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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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2011年7月ロシア出張・フラーレン国際学会⑥ モスクワよりサンクトペテルブルグへ

さて、再びロシア出張記です。

明けた朝。

再びエアポート特急に乗って、モスクワ空港に向かいます。

ビジネスアワーなので人がいっぱいですね。

空港でサンクトペテルブルグ行きの飛行機に乗り込みます。

モスクワ・サンクト間は現在特急電車も通っていて約4時間なのだそうですが、飛行時間は1時間10分程度。

あっという間にサンクトペテルブルグにつきました。

見覚えがある空港が出迎えてくれます。

ここからは学会の手配してくれたタクシーに乗ります。

今回も2年前の前回も、ロシアの出張をした際には、ロシアビザの発行にロシアのフラーレン学会の招待状が必要でした。

学会に発表すると決まった際に、必要な情報を送り、このようなインビテーションを発行してもらい、これでロシアのビザを取るのです。

ロシアで航空機ディレイのためにビザの期限が数時間切れただけなのに、そのまま収監されてしまった人の話などを聞きましたので、海外でも、このビザの話だけは慎重になりますよ(苦笑)。

車で街まで移動しますが、共産党時代に建てられたであろう巨大な建物を観ながら移動します。

30分ぐらいでホテルに着きました。

この部屋で4日間を過ごすことになります。


ソルタメディカル社のスタッフ来院

今日の診療がやっと終わりました。これから準備をして空港に向かいます。

その前に、ちょっとクリニックの話も書いておきましょう。

昨日、診療も終わりかけたころ、サーマクールCPTやフラクセル3DUALを製造/販売するソルタメディカル社から、セールスマネージャー Benedict LimがクリニックFを訪問してくれました。

彼は、フィリピンの出身。昨年にシンガポールで招待講演を受けた時以来の再会でした。

1時間ばかり話をしたのですが、今回一番の話題は、今春発売予定のフラクセルグループの下位機種のことでした。これをどのように販売しようか、ということで意見を求められました。

下位機種、といってもデザイン的には興味深いものが出てきました。というのも、ソルタメディカル社はアメリカ カルフォルニア州シリコンヴァレーにある会社ですので、土地柄コンピューターのデザイナーが多くいます。

そうした背景もあり、今回はこういった

マッキントッシュみたいなデザインの機器を持ってやってきたのです。

ソルタ社のフラッグシップであるフラクセル3DUALの波長は、1550nm&1927nm。

それに対し、今回の機種は「フラクセル:リファイン」に近いコンセプトで、波長は1440nmとなります。

今までこの波長はグラスファイバーを使用しないと作成できない波長でしたので、機器を作っても販売価格が非常に高額となってしまうのが難点だったのですが、今回この波長を半導体(ダイオード)レーザーでつくれるようになったので、廉価版を販売できることになったといいます。

ただ、レーザー機器の工学的な特性を考えると、ダイオードで高出力にするのは、技術的にも相当難しいので、この機種の出力は弱いのですけれどね。

これは日本で売れる可能性があると思うか?

という点について、意見を求められました。

日本でも、数名の医師にコメントを求めているようです。

売れる売れないは別にして、僕は少々心配になってしまいました。レーザーを購入する顧客として考えてみると、ソルタメディカル社が近い将来典型的なアメリカ企業の失敗の轍を踏むことになってしまうのではないか・・・? という不安が頭をよぎったのです。

僕自身はソルタメディカル社のサポーターを自任しています。彼らのもつ独自の技術を最も理解し、最もリスペクトをしている日本人医師の一人だと自負しているのです。だからこそ思い入れも強く、身内の事のように、喜んだり心配したりといったことが起きる訳ですが。

ちょっと前に、イタリアのフェラーリ社が株式上場を目指しているのは、既存の顧客を逃す可能性があるのではないか、というブログを書いた覚えがあります。それと同じで、きっとある一定の成功を収めた企業は、その後、それまで以上の努力とセンス、時の運を味方につけなければ、そこからさらに上を目指したり、またそのポジションを維持することは出来ず、株主のプッシュによる、さらなる飛躍と売り上げを伸ばすためには、常に新しい機器と市場を開拓しなければならないというディレンマを抱えることになるのでしょう。

経営学の世界では

「トレードオフ」

という原則があります。

一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという二律背反の状態・関係を指すのですが、一つのブランドで、最高級と安価のダブル・ブランド戦略を取ることは、よっぽどの戦略がない限りできないのです。

典型的な失敗例としてよく挙げられるのが、米国企業 コーチの例です。

コーチは米国で生まれ育ったファッションブランドで、特殊なデザインの高級皮を利用した高級ブランド戦略で躍進し、一時は欧州の歴史あるブランドであるエルメスやルイヴィトンなどと張り合うぐらいの人気を誇りました。

それがなぜ凋落してしまったのか?

