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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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フラクセル3DUAL と ポルシェ社の戦略

ちょうどこの週末、香港でアンチエイジング学会である第4回IMCAS ASIAが開催されました。

IMCAS とは「 Internatinal Master Course on Aging Skin」の頭文字で、レーザー治療、メソセラピー、フィラー、内科的療法などを中心に、皮膚科医、形成外科医を対象としたフランス系のアンチエイジング学会です。

本家は毎年1月にパリで開催されています。

僕は

2007年 バンコク(サイノシュア社招待講演)

2008年 シンガポール(キュテラ社招待講演)

2009年 バンコク(プロモイタリア社とシネロン社招待講演)

・・・と、過去3回のIMCAS ASIAで招待講演をさせて頂きましたが、 今回は2週間前に香港に行ったばかりなので、見送りました。

香港のIMCAS学会に出席した、フラクセル&サーマクールの製造販売会社であるソルタメディカル カルフォルニア本社のスタッフが三名、 帰国の途中東京に寄って、クリニックFを訪問してくれました。

今回のIMCASでは取り立てて新しい発表は無かった

と話していましたが、フラクセル3DUALの施術の話で盛り上がりましたよ。

フラクセル3DUALは、ここ数年僕が使用してきた機器のうち、最も満足度の高い機種の一つです。

患者さんの肌に合わせて複雑な組み合わせのパラメーター決定が自由にできるので、治療効果が出しやすい。

最先端技術を用いた機器がまた、僕の「レーザーマニア心」をくすぐるのです(笑)。

クリニックFでは主に、肌のテクスチャーの改善や、毛穴縮小に使われますが、アメリカの実験では肝斑治療の成績も非常に良いようです。写真も沢山見せてもらいました。

現在国内では、フラクセル3DUALが6台導入されたそうです。

そういえば、僕がMBAを取得する時のビジネススクールで、「ポルシェ社の経営モデル」というケーススタディをした覚えがあります。

ポルシェ社は過去にも現在でも、間違いなく世界で最高性能の車を作る能力があります。それには研究者ベースで機器を開発するポルシェ社の社風もあると思うのですが、ポルシェ社の面白いところは、新規の技術をすぐに公開しないこと。

例えば、他社がアンチロックブレーキや、マルチリンクサスペンションなど、新しい技術を発表すると、その分野について、既に長期間、深く研究を重ねている類似した技術を、初めて市販車ベースで自社の最新車に取り入れるのです。

つまり高性能の車を作ることにかけては、他社に比べて常に数段先を歩んでいるのですが、研究を重ねてもその技術を寝かせており、言わば出し惜しみをしているわけです。

その企業努力によって最新のポルシェは常に世界最高のスポーツカーでいられるわけです。

ソルタメディカル社(元リライアント社)は「フラクショナル」にレーザー照射治療するという、全くオリジナルな理論を2004年のダラス開催の米国レーザー医学会(ASLMS) で発表した会社です。

その後、僕はカルフォルニア州にあるソルタメディカル本社を3度訪問しました。その際に、研究ベースでハイテク機器を作り上げるという社風はポルシェ社に似ているなあと思ったんですよね。

僕もフラクセルの開発者のレン工学博士とも米国レーザー医学会で挨拶をする顔見知りです。いわゆる本家本元のフラクショナルレーザー機器メーカーが本気で作り上げたこの新機器。

以前、レン博士も話していましたが、近年、数多くのフラクショナルレーザー機器の廉価版が発売されていますが、他社が古い機器の構造をコピーして製品を作り上げている間に、本家の機器は研究により、技術も性能も圧倒的に有利なものを作り上げることが出来る。未だ対抗馬にはなり得ないというのが米国のこの業界の専門家の共通認識なのです。

フラクセルレーザー治療という細分化された分野でも、本家とその追従者では技術に圧倒的な差があるということなのです。

今後のレーザー機器開発の、更なる飛躍が楽しみですね。


香港 百万ドルの夜景 国際空港のハブ化

もう少し時間があったので、Heritageを出て、夜景を見に行くことになりました。

昼に訪れた鐘楼です。

曇り空だったのですが、コントラストが綺麗ですね。

夜景はこの通り。いつ見ても凄いです。写真じゃあまり伝わらないのが、残念ですが。

レーザー光線が綺麗でしたよ。

最後の会食ののち、香港空港まで皆で送ってもらい、0時35分発の羽田行・・・という真夜中の便に乗りました。

そうそう、最後に香港の紙幣を御紹介しておきましょう。

さて、香港から羽田間は、4時間半。新幹線ですと東京広島間よりも短いのです。

考えてみれば、日帰りが出来るぐらい、本当に近いですよね。

羽田空港は首都に近くアクセスも良いので、先進国の中ではロンドンのヒースロー空港よりも経済価値が高いと言われていました。

羽田を国際空港化することは、日本にとっても大きな経済価値をもたらすことだと思います。

成田空港との間を地下でリニアモーターカーをつなぐ計画もあるそうですが、地政学上でもシーパワーとして発展した歴史を持つ日本にとって、エアパワーの港を手に入れることが今後の日本の国家発展のための一つのキーになります。

首都圏の国際空港のハブ化は、国家戦略としては極めて高いプライオリティを持つと思います。ぜひともやっていただきたいですよね。

早朝に羽田に着き、この日はクリニックFにそのまま出勤しました。

帰国から少し時間が経ってしまいましたが、これで新国際学会周遊記の香港編および澳門編はこれでおしまいです。


香港の新名所「1881 HERITAGE」

今日は朝から外来が一杯で、先ほどやっと昼食を食べられました。

昨日は一つ大きな取材がありました。僕としてもとても楽しみなプランがいよいよ練りあがりつつあります。また時期を見てこのブログでご報告しますね。

さて、先月渡航した香港のブログを書きあげてしまいましょう。

澳門から香港につくとあたりはもう夜です。

会食の時間が20時だったため、香港の会社のスタッフとすこし街を歩くことにしました。

どこに行きたいか?

