TakahiroFujimoto.com

HOME MAIL
HOME PROFILE BOOKS MUSIC PAPERS CONFERENCES BLOG MAIL CLOSE

BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

BLOG|ブログ

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月⑳ カフェ「アイーダ」 宝石店「ワグナー」 シュテファン寺院のミサと主祭壇

おはようございます。

今日2月22日(水)もクリニックFの診療日です。

東京は朝から晴れています。日中は10度まで気温が上がるそうですね。

今日も忙しい一日になりそうです。

昨日はリヒテンシュタイン公国で新たに開発されたレーザー機器について、日本国内販売と機器評価を包括した、医療+経営コンサルタント業務の打診をされました。

社員数は40名ぐらいの決してまだ大きくない会社ですが、独自の技術と特許を持っているのだそうで、興味深いお話を伺うことができました。

新たなコンセプトのレーザー治療器が開発されたという話は、世界各国を訪問していると本当に良く耳にします。

しかしながら、機器を実際に見てみるとスペック通りの値が出ていなかったりしますし、安定性が確認された後も、日本人用のパラメーターを特定した後でなければ、実際の機器評価はなかなか出来ません。

また、たとえ本当に新しい技術を持っていたとしても、資金力の問題でわずか数年で会社が買収されてしまったり、なくなってしまったりすることさえあります。

来月の米国皮膚科学会(AAD)参加前に、社長がリヒテンシュタイン公国よりクリニックFを訪れてくれるそうですので、実際の業務の話はそこで詰めてゆくことになりそうです。

本当に良いものであれば、きちんとした形で世に送り出したいですよね。そして自分がそこで何かの役割を果たすことができるなら、とても光栄なことです。

閑話休題

過去50年にわたって開発されてきたレーザー/光機器。

現在のパーソナルコンピューターがそうであるように、昔は大きな部屋一つぐらいの大きさの装置でしたが、ダイオードレーザーなどの技術開発によりずいぶんコンパクトになってきました。機動性も、安定性も上がりました。

さらにLEDなど、ほかの技術を用いた光源も、レーザーに近い出力が出せるようになってきました。

僕は何度もこのブログで述べていますが、医学と工学の融合こそが、21世紀の世界市場に対して日本の技術力を生かすことが出来る数少ない分野だと思っています。

特に僕が専門としているレーザー/光工学技術の、医学、薬学方面への応用は、まだまだ進化の余地があり、21世紀に向けて莫大な市場が残されていると思います。

レーザー光などの電磁波を利用したドラッグデリバリーシステム(DDS•薬剤伝達システム)、長波長低出力のレーザー光を応用した痛み治療機器、内視鏡などの体内で利用できる微細ファイバーデリバリーのレーザーメス開発などなど、レーザー医学とレーザー工学の両領域に長けた専門家がいなかったために、開発が進まなかった分野も沢山あります。

今後の医療を見据えて、医学と工学の知識をつけるべく、僕も日々粛々と研究と勉強を続けてゆきたいと思います。

さて、難しい話はここでおしまい。

新春に訪れたウィーンでの話を今日もご紹介したいと思います。

***************************

オペラを観た翌朝、早起きしてウィーンの街を散策しました。

まずは国立歌劇場を観て、ケルントナー通りを北上。

見つけたのは、ヴェルディの傑作オペラ「アイーダ」にちなんだ名前のカフェ。

こちらはワグナーという時計屋さんです。

イタリア、ドイツの二つの名前が街に並立するのも、神聖ローマ帝国の首都として君臨し、650年にもわたり中央ヨーロッパを支配したハプスブルグ家の栄華を現代に残すウィーン。今もパリやロンドン、ローマとはまた趣の異なる華やかな街が迎えてくれます。

こちらはモーツァルトという名前のお店。

人気店のようです。

このような街並みが続きます。

徒歩数分で、ウィーンのシンボルであるシュテファン寺院に着きました。

シュテファン寺院は1359年に完成。

屋根のモザイクが美しいですね。

こちらの大きな南塔は137m。

ドイツのウルム、さらに数日前に訪れたケルンの大聖堂に次ぐ世界で3番目の高さなのだそうです。

本当は北にも同じ大きさの塔を造るはずだったらしいのですが、予算不足でいまだに完成していないのだそうです。

中に入るとちょうどミサの時間。

内陣には長い身廊があり、さらに奥の主祭壇はかなり立派なものでした。


■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月⑲モーツァルト魔笛の台本作者シカネーダーの建設したオペラハウス

おはようございます。

2月21日(火)。今日も僕は東京・四ッ谷に朝からいます。

実は週末に出かけたゴルフのラウンド前の練習で、大事にしていたクラブのシャフトを折ってしまい(!)、昨日はちょっと落ち込んでいたのですが(苦笑)、今朝修理に出してきました。