アウトレットショップなどに売り込みをかけ、さらに売上げを上げるために、セカンドラインの安いラインを新たに作り上げたからなのです。

これでコーチに対して高級なイメージを持たせた参入期のブランディングは、見事に崩れ去ってしまい、別の道を模索することとなったと言われています。

今では戦略を変え、新しいニュースとともにまた頑張っているようですし、僕自身はブランドに詳しいわけではないので教科書以上のことは語れませんが、ビジネスの実例としては非常にわかりやすいですよね。

これを我々の市場に当てはめてグローバルな視点で考えてみますと、現在世界の美容レーザー市場は、ソルタメディカル社のフラッグシップである「フラクセル3DUAL」、および同社のCO2フラクショナルレーザーである「フラクセル:リペア」を頂点に成り立っているといっても過言ではありません。

最高の能力を持ち、最高の施術が可能な「フラクセル3DUAL」を購入したくでもできない人たちが、一部のフラクショナルCO2レーザー機器や、他の波長の追従品を購入している状況なのです。

こうした世界最高の能力を持った会社が、自ら性能と価格を落としたセカンドラインの機器を販売し、それらの企業との価格競争に走ったらどういうことになるでしょう?

今まで築いてきたブランドも、市場も壊れてしまうのではないでしょうか?

僕の心配が杞憂に終わる事を祈るばかりですが・・。

ちなみに僕は、この「ブランド」というものを、小さなクリニックの中でしかありませんが、意識しながらこの5年余り仕事を続けています。

「藤本幸弘」という僕個人や「クリニックF」というちっぽけな意味でのブランドではありません。「レーザー・アンチエイジング」という広義な意味でのブランドです。

レーザーと、それに関わるエンジニアにリスペクトを払っている医師である以上、その価値が軽んじられるようなことを僕がしてはいけない、と思っているのです。

クリニックFに来る患者さんの中には、いわゆる日本的な意味での「セレブリティ」と呼ばれる方がいます。そうした方々から「タレント割引や女優割引はないのか?」「モデルなので安くしてほしい」「マスコミ関係でも施術料をとるのか?」と聞かれたり、驚かれたりすることがあります。

しかし、僕はクリニックFで特定の人の職業を理由にセールをやるつもりはありませんので、

「他の患者さんと同じ価格になりますが、それでいいでしょうか?」

と、治療に入る前に先に必ずお伺いするようにしています。

他のクリニックでは、ある特定の職業に就いている事で本当に安価で施術を受けられている方も大勢いらして、この言葉を言うのに勇気が必要な場合も多々あるのですが(苦笑)、でも一度でも院長である僕が揺らいでしまうと、雪崩が起きるだけですからね。

過去にはほろ苦い経験をしたこともありますので、このクリニックを作ってからはいつも強い気持ちを奮い立たせています。

その患者さんがどんな職業、どんなステータスにあっても、僕にとってはやはり皆同じ、平等に大切な患者さんであり、同じ診療、治療と効果を提供している自負があります。

実際、先にお伝えしてしまえばお互いにすっきりし、僕のポリシーを理解してくださった上でお付き合いくださる方も大勢いらして、それにはとてもとても感謝しています。

施術をされた方がその金額に相応する価値を感じていただいて、またこのクリニックに来たいなと思っていただければ、それほど嬉しいことはありませんし、そのためにも一層努力しより良い治療を提供していかなければいけないと思うのです。

それこそが、レーザー医療を大切にし、技術者に最大限の敬意を払い、その技術と英知をこの日本でも広め根付かせていくことにつながると思うからです。

さて、深夜便のシンガポール行き(節約のためエコノミーです(笑))に乗るために、そろそろ羽田に出発しますね。


2011年7月ロシア出張・フラーレン国際学会⑤ ボリショイ劇場新館で観た現代バレエ

急いでやってきた場所は、ロシア屈指の劇場であるボリショイ劇場です。

この巨大な旧劇場は約5年間再建工事に入っていましたが、今年の秋にいよいよ再開することになります。

今回はこの劇場の左手奥にある、ボリショイ新館に向かいました。

モスクワ到着が遅れたのもあり、開始時間20分後に劇場に到着したのですが、幕は一幕しかありません。

クロークでトランクを預け、

交渉をしたら、二階席の自由席ならば劇中でも入っても良いとこと。

皆が観劇中で、誰もいない劇場の二階に向かいます。

新館とはいえ、旧館の内装が移動してきているのでしょう。

大きさも小さくて、どの席からも楽しめる、素晴らしい劇場だと思いました。

最後は世界平和を望むパフォーマンスだったのでしょうか?