と聞かれ、

九龍サイドに新しくできた「1881 HERITAGE」を見学したい

と言いました。

滞在したホテルから歩いて行ける所にあったのです。

旧水上警察本部を補修改修したこの建物。

上部の建物は客室10室のみの高級ホテル。

全室スウィートなのだそうです。一度泊まってみたいですね。

この地は、香港の新しい名所になっているのだとか。夜景が綺麗ですよね。

階下はカルティエやダンヒルなどが店舗を構えていました。

シンガポールや澳門の時もそう思いましたが、歴史的建造物の再生が脚光を浴びていくのはとても良い風潮だと思いますよ。

 


2010年上半期のレーザー関連ニュース総括3

さて、三つ目の論点

タイトニングとリフトアップですが、これは昨年末に正式発売された第三世代のRF機器であるサーマクールCPTと、超音波を使用したリフトアップ機器のウルセラの二機種がトピックとなると思います。

サーマクールCPTについては何度もこのブログで触れていますが、サーマクールの前行機種NXTより痛みを減らし、タイトニング効果を上げた、皮膚治療機種です。

入れ替わりの激しいこの業界で、タイトニングに関して2002年から一定した評価を維持しつつあるのは見事だと思います。

クリニックFで、痛みに弱いのでサーマクールだけは打てないと言っていたスタッフが、通常のパワーで難なく施術をすることができたのは驚きでしたよ、

もうひとつ、僕が注目している機器は、上の写真のウルセラという機種。アリゾナ州のウルセラ社の商品ですが、HIFU ( 高密度焦点式超音波療法)を使用して筋膜のリフティングを行う機器です。

超音波エコー下で、実際に目視しながら筋膜を狙って施術ができるので、非常に効果が高い半面、施術者の腕の違いが出るのではないかと思います。

サーマクールがタイトニングなのに対し、ウルセラがリフティング。

両者明らかに住み分けができるので、魅力がありますよね。

今週火曜日、ウルセラ社から副社長のRandall E Millerが来日しましたので、みやた形成外科・皮ふクリニックの宮田先生ともども、会食に招待していただきました。

Randallは、もともとジョンソン&ジョンソンに在籍していた薬学博士の学位を持つ研究者。約20年前に、JJで超音波機器の開発にかかわっていたのだと語ってくれました。

ウルセラは、クリニックFでの時期購入予定の筆頭候補の1つなのですが、来月サンディエゴで開催予定のハーバードコントロバーシーズの発表を聞いてからにしようと思っています。


2010年上半期のレーザー関連ニュース総括2

2010年の上半期に、確実に進歩している分野として上げられる分野は、以下の3つの分野です。

一つ目は、リサーフェシング治療における分野。

肌の毛穴縮小や肌の老化によるキメの変化に対する「肌の入れ替え治療」です。

二つ目は、「ニキビ痕、アクネスカーの治療」における分野。

フラクショナルRF機器といった新しいカテゴリーの機器がデビューしました。

三つ目は、「肌のタイトニング、リフティングに対する治療」の分野です。

以下に、細かく述べてゆきますね。

まず、第一のリサーフェシング治療ですが、

世界的なレーザー機器の市場において、現在もっとも話題を提供している機器は、やはり「フラクセル3DUAL」だと思います。

肌を「入れ替え」「リサーフェシング」する施術は、もう10年以上も研究され続けていますが、1550nmと1927nmという二つの波長の組み合わせのフラクショナルレーザー治療機器は、アジアンスキンに対しては最終形ともいえるぐらい完成度の高い機種です。

しかしながら、この二つの波長をどこに、どのパワーで使用するのかといった、使用方法が非常に難しい。僕も常日頃からブログでも話をしていますが、同じ機器を持っているからといって、同じ治療ができるわけではないということを実感できる機種だとおもいます。

第二に、ニキビ痕、アクネスカー治療ですが、以前にもニキビ痕分類のブログでもふれましたよね。

浅いニキビ跡の場合、

クリニックFではこれまでも、フラクセルⅡ、アファームMPX、eCO2(エコツー)、マトリックスIR、パールなどをニキビ跡治療器として使用してきましたが、CO2(二酸化炭素)の波長を治療に使用してしまうと、アジア人にはどうしても強く反応が出てしまいます。

通常の深さのニキビ痕であれば、現状では「フラクセル3DUAL」が最も有効だと思います。

ボックスカー型の深いニキビ跡の場合、

レーザー機器を使用するよりはRFのようにより深い部位に効果があるものを選択する方がよいですね。

海外ですと、フラクショナルRF機器とはシネロン社のe2(旧e-matrix)を指すのですが、

現在日本の市場で手に入るフラクショナルRF機器は、イスラエル・シネロン社のe2(旧e-matrix) と 韓国・ジェイシス社のイントラセルです。

イントラセル(INTRAcel)は実際に剣山のような針を肌に刺してRFを照射し

e2は金でコーティングされた電極からRFを照射するという違いがあります。

イントラセルは、先週招待講演に呼んでいただいた日本美容外科学会で5つの演題が出ていて驚きました。

実はクリニックFでもイントラセルを使用させていただく機会があったのですが、剣山を刺してRFを流すという痛みを伴う治療に、ちょっと抵抗があったため、見送ってしまいました。ですが、外科出身の先生方には受け入れられやすいのかもしれません。

三つ目の論点についてはまた次のブログで触れますね。


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