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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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テディ・パパヴラミとカプリース

2011年パリ二日目の夜。

同じくサル・プレイエルに、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴きに行きました。

曲目は

■ベートーベン 序曲「コリオラン」

■アルバン・ベルグ ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」

■ブラームス 交響曲第四番

こちらも魅力的な演奏会でしたね。

アルバン・ベルグはオーストリア、ウィーン生まれの作曲家で、ヴァイオリンの演奏も絶技巧を要するもの。

ソロのヴァイオリニストは、アルバニア人のテディ・パパヴラミでした。

僕は彼の演奏を初めて聴いたのですが、かなりの腕前。

前日と同じように喝采を受けて、2曲もアンコールをしていました。

ヴァイオリンの技巧があまりに印象に残ったので、幕間にホールのCD屋さんに行ってきましたよ。

スタッフに、

「今日のヴァイオリニストの演奏で、お勧めのCDありませんか?」

と聞いたのですが、彼も

「自分も良く知らない演奏家だ」

とのこと。

数枚CDを出しているようで、並んでいるCDを見ていたのですが、中でもこのパガニーニの超難曲「24のカプリース」の録音が何枚もあるのです。

僕はこのCDを記念に購入してきました。

ニコロ・パガニーニは、自身が超絶技巧のヴァイオリンの演奏家で、パガニーニ自身は、自分の技術が他人に知られるのを防ぐために、生前は自作を出版することを拒んでいたといいます。

でもこの「24のカプリース(奇想曲)」については、以前のブログにも書きましたが、超絶技巧の無伴奏のヴァイオリン独奏曲として、ヴァイオリニストにとっても金字塔の1つですよね。

この作品を何度も録音するというのは、絶技巧演奏が得意なヴァイオリニストなのでしょう。

今後も注目してゆきたいと思います。

最後の演目のブラームスの交響曲第四番も良かったです。

最後は盛大な拍手のもと、二日通った会場を後にしましたよ。


IMCAS2011展示会場

2011年のIMCAS展示場を歩いていると、知り合いがあちらこちらに。

米サイトン社、ワールドマーケティング部門の副社長Robert Ruckです。

昨年の来日時にも、ロバート・ラックはクリニックFを訪問してくれました。

サイノシュア社のブースには

シニアバイスプレジデントのWilliam T. Kelleyがいました。

その他キュテラ社とルートロニック社・・・などなど、知り合いと挨拶を交わしながら回っていきます。

今年はフラクセルとサーマクールを販売するソルタ・メディカル社のブースがありませんでした。

これはちょっと気になりましたね。

ソルタほどの会社が学会会場にブースを出さないことは珍しいのですが、何か理由があるのでしょうか?


パリ8区

パリの街を歩いた時のスナップをすこしご紹介します。

グラン・パレ。

ショパンも住んでいた、ヴァンドーム広場。

フォーブル・サントノレ。

マドレーヌ寺院。

ラ・デュレ。

マカロン。

お店の中はすごい混雑で、お客さんが並んでいました。

 


2011年IMCAS DEKA社の新製品

もうひとつ気になった新技術の機種もRFを使用している機種です。

DEKA社「SMARTXIDE2」。

こちらはCO2フラクショナルレーザーと、RFの複合機でした。

CO2レーザーの先端にこのようなRFの接触部位があるのです。

この機器で感心したのは、理論的には「2,000,000通り以上」という、無限に近いほどの細かいレーザー設定ができるということ。

パワー(アブレーションと関係します)とパルス幅(熱効果と関連します)の細かい設定がチューナブル(調節可能)なのです。

さらに、同じ部位への複数照射(スタッキング)によって、組織への熱効果を減らしながら、深い部位への浸達を可能にしたこと。

現状、このフラクショナルCO2機器で最高機能を持った機器は、日本未発売のソルタメディカル社「フラクセル:リペア」なのですが何せ大きな機械で、クリニックFに置くにはスペース的にちょっと厳しいかな・・・というのが正直な感想です。

このDEKA社の機種はコンパクトに製作されていますし、現状のフラクショナルCO2の進化系なので、フラクセル:リペアに近い効果が出せそうで、魅力的ですよね。

フラクショナルCO2機種は、技術的にはハードルが低いので、それこそピンからキリまで機種によって、もしくは個体によって性能のばらつきがあります。

特に、

■パワーの設定が低くて、浸達度が低い。

■フラクショナル照射径にばらつきがあり、均一に治療ができない。

・・・といった、トラブルに直結しやすい設計上の問題点もあるのです。

現状の技術では、フラクショナルCO2レーザーのアジア人に対しての適応は、リストカットや深いニキビ跡などの傷痕治療に限られるでしょうね。

アジア人に対しての、毛穴縮小や、浅いニキビ跡などの肌質を改善する能力は、ほぼ同じ効果を期待できて、ダウンタイムが圧倒的に少ない「フラクセル3DUAL」が依然ファーストチョイスなのではないか、というのが現在の僕の見解です。

 


2011年IMCAS シネロン社の新製品

さて、今年のIMCAS学会会場では、気になる治療機器を二つ見つけました。

一つは、これ。

シネロン/キャンデラ社のePrimeです。人だかりがありました。

昨年末に、シネロン/キャンデラ社の社長のルイスが来日した際に、正式に発表があった機器ですが、かなり前から噂は聴いていたんですよね。

僕もようやく実物を目にすることができました。

もちろん、本邦初公開です。

この機器は、ちょうどジェイシス社のイントラセルのようにRFの入るハリを使用して、組織をリフトアップするという、Ablative Fractinal RF機器の1種。

反対にNon-Ablative Fractinal RF機器は、現在クリニックFでも使用しているe2(e-matrix)というわけです。

イントラセルもePrimeも、肌に針を刺し、そこから電流を流すことで肌のタイトニングを行うというもの。イントラセルは、ニキビ跡の治療など、肌質の改善により効果を発揮します。

イントラセルが垂直に針が刺さるのに対して、ePrimeは 針の刺さる方向です。

ePrimeの方が、皮下に斜めに貫通し、電流を入れる形式ですので、リフトアップ効果が高いのでしょうか?

いろいろと質問をしたのですが、ぱっと判断した感じでは、

「イントラセル」は「フラクセル」 の対抗器

「ePrime」は「サーマクール」 の対抗器

として位置づけられそうですね。

肌に対して針を刺し、さらにその先端からRFを流すという特許は、ジェイシス社もシネロン/キャンデラ社も申請しているはずですので、特許は両社の持ち合いになりそうだとジェイシス社のスタッフの方が言っていました。

いずれにせよ、この商品。日本のデビューが待たれますね。


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