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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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「リサーフェシング」の時代

日本で

「皮膚科でレーザー治療をした」

と言うと

「シミをとったの??」

という質問が返って来るようです。

これは、ちょっと大袈裟に言うと、日本という国と文化が「垣間見える」やりとりです。

「シミ」という言葉は、「洋服にシミがついた」とか「しみ抜きする」とか「シミひとつない」いう言葉や表現で使いますよね。

顔に出現した茶色い色彩を、それらと同じ「シミ」と日本人は表現するわけですから、これはよく考えると興味深いと思いませんか?

シミは英語に直訳すると「Stain=汚れ」という言葉が最も近いものになるかと思います。

外国で自分の顔にある茶色い「点」や「面」を

「顔のstain」

と表現することはなかなかないでしょう。(英語圏でシミは「Pigment(色素)」や「Brown Spot」などと呼ばれます。)

日本人は、色彩や「そこに本来ないはずの色(しかも黒や茶色)がついてしまう=汚れる」ということにとても敏感で繊細な国民なのだと思います。

レーザー治療という、聞くだけで痛そうでお金のかかりそうな治療をした、というのは、

きっとそうまでしてでも治療したいものがあったのだろう

・・・と考えるのでしょうね。

一方、欧米人は

「皮膚科でレーザー治療をした」

と聞くと、「タイトニング」または「リサーフェシング」というものを連想します。

シミをとった、と思う人はまれでしょう。

肌の質や色の違いもありますが、欧米でシミが顔や身体に出現しても日本人のように気にされることはまずありません。それよりも、たるみやシワが彼らにとっては問題なのです。

「タイトニング」は、皮膚の引き締め、引き上げ。

「リサーフェシング」という言葉は英語だと

「Resurfacing」=つまり古くなった肌をレーザーで「脱皮」させて、

「Re (再び)」 「Surfacing(表面を滑らかにする)」

という事。

つまり、肌質を若々しく艶やかに「入れ替える」作業をするという事です。

この「入れ替える」という概念は、この日本ではなかなかピンと来ないかもしれませんが、レーザーマニアの集う(笑?)クリニックFでは、最近最も人気のある施術になりつつあります。

実際に治療すると分かるのですが、

「このシミが悩みです」

と来院する人の「そのシミ」をとってしまうと、今度はそれまで気にしていなかった、以前は目立たなかった筈の

「次に目立つシミ」

を気にするようになってしまうのです。(これも潔癖な日本人ならではの現象と思われます)

そうであれば、ひとつひとつのシミにこだわり、そこを改善していくことに心血注ぐよりも、肌質を若々しく変えてゆく方がはるかに効率のよい場合があるのは否めません。

2005年に最初のフラクショナル・リサーフェシング・レーザー「フラクセル」が国内で販売されてから、早6年。

アジア人にも安全に「リサーフェシング」が出来るようになりました。

ハリがあり、エラスチンやコラーゲンなどの実質がしっかり詰まった艶やかで若々しい肌。

こういった肌は、10年前まではDNAの優れた一部の人にしか手に入らなかったものですが、フラクショナル・リサーフェシング・レーザーを使用する事で、だれでも手に入れられるようになりました。

最近は、女性ばかりが施術を希望するのではなく、男性の希望者も多いのです。

特に会社経営者などの男性は、ゴルフなどで紫外線を浴びている率が高いですし、テレビや新聞の取材などの露出も多い。

肌の「入れ替え作業」をすると見違えるほど若々しくなり、周囲に与える印象ががらっと変わります。

クリニックFでリサーフェシングの施術をした人を見てみると、

このフラクショナル・リサーフェシング・レーザーによって最も恩恵の受ける市場は、実は

「ニキビ痕」や「毛穴」の肌ではなく、

「加齢して黄色っぽく変色して透明感がなくなり、ハリのなくなった肌」

「透明感のある肌つやの良い肌」

に入れ替える事なのではないかと思う時があります。

若々しさと見た目を重要視するアメリカのビジネスマンや政治家は、男性であっても半年で10000ドル(90万円前後)ぐらいをこうした肌の手入れに使うと聞いた事がありますが、日本もこうした価値観が変わってくるのかもしれませんね。


東大植物園の梅

小石川にある東大理学部附属植物園に行ってきました。

梅がきれいに咲いてると、白山に住む大学院の時の先輩が教えてくれたのです。

品種にもよるのだと思いますが、花の咲いた桜の木もありましたよ。


今日の僕 20100206

診療の合間に、今年の開成中学の入試問題を解いています。

結構難しい・・・。


肝斑治療の料金

クリニックFで行っている肝斑治療について、毎日のように御質問や御相談のメールを頂いています。

それだけ「肝斑」という言葉が、市民権を得たということなんでしょうね。トランシーノの功績もあるのでしょうか。

治療内容もさることながら、多いのが料金についての御質問です。クリニックFのWEBでは、肝斑治療を

「105,000円~」

と表記しているため、

「治療を受ける度毎回105,000円かかるんですか?」

とか

「最高にひどい肝斑の状態で、いくらくらいかかるんでしょうか?」

・・・などといった御質問を頂くのです。

きっとメールを頂いてなくても、同じことをお知りになりたい方でこのブログを読んでくださっている方もおいでになるでしょうから、今日はこのあたりを御説明しておきたいと思います。

