日別のブログで書いた日本人特有の「色」「シミ」に対するこだわり、そして
レーザー施術をしていることを周りに悟られたくない
という文化も背景にはあります。
欧米人、そして日本人以外のアジアの国の人たちにとっては、お金をかけてレーザー治療をしている、ということは人目を忍ぶことでも、恥ずかしいことでもなんでもなく、むしろ他人に誇るべきことなのでしょう。
せっかく高いお金を払って照射するのであれば、一時的に多少肌に色素沈着が起こるぐらい強く打ってもらったほうが、より効果もあるし、むしろ感謝する人が多いのかもしれません。
クライアントの状態によっては、その患者さんを施術したドクターから直接連絡を頂くこともあります。僕のほうは、
「日本人には、これくらいのパワーで打つほうが安全ですよ」
というような返答をすると、それが、彼らにとっては、目から鱗だったりするときもあるようです。
ある意味これも異文化交流となっていて、ドクター同士有意義なディスカッションに発展することもあるんですよ。