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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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レーザー&光学機器学会の発表演題

2011年5月に米国ボルチモアで開催されるCLEO(Conference on Lasers and Electro-Optics)という学会があります。

この学会は、レーザーおよび光学機器を使用する工学系の学会です。

今年の10月より通っている工学部大学院のレーザー研究室で、まずこの学会に演題を提出してみることになりました。

演題名は

“Cavity enhanced spectroscopy with dual-color, passively locked power build-up external cavity diode  enhanced spectroscopy with dual-color, passively locked power build-up external cavity diode laser”

演題が通過するかはわかりませんが、工学博士号取得への第一歩です。

最近工学の勉強を始めてよくわかったことがあります。

医学の世界におけるレーザー治療の常識は、工学の最先端のレーザーの研究に比べて、おそらく数段階遅れているのです。

ディスカッションしているうちに、

「こんな工学のレーザー技術を医学に応用できれば・・・!」

と思うことがしばしば。

医学領域における皮膚レーザー治療機器は、高額なものでも2,000万円位なのですが、最先端の工学レーザー機器はその数倍から数十倍の価格です。

高性能なのも当たり前ですよね。

クリニックに置いてある、小さな机ほどのレーザー機器も、最新の技術を利用すれば、手に載るようなサイズになるのだそうです。

本当に勉強することばかりです。


シネロン社の戦略会議

シネロン/キャンデラ社の社長 Louis P Scafuriが現在来日中ということで、昨日は銀座で行われた会議兼ウェルカムパーティーに招待していただきました。

Louisとは昨年8月のタイ開催のIMCAS ASIAでお会いして以来。

今回はちょっと間が空いてしまったかんじがありますが、それまでは世界各国の学会で度々顔を合わせていました。

昨日も、

そういえば、ベルリンでも会ったよね。パリでもニースでも会ったね。

みたいな話になりました。

この会議は、シネロン社のディストリビューター、国内のキードクターを対象に開催されました。来年以降にリリースが予定されているシネロン社新製品情報を含む、非常に興味深いものでした。

シネロン社は設立10年。

「オーロラ」、「ポラリス」、「リファーム」、「ギャラクシー」、「トリニティ」・・・など、独自のバイポーラーRF(elos)システムを主軸に機器開発をしてきました。

この独自路線がシネロン社を米国一のレーザー会社にしたのですが、昨年社歴40年の老舗であるキャンデラ社を買収しましたので、現在は米国にある約30%のレーザー機器がシネロン・キャンデラ社の製品ということになります。

シネロン社が今年デビューさせた「eMatrix(e2)」は、クリニックFでも特に深いニキビ跡に対する治療で活躍していますが、シネロン社でも“Leading the Paradigm Shift”として紹介されていました。

来年はシネロン社は少なくとも3つの製品を市場に投入するそうです。すべてを明らかにすることはできないとのことでしたが、一つ面白そうな機器はこのePrime 。

たるみやボリューム、肌の色彩などを治療するRF機器だそうです。

現在は世界で5台の機器がデモ機として販売されていて、アジアには香港のヘンリーチャン医師が持つ一台だけだそう。

シネロン社の新機種となると、うちでも導入を考えたいなあ。

今度ヘンリーに会ったら情報を聞いてみたいと思います。


僕が著書で伝えたかったこと

 

「痛みと音楽を結びつけて考えようと、なぜ思ったんですか?」

と、先日とある集まりで聞かれました。

一言で言えば、「音楽を使って痛みをコントロールできること」「音楽を使って体のコンディショニングをすること」を医師の視点から伝えられたらいいな、と思っていました。

それから

「なぜ専門書ではなく、こういった軽いタッチのものを出されたのですか?」

とも良く聞かれます。

それは、日々の痛みに悩まれている、普通の方に手に取ってほしかったからです。あまり難しいことが書いてある本だと、読んでるだけで頭まで痛くなってしまいますよね(笑)。誰でも気軽に手に取ることが出来て、読んでも疲れない、そんな本を作りたかったのです。

実際、難しい言葉で文をつなげていくよりも、誰にとってもわかる言葉で文を作る方が、僕にとっては難しく、それでかなり時間もかかってしまいました。

それでも伝えたかったメッセージとは

医師として、「痛みとは体が発するSOSであり、それを軽視してはいけない」と思っていますが、その一方で、「軽視しない=すぐ鎮痛消炎薬を服用、時に必要以上に服用しすぎること」と考えている方が実に多く、その現状に警鐘を鳴らしたかったのです。

実際、病気のことを熟知しているはずの医師でも、ロキソニンのような鎮痛薬を白衣のポケットに入れて、勤務時間が長引くことやストレスによる頭痛を和らげるため、ラムネのようにそれを飲み下している人がいたりします。それだけ体のどこかが痛むことは、人間にとって大きなストレスであり、どんな手段を講じても一刻も早くその痛みを取り去ってしまいたい、そんなふうに思う気持ちもわかりますよね。

病名のつく痛みならば、改善の余地もありますが、こうした痛みの中には病名のつかない「不定愁訴」の範囲のものも多数あります。

それは一言で言えば、自律神経が「失調」までいかなくともバランスを崩してしまっている状態であり、また体に本来備わっている様々なポジティブなホルモンが分泌を妨げられている状態でもあります。