クリニックFで、肝斑の治療に最もよく使われる機器は、メドライトC6という機械です。

クリニックFでは、このC6による施術を、1回42,000円で承っています。(治療後には無料でビタミン導入と下地の仕上げ、頭部・首などの簡単なマッサージがつきます。)

ただ、肝斑の治療につきましては、状態によって必ずしもC6だけを使用する、と事前に言い切ることができないこと。(フラクセルなどほかの機器を使用する可能性もあること)

また、C6を使用したとしても、一度の施術で肝斑を完全に改善するところまでは至らないこと。(最低でも3~5回の施術が必要となります。)

そうした事情も踏まえて、料金案内のページでは、「105,000円~」と、表記させていただいています。

言い方を変えると、肝斑を治療したい、改善させたい、とお考えの方で、それをレーザー治療によって結果を出したい、と思われるのであれば、最新鋭の機器で最前線の治療を僕が承る場合、

数回にわたる通院と治療費=最低105,000円がかかってしまいます

ということなのです。

ただ、このブログでも何度か書いていますが、クリニックFはまず患者さんの御予算・目的ありきで作った新しいコンセプトのクリニックであり、治療機器や治療内容は僕が決めるのではなく患者さんに決めて頂くことになります。

そのため、105,000円以降どれくらいのご予算で治療を行っていくのかにつきましては、患者さんの方で御判断いただくことになるのです。

自分の治療は、内容もかける金額も自分で決めたい

自分の肌年齢は自分の意思で超えたい

・・・そんな理知的で、意思のしっかりとした患者さんがこのクリニックには多く、僕はそんな患者さんたちを万全の体制でお迎えするため、世界で最新の情報と技術を、常に正確に提供できるよう、日々勉強している、というわけです。


レーザーの王様 サイトン・ジャパンの設立

米国カルフォルニア州にあるサイトン(SCITON)社という会社をご存知ですか?

サイトン社は1997年に設立されたレーザー/光治療器を開発する、高い技術力を持っていることで知られている新興(いや、もう中堅ですね(笑))のレーザー会社です。

「米国カルフォルニア州に本社があり、高い技術力を持った上で、毎年売上げの中から多額の研究費を捻出して新たな機器を開発する」

・・・という特色を持つ、そういう意味ではソルタメディカル社(フラクセル・サーマクール製造販売)や、キュテラ社(タイタン・ライムライト・ジェネシス・パール・パールフラクショナル製造販売)に似ている、技術力重視の会社です。

エルビウムヤグレーザーを使用した、非常に優れたスキャナシステムを持っているこのレーザー機器は、フラクセルなどのフラクショナル・リサーフェシング・レーザー機器が開発されていなかった時代では、完全な差別化が成されてきた分野で、米国では

「レーザーの王様」

と評価されていました。

僕にとっても、海外の学会では必ずブースで足をとめる、いわば、毎年必ず最新技術をチェックする会社の一つでした。

しかしながら、この機器の特性として

1.エルビウムヤグレーザーがベースとなっているため、施術後の止血に時間がかかり、ダウンタイムが5日間程度になるため、ノンアブレイティブな施術を好む日本人には好まれない。

2.さらに、エルビウムヤグの特性上、エネルギーが肌の浅い部分の水分に吸収されてしまうため、肌の深い部分にエネルギーを入れることが難しい。つまり、深いボックスカー型のにきび跡などには効果が低い。

3.機械にパラメーターが多く存在し、患者の症状によっても適応が限られる為、医師の側もサイトンを使用するにあたり、高い診断技術と治療技術を持たねばならず、その習熟にかなりの時間がかかる。

という点から、台湾や、韓国などの他のアジア諸国での市場に比較すると、日本の市場ではあまり受け入れられてきませんでした。

そういった現状の打破、日本市場での起死回生を図るため、SCITON社は日本支社を立ち上げることになり、まさに今月、その設立が行われたのです。

今回白羽の矢が立ち、サイトン・ジャパン社長に就任したのは、米国ボストンのレーザー会社サイノシュア(CYNOSURE)社の日本支社の営業のトップだった高瀬さん。

最初に聞いた時はちょっと驚いたのですが、本当にこの業界は狭いですね。

昨日はサイトン社、ワールドマーケティング部門の副社長Robert RuckとともにクリニックFに表敬訪問に来てくれました。Robert Ruckも元ルミナス社にいた人材。一年半前にサイトン社に転職したのだそうです。

レーザーを治療に使用する医師としては、最先端の技術を持ったレーザー会社が日本支社を持つことは、とても喜ばしいことです。

日本支社があると、機器のメンテナンスや、消耗品の配給が安定するので、クリニックにも機器を導入しやすくなるのですよ。

サイトンが誇るフラッグシップのJOULEシステム。クリニックFでもテストさせていただけることになりました。

さて、過去には「レーザーの王様」と表現されたこのサイトン社のレーザー機器。

フラクショナル・レーザー治療が全盛の現在、他社のフラクショナルな機器と比較して、サイトンが何が得意で、何が不得意なのか。

きっちりと評価させていただきたいと思います。


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