演者が流し台で国旗を洗い、それを舞台に広げてゆくパフォーマンスをしたのです。

日本の国旗も最初に舞台に登場した5枚の国旗のうちの一枚にありました。

出てきた国旗の順番に理由があるのかわかりませんが、ロシアでもこういった表現ができるようになったのですね。

どの劇場もそうですが、観劇後、楽しそうに皆帰ってゆきましたよ。

劇場外観。

この日は、そのままホテルに向かい、ぐっすり眠ってしまいました。

翌朝早くに起きて、学会会場のあるサンクトペテルブルグに向かいます。

 


2011年7月ロシア出張・フラーレン国際学会④ 一路モスクワへ

おはようございます。今日も暑くなりそうですね。

今日は朝から夜ぎりぎりまで四谷で診療を行い、その後深夜シンガポールに向かう予定です。連休明けに戻りますが、その前にロシア出張記を早めに終わらせたいと思います(笑)。

こちらもまたしばしおつきあいください。

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成田空港で利用したのは、エアロフロートロシア航空。

スカイチームのアライアンスなので、今まではあまり利用することがありませんでした。

ロシア上空は山脈あり、平原ありでさまざまですが、本当に広大な土地ですね。

ウラル山脈には残雪もあります。

緯度が高く、移動距離も長いので、天気も本当によく変わります。

モスクワ近くでは川に船が浮かんでいるのがわかります。

さて、到着したのはロシア・モスクワは新しくなったばかりのシュレメチェヴォ国際空港。

10時間余りの飛行時間です。

ヨーロッパにしては飛行時間が短い印象がありますよね。

この空港にはモスクワ市内に向かう鉄道があるのです。

前回はモスクワでトランジットしてしまいましたので、モスクワは初めて。

楽しみです。

エアポート特急はこんな感じの景色が続きます。

約35分でモスクワ北部の駅に到着です。

ロシアの文字は、慣れるまで時間がかかりますが、しばらくすると読めるようになりますよ。

モスクワの駅からは地下鉄を利用します。モスクワの地下鉄はこの路線図の通りかなり充実しているのですよ。

ロシアや東欧の街でタクシーを拾うと言葉も通じないこともあり、法外な値段を請求されることもあるのですが、空港からエアポート特急と地下鉄でモスクワ市内に行けるとなると安心ですね。

地中深くまでエレベーターが続きます。

こんな地下鉄が走っています。

モスクワ空港に到着してから、トランクを持ったままたどり着いた先はこちら。

どこだかわかりますか?

 


2011年6月イタリア出張39 イタリアからの帰国

シンガポールに向かう前に、ようやくなんとかイタリア出張記を終わらせられそうです(笑)。

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イタリアからの帰国便は、フィレンツェ空港よりチューリヒ経由で。

この空港。日本人で使う人はほとんどいませんよね。

ミラノかローマから入る人が多いのだと思います。

とても小さい国際空港ですので、搭乗も徒歩です。

イタリアからスイス上空の綺麗な景色を見ながら飛行します。

スイス着陸前に。こんな自然の広告が。

携帯ナイフで有名なVICTORINOX。スイスが誇るブランドのひとつです。

僕もヴィクトリノックスは、いつも海外に行くときにトランクに持ち歩いています。

最近機内に持ち込めないのが玉にきずですが。

スイスのお土産屋さん。

ビジネスラウンジで待っているとき、ふと見上げるとこちらの屋根も太陽光発電地でした。

エコですね。

帰国便で気になった記事は、こちらの二つ。

特に医療ヘルスケア部門でアメリカ開闢以来の革命をおこそうとしているオバマ大統領への賛成意見と反対意見が述べられていましたよ。

こういった国家による公共医療政策は、さまざまですが、アメリカ市場にとっては国民皆保険制度はなじまないのでしょうね。

イタリアはフィレンツェにあるDEKA社本社訪問と、新世代フラクショナルCO2レーザーであるスマートサイドドット2の開発担当者、

および治療経験医師たちのクリニック訪問が目的となった、イタリア出張の新国際学会周遊記を終わります。

 


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