体には本来、体全体のバランスを取り、律する機能が備わっているはずなのですが、その機能がうまく作動していないことにより、痛みがなかなか収まらないのです。けれど、そこを考えず、対症療法的に鎮痛薬を大量に服用したところで、痛みはその場は収まっても改善されません。

むしろ、次に痛みが起きるとき、以前よりも強い痛み、以前よりも頻度高く現れる痛み、となってしまう場合すらあります。

それはきっとつらいことでしょう。

人間は、生きていれば必ずなんらかの痛みを抱えながら生きていく生き物です。それを踏まえた上で、痛みと上手に付き合っていく体、そして自律神経が正常に作動し、ホルモンの分泌もスムーズな体を、自分の意志で調整していくこと。

いつもの鎮痛薬にすぐ手を伸ばす前に、

「なぜ、こんなにも痛む体になってしまったのか? 自分のどこのバランスが崩れているのか?」

そういったことを立ち止まり、考えてもらうきっかけになれば・・・。そんなふうに思いました。

「痛み」には、一言でとてもまとめきれないくらい、様々な痛みがあると思うのですが、ひとつ言えるのは、それは体のどの部位・・・頭、首、肩、胸、背中、腹部、腕、足・・・どこであっても、またそれが、どんな由来で起きたものでも、さらには体ではなく心が痛むときでも

「痛い」

と人が感じるとき、それは脳の同じ部分に信号が送られている、ということ。

そして、体の痛みであっても、心の痛みであっても、やはり脳の同じ部分がその痛みを感知しているのです。

どんな痛みでもとれてしまう万能の薬があればいいのですが、実際なかなかそんな夢のような薬はありません。

 

この本はこんな感じで始まります。

本文より抜粋

素朴なギモン1

なぜ、クラシック音楽が痛みに効くの?

聴覚の刺激は時に痛みの刺激を超え、痛みをマスクする!

聴覚の刺激は、脳神経の一つである聴神経を介して大脳辺縁系といわれる脳の古い部分に大きな影響を与えます。日常の中で触れる音には様々なものがあ
りますが、脳に心地よい音をリズムやハーモニーにしてつなぎ合わせ、旋律(メロディ)となったひとつの音楽として「音を楽しむ」と、脳内の複雑な神経ネッ
トワークにある刺激が与えられます。

この刺激が、時に痛みの刺激を上回って、結果痛みの刺激をマスクしてしまう=痛みを感じにくくさせてしまうのです。

素朴なギモン2

音楽で治療もできるの?

医療の世界では、すでにたくさんの論文が発表され、成果を上げています!
音楽を聴いたり演奏したりすることによる生理的・心理的作用を、病気回復や健康向上のために役立てる治療法があります。それが「音楽療法」です。
音楽療法は、心身の障害や機能を回復させるため、すでにリハビリテーションや精神医療などで活用され、多くの成果を挙げています。

素朴なギモン3

この本で何ができるの?

痛み別・おすすめ曲紹介&CDつきで、すぐ実践できます!
「この痛みには、どういう傾向の曲を聴いたらいいか」を、科学的に分析して、わかりやすく解説。また、音楽に合わせて行なうといい運動なども紹介していま
す。さらに、CDつきで「痛みがとれる」を、すぐに実践へと移すことができます。

以上抜粋

70分の付属CDは、ヤマハミュージックメディアさんの持つ音源から選びましたが、かなりのクラシック好きの友人もいい演奏が多いとほめてくれました。

クラシック音楽好きの方にむしろ聴いて頂きたいと思いますよ。

 


お気に入りの地球儀

地球儀を集めるのが僕の趣味の1つなのですが、今月買った面白い地球儀を、クリニックFの受付に置いています。

この地球儀、このように自転するのです。

凄くないですか?

 


米国美容医療専門誌のアドバイサリーボードに就任しました

アメリカの美容医療を専門とする医師の専門雑誌で、最も有名な「エステティック バイヤーズ ガイド(AESTHETIC BUYERS GUIDE)」という業界誌があります。

以前もこの雑誌にクリニックFが掲載されたブログをご紹介しましたよね。

この雑誌のアジアパシフィック版を来年春に発行することになったので、アドバイサリーボード(雑誌の製作顧問委員)に就任してもらいたいという依頼を編集部から受けました。

今回は、日本、韓国、中国、台湾、シンガポール、タイ、インド、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドの各国から医師が選任されたのだそうです。

今後出てくる新しい機器や、治療法(プロトコール)について、雑誌の中でも提案や評価をしてもらいたいとの依頼でした。

僕は、今までも幾つかの海外美容学会のアドバイサリーボードを引き受けたことがありますが、米国資本の雑誌は初めてです。

この「AESTHETIC BUYERS GUIDE」は、世界の美容医療機器を購入する医師たちのほとんどが参考にする雑誌。

しかも、今までよりももっと早く、世界で開発される最先端の医療機器情報が耳に入ってくることになります。

名誉なことですよね。

刊行が楽しみです。


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