また元気な姿で戻ってくるのを待ちたいと思います(笑)。

さて、ブログは引き続きウィーンの滞在記をお届けしたいと思います。

今日はモーツァルトの魔笛の話です。

***************************

クリムトを存分に楽しんだセセッション館を後にし、西に向かって徒歩1分。

大通りから少し路地に入ったところに、モーツァルトの名オペラ「魔笛 The Magic Flute」の台本作者シカネーダーが建設した、ウィーン最古のオペラハウスがあります。

アン・デア・ウィーン劇場。

エマヌエル・シカネーダー(Emanuel Schikaneder)はヨーロッパ各地を巡業していた旅一座のオーナー。劇場支配人。

このオーナーが、モーツァルト最後のオペラ(ジュングシュピール)であり、現在モーツァルト作品の中で最も人気の高い作品となった「魔笛」の作成依頼人となるのです。

一座の巡業で演じることを目的とした作品を、モーツァルトに依頼したというわけなんですね。

ちなみにオペラ「魔笛」には、秘密結社「フリーメイソン」にちなむ言葉が沢山含まれていると言いますが、シカネーダーは、モーツァルトとともにフリーメイソンの会員だったそうです。

魔笛にはパパゲーノ=「鳥刺し男」という道化役が出てくるのですが、この初代パパゲーノをシカネーダー自身が演じています。

魔笛は、この鳥刺し男によって劇のカラーが決まってしまうオペラでもあります。

ご存知のない方のために、動画を探してみたところ、ネイサン・ガン Nathan Gunn が Julie Taymor 演出の魔笛の舞台でパパゲーノを演じた動画を見つけました。

ニューヨークメトロポリタンオペラの映像なので、リンクが切られてしまうかもしれませんが、名演です。

劇場にはパパゲーノの彫刻がありました。

パパゲーノが笛を吹いている彫像がかわいらしいですね。

 


■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月⑱ ベートーヴェンのパスクァラティハウス、カール・ラントシュタイナー

おはようございます。

今日2月20日(月)もクリニックFの診療日。朝から東京・四ッ谷に来ています。

今日は朝から気持ちの良い快晴ですね。

ブログは、年始に訪れたヨーロッパブログの続きです。

オーストリアは書きたいことが多すぎて、なかなか終わりませんね(笑)。

**********************************************

音楽の都ウィーンを歩く楽しみの一つに、音楽家たちの住んだ家を訪ねることがあります。

街を歩くとやはりドイツ車が多いような印象でしょうか。

こちら偶然見かけたAMG SLSです。

ガルウイングはやっぱりかっこいいですよね。憧れます。

ブルグ劇場から北に向かって徒歩約5分。

歩いた先にはベートーヴェンが住んだパスクァラティハウス(Pasqualatihaus)があります。

この高台の建物の最上階に、ベートーヴェンが暮らしていたのです。

ちょうど明かりがついている部屋ですね。

この入口をくぐり、狭いらせん階段を4階まで登ります。

彼はこの場所に1804年から1815年に住んだのだそうです。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが生まれたのは1770年12月ですから、34歳から45歳までの黄金期をこの場所で過ごしたことになります。

交響曲第4番、第5番「運命」、第7番、第8番、さらにベートーヴェンが唯一完成させたオペラ「フィデリオ」もこの場所で生まれました。

(Here he worked on his 4th, 5th, 7th and 8th symphonies, among others, and above all on his opera “Fidelio”.)

中にはベートーヴェンの使用した備品やライフマスクがありました。

窓から外の景色はこちら。

目の前には名門ウィーン大学があります。

ウィーン大学は1365年創立。

ノーベル賞受賞者を15名出している大学です。

医学の分野でも、現在のABO式の血液型を発見して、1930年にノーベル生理学医学賞を受賞したカール・ラントシュタイナー(Karl Landsteiner)博士などが有名ですよね。

戦中の人体実験などで、動物の血を負傷者に輸血したりなど、非人道的なことが行われてきましたが、ABO式の血液型が発見されたことの医学的な意義は、やはり安全な輸血が可能になったことに尽きます。

一方世に言われる血液型の性格判断などは、医学的には因果関係が未だ見出されていないのですよね。

ウィーン大学のこちらの建物が完成したのは1877年ということですので、残念ながらベートーヴェンの観ていた景色とは違うようですが、今でいうと、いわゆる文教地区のペントハウスに住んでいたのですね。


■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月⑰ ウィーン国立歌劇場で観たモーツァルト「フィガロの結婚」

