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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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少々怒ってます?・・・いえ、がっかりしてるだけなんです

クリニックの備品には、僕の私物がけっこうあります。

忙しない一日の中でスタッフが触るものには、消耗することだけでなく、当然いつか壊れてしまうことも経営上想定して、コストパフォーマンスを考えながら揃えなければならないものも沢山あるわけですが、

でもここは僕のクリニック。

医師も僕一人しかいない中1週間の大半をここで過ごすので、できれば目に入るもの、耳に入るもの、触るもの、口をつけるものなどは気に入ってるものがいいな、とも思うわけなのです。

そのうちのひとつが、箱根の伝統工芸品 寄木細工でできたお盆。

箱根の寄木細工は昔から好きで、どれを見てもその精巧さに感動してしまいます。

しかしながら、そのどれもがインテリアに合う、というわけにいかないのが難しいところ。

自己主張が案外強いんですよね。

クリニックの雰囲気を壊さず乱さないもので、でもよく見ると手が込んでいて・・・というものを探し、いくつもの店を巡ってやっとひとつ丸盆を見つけたのは、3年ほど前のことだったでしょうか。

このお盆にお茶やコーヒーを乗せて運んでもらうと、より一層美味しく感じられたものです。

そんなふうに大切にしていたお盆でしたが・・・このとおり

割れてしまったのですよ・・・とほほ。

割った犯人は、スタッフのひとり。

ぱっくりと割れている盆を見て、怒ろうかどうしようか一瞬迷いましたが・・・

とりあえずがっくりして、言葉が出ませんでした(苦笑)。

こういうとき、他の病院の院長先生はどうされるのかなあ・・・。

まあ、過ぎたことをくよくよしても仕方がありませんので、今夜は家で修復作業に取り組もうと思います(笑)。

 

 


ワーグナーの聖地 バイロイトからの手紙

おはようございます。

今日9月8日はクリニックFの診療日です。

仕上げに入っている工学博士論文をまとめに、朝早くクリニックにやってきました。

論文を書くのには集中できるまとまった時間が必要ですよね。早朝でないとまとまった時間が取れないのです。

今日、クリニックの郵便ポストをあけてみると、海外郵便の中の一つに、バイロイト(BAYREUTHER)の文字を見つけました。

これはワーグナーの聖地、バイロイト祝祭劇場のメールです。

ちょっとわくわくしながら中をあけてみると、この通り、2013年のスケジュール表でした。

ドイツ連邦バイエルン州北部フランケン地方にある小都市バイロイトで、毎年7月8月に開催されるこのバイロイト音楽祭。

バイロイト音楽祭は、ワーグナー自らが「ニーベルングの指環」を上演する為に創設した音楽祭であり、ここで上演されるのはワーグナーのオペラ作品(例外的にベートーベンの交響曲第九番も演奏されます。)に限られます。

多くのオペラファンからは、この劇場はワーグナー上演の総本山と見なされていますし、国内のワグネリアンの間では、この音楽祭に行く事を「バイロイト詣(もうで)」などと言っています。

僕もバイロイト会員なので、メールが送られてくるのです。

来年は二ーべルングの指輪の「3部作+序章」は4夜にわたって、7月26日、8月14日、8月22日からの3回開催されますね。

これが本当のプラチナチケットで、僕も死ぬまでにバイロイトの“リング”を観に行くのが夢です。

考えてみれば、来年の2013年は、ワーグナーの生誕200周年記念すべき年。

オペラファンとしては、同年生まれのヴェルディの生誕200周年でもあり、楽しみな年になりそうです。

以前のブログにも書きましたが、このドイツオペラを代表するワーグナーとイタリアオペラを代表するヴェルディは同年の生まれです。

さらに、二人が生きたのは19世紀の帝国主義時代。

世界の一流国になるためには、政治力、経済力、軍事力とともに、その国の文化力がなければ認知されない時代でした。

早期に統一国家となったイギリスやフランスに対して、小さな君主国家の集まりであったため出遅れた感があったドイツとイタリアが、国家の威信をかけて、結束するために国がサポートしたのがワーグナーであり、ヴェルディでもあったのです。

もちろんチケットの申し込みはしますが、当選確率は本当に低いのですよね。

当たれば嬉しいなあ。

 


