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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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サイノシュア社 アジアパシフィック統括社長 Mr.Barry Rigby

ボストンの老舗レーザー会社サイノシュア社のアジアパシフィック統括社長のBarry Rigbyが、クリニックFにやってきました。

0615アメリカ サイノシュア社 アジアパシフィック統括社長 Mr.Barry Rigbyと

彼とは世界各国の学会で顔を合わせていますが、前にクリニックFに来たのはちょうど2009年5月なので東京でお逢いするのは2年ぶりということになります。

アファーム、エリート、アコレードなどで知られるサイノシュア社は、現在「レーザースタイリング」として名前が知られているスマートリポMPXなどの痩身系に力を入れているようです。


マクスウェルの方程式とアインシュタイン

おはようございます。6月14日もクリニックFの診療日です。

木曜日に工学部レーザー研究室で大きな実験をするのですが、朝からその準備をしています。

昨年10月より工学部大学院博士課程に入学して、20年ぶりですっかり忘れていた物理の数式や微積分をさらいなおしました。

光やレーザーを含めた電磁場の性質を理解するためには、これらを簡潔な式であらわしたマクスウェルの方程式を理解しなければならないのですが、この方程式の本当の意味での素晴らしさが徐々にわかるようになってきました。

この数式が意味することは、恐ろしいほど画期的なことなのです。

マクスウェルの方程式は上の四つの式によって構成されます。

Bは磁束密度

Eは電場の強度

D は電束密度

H は磁場の強度

を示します。

①一番の上の式は、

divB=0

とも表します。

「磁場には源がない」

ということを表しています。

②二番目の式は、

「磁場の時間変化(時間tによる偏微分)があるところには電場が生じる」

という電磁誘導の式を表します。

③三番目の式は、

divD=ρ

とも表します。

「電場の源は電荷である」

ということを表します。

最後の式は、

「電場の時間変化(変位電流という)と電流で、磁場が生じている」

ということを表しています。

このマクスウェルの方程式において、真空の誘電率・透磁率から導かれる定数 c が光速度とほとんど一致することから、マクスウェルは

「光は電磁波ではないか」

という予測をし、これが後年実験的にも実証され、光が電磁波であることがわかりました。

さらにこの当時、このマクスウェルの方程式は、光の速さが定数で表わされるとした点が、

「光速度がすべての観測者に対して不変である」

という意味を持ち、それまでの物理学の世界の常識だったニュートン力学の運動法則と全く矛盾した結果を示したため、多くの物理学者の理解を得ることができませんでした。

しかし、1905年にアインシュタインが特殊相対性理論を提出したことによって、マクスウェルの方程式の方が実際には正確で、ニュートン力学の方を修正すべきだったことが明確になりました。

物理学のパラダイムシフトが起こったのです。

事実、アインシュタインが、特殊相対性理論の根本はマクスウェルの方程式にあると述べています。

アインシュタインは、質量、長さ、同時性といった概念は、観測者のいる慣性系によって異なる相対的なものであり、唯一不変なものは光速度cのみであるとしたのです。

さらにアインシュタインは相対性理論と同じ1905年に発表された光量子仮説によって光電効果の理論的な説明付けを行うなど、初期量子論の確立に多大な貢献をしました。

「波長の短い電子の波を金属に当てると、エネルギーが強いために電子が飛び出すが、波長の長い波を照射してもエネルギーが弱いので電子が飛び出さない。」

というもの。

この光電効果はレーザー光という単指向性の光を作り出せる予言となるもので、アインシュタインは有名な「相対性理論」ではなく、この「光量子仮説の理論」でノーベル賞を受賞することになります。

アインシュタインがスイスのベルンの特許局の一職員であった、この1905年に

「相対性理論」

「光量子仮説の理論」

「ブラウン運動の理論」

という三つの論文を提出したので、科学史上、この年は奇跡の年と言われているそうですが、この1905年は日露戦争の日本海海戦で、日本連合軍がバルチック艦隊を撃破して日本の歴史を大きく変えた年でもあります。

考えてみると、われわれは大学に入学するときに、理系の学生でさえ、物理はニュートンの時代の約300年前。化学は約200年前。

生物は20世紀中ごろに発見されたDNAの説明が必要なので比較的新しいとはいえ、それでも約60年前の知識を学んでいるだけなのです。

このマクスウェルの方程式は、偏微分の知識が必要なので、数Ⅲをやった人でなければ理解でないはずで、大学教養のレベルの学問になりますが、光の特性を、こんなシンプルな数式で表現してしまう人間の叡智は素晴らしいですね。