おはようございます。

今日2月18日(土)もクリニックFの診療日。朝から患者さんを診ています。

最近フェイスブックや僕のブログなどに、昔の職場や子供の時の友人、海外在住の友達などからメールをもらうことが多くなりました。

何年も音信不通になっている友人と、こうして再会できるのはすごいことですね。

インターネットが広まって10年。社会的な価値観がその間何度も変わる場面を見てきましたが、またひとつがらりと変わりつつあるのでしょう。

それが楽しみなことなのか、それとも憂うべきことなのか。

また数十年後に歴史が判断するのでしょうね。

さて、ぼくのブログは年始に訪れたウィーンブログの続きです。

*********************************************

オーストリアはウィーンに到着し、美術史博物館に行った夜。

今回のウィーン滞在メインイヴェント、ウィーン国立歌劇場で開催されるモーツァルトの「フィガロの結婚」を観にいってきました。

ウィーン国立歌劇場は、パリ、ミラノに並ぶヨーロッパ三大歌劇場の一つ。

この劇場は、2002年から2010年まで小澤征爾さんが音楽監督を務めたことから、日本人にもなじみがありますよね。

僕もこの劇場で一度観劇したいとずっと思っていたのですが、ウィーン訪問3度目にしてようやく夢がかないました。

「フィガロの結婚」については、この新国際学会周遊記でも何度かふれたことがあります。

ウィーンのブルク劇場で、1786年5月1日、モーツァルトが30歳の時に初演されています。

貴族を痛烈に批判したこの作品が、神聖ローマ皇帝のヨーゼフ2世の治世下ウィーンにおいて初演されたことは驚きですが、その後この作品は、プラハに舞台を移し大喝采を浴びました。

プラハ上演での大成功でモーツァルトはプラハに招待され、「ドン・ジョバンニ」を作り上げたのですよね。

初演のプラハ国立劇場にも2009年のベルリン主催のヨーロッパ皮膚科学会(EADV)の参加時に訪問し、モーツァルトの「魔笛」を感動して観たのを思い出します。

「フィガロの結婚」も、社会的な風刺やその曲目の完成度を考えると、とても30歳の若者が作り上げたものとは思えません。

特にこの序曲はモーツァルトの序曲の中でも最も好まれ、演奏されるものではないでしょうか。

YOU TUBEで演奏画像を探してみましたが、これがなかなか良いものが見つかりませんでした・・・。

とりあえずこちらで、曲を思い出してください。

2006年、モーツァルトの生誕250周年のウィーンのニューイヤーコンサートの際に、ラトビア出身の今やヨーロッパを代表する指揮者のひとりとなったマリス・ヤンソンスが、普段はヨハンシュトラウス父子の曲しか演奏されない題目の中で、フィガロの結婚の序曲を採用したことがありました。

様々な人に時代を超えて愛される名曲です。

そして劇中で最も有名なアリア、「恋とはどんなものかしら」Voi che sapete (Le Nozze di Figaro)の画像も見つけました。

どうぞお聴ききください。

ウィーン国立劇場は、本当に素晴らしい劇場でした。

劇場の客席は赤ですが、イタリアの劇場の赤に比べると臙脂がかったシックな赤です。

座席の目の前の電光掲示板で、台詞のドイツ語訳と英語訳が出てきます。

神聖ローマ帝国の首都があったこと。

そして、北イタリアからドイツに至るまでの文化の中心であったこと。

こうした背景により、ウィーンではイタリア語、ドイツ語のオペラどちらも母国の文化に近い形で演奏されると聞いています。

中央のホールも重厚なもので、気持ちが盛り上がりますね。

こうした歴史の重みをずっしりと感じる劇場で、オペラを観劇できるのは、至福のひとときです。

幕間の休憩へ。

華やかな観客たち。

二階のホールでは、過去にこの劇場で行われたオペラの展示がありました。

エディタ・グルベローヴァ

ホセ・カレーラス

などの往年の歌手の展示もありましたよ。

そして、2月から開催されるプログラムのトップにはヨナス・カウフマンが登場していました。

ちょうど年末にNYで観たグノーのファウストの世界公演だそうです。

すばらしい公演だったので、ウィーンでもさぞかし話題になるでしょうね。

「フィガロの結婚」もとても楽しませてもらいました。

そして、ヨーロッパのほかの劇場に比べて日本人の観客がとても多かったです。

日本人のオーストリア好きは健在です。

幸せな気持ちをかみしめながら、劇場を後にしました。

新年のウィーン。街の夜景が煌いて美しかったですよ。

 

 


米国レーザー医学会(ASLMS)2012の口演枠の発表

今日は、午後3時まで工学部大学院の講義に出席。

先ほどクリニックFに帰ってきて、遅ればせながら予約の患者さんを診ています。

Exif_JPEG_PICTURE

夕方クリニックについてみると、この4月にフロリダで開催される米国レーザー医学会のプログラムが届いていました。

僕は口演とポスターの二つの演題を発表します。

今日プログラムを確認すると、僕の口演の発表枠は、なんと東京女子医大形成外科の河野太郎先生と、藤田保健衛生大学皮膚科の秋田浩孝先生と同じ枠でした。

いつも学会でお世話になっている、レーザー会を代表する先輩方と、同じ枠でフロリダで発表できるなんて光栄です。

頑張って準備しないといけませんね(笑)。


カテゴリー