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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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シンディ・ローパー ジャパンツアー 2011ファイナル 大阪公演

昨日クリニックFのスタッフが

「シンディ・ローパーのジャパンツアーの大阪ファイナル公演が、ニコ動で中継されるそうです!」

・・・と興奮した顔で話しかけてきました。

時間は昨晩19時から、とのこと。ニコ動を登録して

クリニック業務が終わったら

・・・と、スタッフ皆でiphoneを観て楽しみました。

惜しむらくは、観るのに夢中で、ブログ用に写真を残さなかったこと(苦笑)。

シンディ・ローパーと言えば、全米ポップスが全盛だった80年代、僕が中学高校の時に聴き込んだアーティストのひとりです。

奇抜なファッションにパワフルで特徴ある声。最初は取っ付きにくかったのですが、聴けば聴くほど惹き込まれていきました。

シンディは、

「あるとき自分が7色に変化した音色を出すことが出来ることに気付いた。」

と話していたのを、LPレコードジャケットについていた解説書で読みましたが、とにかく歌唱の技術が並外れて巧みなのです。

クインシー・ジョーンズが音楽監督をやった USA for Africaの「We Are The World」にも、彼女にしか歌えない超高音域のアドリブが入っていますよね。

僕の青春時代に記憶に残る、素晴らしい名曲を残してくれました。

「She’s So Unusual」

「TRUE COLORS」 

「A NIGHT TO REMEMBER」

・・・などなど、当時出た全てのアルバムを買ったのを覚えています。

中でも名曲中の名曲「Time after time」は本当に好きな曲で、 自分で歌えるように練習したなあ。

この歌はマイルス・デイヴィスもカバーしましたよね。

シンディは、まさに3月11日、震災の日の夜に東京にツアーで来ました。

震災の様子を見て、ジャパンツアーを撤退し早々に帰国した他の外国アーティストとは異なり、原発の危機に国に帰りたがるスタッフを説得し、一番大変だったこの震災後の10日間、日本を元気づけるためにツアーを続けてくれました。

そして

「こんな時期に日本にいられるなんて、名誉なことでした。」

なんていう、日本人が聞いたら涙が出てしまうような名言をコンサートで話したと伝え聞きました。

その上、さらに最後のツアーを無料映像公開に踏み切ってくれるとは...。

「TRUE COLORS」あたりで、僕は不覚にも目頭が熱くなってしまいました。

僕たちも復興のために、自分たちに出来ることを、日々こつこつとやっていかなければなりませんね。


第六回トータルアンチエイジングセミナーin九州

三連休は、博多に行ってきました。

トータルアンチエイジングセミナーin九州の招待講演に呼んでいただいたのです。

関東の独特な緊迫感の中でここ数日過ごしている僕としては、なかなか複雑な気持ちで向かった九州でしたが・・・博多は活気がありました。

元気をもらって帰ってくることができましたよ。

セミナー前日夜に講師の先生方と会食がありました。

塩谷先生、大慈弥先生、中野先生、宮田先生、吉家先生などレーザー・アンチエイジング治療界を代表される講師の先生方とお話しさせていただきました。

いつもはこういった際にはレーザー談義に花が咲くのですが、今回の東日本大震災の話がどうしても話題に上がってしまいましたね。

特に防衛医大ご出身で、自衛隊にもいらっしゃった御経験のある、みやた形成外科・皮フクリニックの宮田先生のサバイバル話は、時期が時期だけに皆聞き入ってしまいました。

今回の会場は、エルガーラホールの大会場。

主催者の方がたは、この時期にこの学会を開催するかどうかを相当に悩まれたらしいのですが、逆に九州から元気を届けようとの意図で、開くことを決心されたと話がありました。

博多駅からちょっと離れた場所でしたが、九州中から100名以上のレーザー医療の興味のある先生方が集まってくださり、熱気のあるものになりました。

福岡大学の大慈弥教授の座長のもと、僕が話をさせていただいたのは、「患者満足度の高いトリニティ治療について」

という演題でした。

シネロン社の emax という機器の、現在、クリニックFでも最も評判がよく、人気が高い 「トリニティ」

という施術についての講演。

トリニティは、若々しさを保つために必要な三つの波長の光・レーザーを独立して打ち込む施術法なのです。

定期的なトリニティ治療による「肌のメンテナンス」が、いかに若々しさを保つためにメリットがあるかという話をさせていただいたつもりです。

こうした招待講演のたびに、自分の発表原稿の作りこみを行いますが、自分の知識の整理のために大変良い時間になります。

こういった機会を与えていただき、とても感謝しています。

 


放射線障害発生のメカニズムと活性酸素

昨日のブログでお話した、放射線障害発生のメカニズムについて、もう少し細かく教えてほしいという御要望を頂きましたので、今日はそこについてお話します。

放射線障害には、このブログでもおなじみの活性酸素が深く関わっています。

生体が60兆個の細胞によって構成されていると、昨日のブログでも述べましたが、細胞を構成している要素を大きく分けると、60~70%の水分と、30%のタンパク質によって構成されているということになります。