 


レーザーの実験

おはようございます。今日は蒸し暑いですね。

今日6月13日はクリニックFの診療日ですが、朝から生の豚肉とマグロの刺身相手に新しいレーザーの照射実験をやっています(笑)。

レーザーの照射実験には、茄子などを使うこともありますが、肉の場合には薄切りの豚肉を使うことが多いんですよね。牛肉だと脂が多すぎるし、鶏肉だと薄切りを見つけるのはなかなか難しいというのが理由でしょうか。

1秒に40枚ぐらい撮れるハイスピードカメラを使うと、レーザーが照射されている部分がこんな感じに見えるのです。

設定を変えてマグロ(中トロ)に照射してみました。豚よりも均一ですし、赤身が多いので、照射のパターンを変えるとわかりやすく違いが出てくるのでいいですね。

実はマドンナリフトに利用するDEKA社のスマートサイドドット2の特定の設定を実験していたのです。

この機種は最新型のCO2フラクショナルレーザーとRFの複合機器。

この2つの複合機というコンセプトを持つ機器は世界で唯一です。

今週末よりイタリアのフィレンツェにあるヨーロッパ随一のレーザー機器メーカーであるDEKA社の本社に行き、開発医師たちとのディスカッションに行く予定なのですが、そこでのディスカッションに必要なデータを取得していました。

何がわかったかは次回の講演の時にお話ししますね。

時間は貴重ですから隙間時間を使わないといけませんよね。

 


2011年ASLMS米国レーザー医学会専門医資格の更新承認

米国レーザー医学会(ASLMS)の学会会長 J.Stuart Nelson,M.D.,Ph.D から、このような手紙が届きました。

I am pleased to inform you that you have accumulated the requisite points to maintain Fellow status in the American Society for Laser Medicine and Surgery, Inc.

米国レーザー医学会におけるFellowのステータスを、本年度も承認されたことをお知らせします。

As a Fellow in ASLMS, you are an important part of the world’s preeminent resource for laser research, education, technology and clinical knowledge.I’m sure you will want to remain active in this organization as we pursue our mission to promote excellence in patient care by advancing applications of lasers and related technologies worldwide. I offer my sincere congratulations on your Fellow status in ASLMS.

米国レーザー学会のFellowとして、レーザー分野の研究、教育、工学技術と治療な知識を世界に広める重要な役割をあなたは担っているのです。

米国の医学会のFellow(専門医)ステータスは、日本人医師には維持するのが難しいと言われていますが、僕は2006年に取得してからがんばって毎年更新を続けています。

これでこの証書は6枚目。一つの区切りのようなものですが、ステータスに負けないよう、これからもレーザー医学会の進歩のために、臨床と研究を重ね、学会に演題を提出してゆこうと思っています。

 


青山 根津美術館、伊万里 柿右衛門 鍋島

おはようございます。蒸し暑くなりそうですね。

今日は朝から一本打ち合わせの後、11時から四谷で診療です。今日もよろしくお願いします。

昨日は休診日を頂きましたが、終日打ち合わせが続きました。

それぞれの方に四谷までお越し頂き、患者さんのいない静かなクリニックで行う事もできたのですが、それだと僕の方はいつもと変わらぬ環境に新しい発想もなかなか湧いてきません(笑)。

そこで自分が動いて各社さんを回る事に。

その内のひとつを、青山は根津美術館に併設されたカフェにて、ランチを兼ねたミーティングでお願いしました。

表参道の交差点から歩いて西麻布方面に向かうと、根津美術館があります。

ちょっとした森のような庭園に広がる緑の木々と、ところどころに置かれた美術品の数々。

梢の間から差す陽の光も美しい、都内ではとても好きな場所のひとつです。

こうした場所ですと、前後の時間を使って散策も楽しめますからね。

わずか10分でもこの時間があると、気持ちの余裕が生まれます。

カフェからも、グリーンビューが広がります。

この日の展示は、「肥前磁器の華」と題された白磁や青磁器の展示。

併設されて僕の好きな古代中国の展示物もあり、根津美術館の観覧券にも模されている背中合わせに2匹の羊を合体させ、口の開いた器を背に載せているような姿の尊(盛酒器)である、双羊尊なども観る事ができます。

久しぶりの根津美術館でしたが、ここはやはりいいですね。

ハンバーグを食べて、仕事もおかげさまで良い話ができました。

 


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