放射線の細胞への作用は、この人間の体の60~70%を構成する水分の部分に影響を及ぼします。それは電離作用が影響するのです。

ちなみに、電離作用とは、物質を構成している原子から電子を弾き飛ばす作用のことを指します。

電離作用によって生体の細胞の電子軌道から電子がはじかれる、ということがまず起きます。

ここで、電子がはじかれると

①はじかれた電子が直接DNAを損傷するという直接作用

②はじかれた電子が水や酸素分子にあたって生成された化学反応の高い活性酸素が、DNAを損傷するという間接作用

が起こってしまいます。

この電離作用が大きいと、①酵素機能の低下、②細胞分裂の遅れ、③遺伝子損傷・・・などの影響があらわれるのです。

細胞死に至らない程度の損傷を遺伝子が受けた場合、ほとんどが短期間に修復されます。しかしながら、ごく稀に癌になりやすくする遺伝子を作ってしまったり、逆に癌を抑制している遺伝子を破壊してしまうことが、癌細胞の誘発につながります。


被曝とは?

クリニックにいらしゃる患者さんから、被曝について聞かれています。

何人もの方から同じ御質問を受けるので、ブログでもお話しておこうと思いました。

放射線に、人体がさらされることを「被曝(被“爆”ではない)」と言います。

被曝には大きく分けるとふたつあり、外部被曝と内部被曝とに分けられます。

「外部被曝」は、体の表面から放射線を浴びることによっておこり、

「内部被曝」は、放射性物質を人体内部に取り込んだ場合におこります。

人体に対して長期的に害をもたらすものは、短期的な照射による「外部被曝」よりも、長期的な放射性物質の体内蓄積による「内部被曝」に多いので、現在のような状態の場合、私たちができることは、まず内部被曝を防ぐこととなります。

では、どういった際に内部被曝になるのでしょうか?

空気上に舞った放射性物質を肺から吸い込んでしまう場合、さらに傷口から血管に入る場合などがありますが、一番多いのは放射性物質を口から取り込んでしまうことです。

手を汚染した場合は、その後の飲食やメイク、ちょっと口元に手を当てるような仕草をするような際に、口に入りやすくなりますので、現在私たちが行うべきことは、帰宅後の手洗いと、マスクの着用ということになります。

さらに、実際に放射性物質を浴びた際には、帰宅後すぐにシャワーで洗い流すこと。着ていた服にも放射性物質が付いている可能性があるので、袋に入れて隔離することが大切です。

放射線による被曝によって、人体にはどのような影響が及ぶのでしょうか?

これには大きく分けて二つの影響があります。確定的影響と、確率的影響と呼ばれているものです。

確定的影響は、大量な放射線を短期間に浴びた場合に起こることで、ある一定の値(しきい値)以上の放射線を浴びると起こります。

人体が恒常性を保っているのはDNAのおかげです。

体の中には60兆個もの細胞があり、恒常性を保つために、常に細胞分裂を繰り返しています。

この2本鎖のDNAは非常に巧妙な再生システムを持っており、細胞分裂中に何らかの影響で一方のDNAが破壊されても、わずか数時間のうちに再生してくれるのです。

しかしながら、ある一定量以上の放射線を浴びてしまうと、体の中の細胞の、細胞分裂中のDNAの再生能力が間に合わなくなるために、DNAに傷がつき細胞分裂ができなくなり、細胞がアポトーシス(自死)してしまうのです。

つまり、細胞の中でも分裂をする回数の多いものほど、この影響を受けやすいということで、骨髄の造血細胞、小腸の粘膜細胞、皮膚上皮細胞などが害を受けやすくなります。

同時に子供も細胞分裂が速いので、放射線の影響を受けやすいと言っていいと思います。

もうひとつ、放射線には確率的影響というものがあります。

仮に放射線によってDNAが傷がついても遺伝子のDNAコード中でまったく仕事をしていない部分が非常に多いのですが、確率的影響は、重要なDNAが傷つき、かつ分裂能力を残した細胞が生体に残された場合に起こります。

こういった細胞は長い年月をかけて、癌や白血病といった病気に変化することが多く、疫学的にも放射線とは因果関係がつけにくいのですが、これ以下なら安全という「しきい値」がなく、被曝線量が少量であっても、少量のリスクがあるといわれています。

特に生殖細胞が変異を起こした場合、遺伝的に影響を及ぼすことがあります。

男性の精子の遺伝子は、常に新しいものが作られていますが、女性の卵子の遺伝子は、生まれたときより数が決まっていて、それが順番に排卵されていますので、これから子供を産む女性のほうが、より注意が必要です。

ですが、実際には、日常生活の中でも私達はごくごく微量ながら被曝しています。

自然界で被曝する線量や、健診などによって被曝する線量もあります。

飛行機に乗っても宇宙線によって被曝します。

そもそも人類を含めた生物の遺伝子的な進化とは、自然被曝によりその生物のDNAが変性し、その中で生態系の変化により適したものが残されてきた結果であるともいえます。

現状政府や関係筋により発表されているレベルの放射線線量が、本当に実測値であり信頼できるものであれば、避難区域からある一定距離以上離れていれば、恐れるほどの問題はない、というのが今現在の僕の見解です。


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