■レーザー解説2012②レーザー治療機器 複合機について eMAX XEO STARLUX ICON MultiFlexPlus JOULE

おはようございます。

今日は9月7日(金)。クリニックFの診療日です。

昨日の休診日は、引き続き午前中から工学部論文の作成に取り組んでいました。

午後からは、教授にクリニックFまでお越しいただき、最後の詰めを行いました。

夜は、六本木ヒルズクラブで行われた、時折参加させていただいているハーバード倶楽部の講演会に参加。

イギリス駐日大使だったSir David Warrenの講演会を聞いてきました。

会場には国連人権委員会の緒方貞子教授もいらっしゃいました。

上品な英語とともに、的確な質問と主張をされていて、さすが日本を代表する国際政治学者だと思いましたよ。

とても勉強になりました。

さて、今日のブログ「新国際学会周遊記」はレーザー治療器のプラットフォームについて。

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レーザー治療機器を語る上で、患者さんを非常に混乱させてしまう点のひとつに、機器に「複合機」というものがあり、それぞれのハンドピースごとに名前があるということが挙げられます。

一つの施術と機種を示す言葉が、この複合機の名前か、ハンドピースの名前か、はたまた特定の先生が考えた治療法の名前か、これが世界各国どころか日本国内でも一定していないのです。

過去にはひとつの企業のマーケティングスタッフが変わったため、その企業で扱う全く同じ機種の名前が総入れ替えになったこともありました。

ここからは、開業されているドクター向けの話になりますが

レーザーおよび光治療器について、電圧系や駆動系を共有した「プラットフォーム」を作っておき、先端のハンドピースを交換する発想ならば、一台機器を買い増さなくても、違った治療が可能になりますので、空間の面でもコストの面でも非常に効率的です。

このプラットフォームというべき躯体を採用している会社と主な機種が

○シネロン/キャンデラ社 eMAX (イーマックス)

○キュテラ社 XEO (ゼオ)

○パロマ社 STARLUX (スターラックス) または ICON (アイコン)

○エリプス社 Ellipse MultiFlex + (エリプス マルチフレックス+)

○サイトン社 JOULE(ジュール)

・・・など。

上記の機器は、レーザー発振器と光治療器の心臓部がセットになって筐体に組み込まれています。

それぞれの機器に対して 各社が開発した脱毛 色素 シワ たるみ などに対応するハンドピースを選択購入するのです。

基本は同じ会社のハンドピースを購入して集めてゆけば治療の幅も広がります。

医師にとっても患者さんが増えてくるたびにアップグレードができるので、効率がよいともいえます。

一方でレーザー初心者はこれらの機器からスタートしても十分に満足しますが、レーザーを極めたい医師となれば、個別の機器を購入したくなりますね。

コンパクトデジカメから一眼レフカメラにアップグレードするようなものです。

残念なのが、ニコンのカメラのレンズをオリンパスに利用できないように、各社またいでのハンドピースの共用はできないということ。

個別にハンドピースを上げてゆくと、

◎シネロン/キャンデラ社 eMAX の場合

*Hair Removal DS DSL (旧コメット)

*Vascular Treatment LV LVA

*Photo Rejuvenation & Treatment of Dyschromia (SR (旧オーロラ) SRA (旧オーロラアドバンス ))

*Acne Treatment AC (アクネ)

* Matrix IR (マトリックス IR)

*ReFirme ST (リファーム)

*triniti (トリニティ)

*Wrinkle Treatment WR (旧ポラリス)

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◎キュテラ社 XEOの場合

*Pearl Fractional (パールフラクショナル)

*Pearl (パール)

*CoolGlide Laser (クールグライド)

*Excel Laser (エクセル)

*Laser Genesis (ジェネシス)

*Titan (タイタン)

*LimeLight (ライムライト)

*ProWave (プロウェイブ)

*AcuTip (アキュチップ)

***********************

◎パロマ社 STARLUXの場合

*LuxG™

*MaxG™ (マックスG)

*LuxY™ (ラックスY)

*LuxYs™ (ラックスYS)

*LuxV™ (ラックスV)

*Lux2940™

*Lux1540™

*Lux1540XD

*Lux1064+™

*Lux1440™

***********************

◎エリプス社 Ellipse MultiFlex +の場合

通称 I2PL と言われている機器ですが

*HR+

*HR-D

*HR-S

*HR-L

*VL+

*PL

*PR+

*PL-W

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◎サイトン社 JOULEの場合

*BBL (ビービーエル)

*ClearScan ALX

*ClearScan YAG

*Contour TRL

*ProFractional Therapy  (プロフラクショナル)

*ProLipo PLUS

*Pro-V

*SkinTyte (スキンタイト)

*ThermaScan (サーマスキャン)

・・・と、このような感じのラインナップを各、各社のプラットフォームベースに揃えることが出来るのです。

レーザー機器の場合、スペックを考えるとおおよその効果を予想できるのですが、光治療器の場合、独自の光のナローバンドをメーカーが作り上げていることが多く、横断的な評価が非常に難しいですね。

実際に使用した過去の経験が、治療効果に大きくかかわる施術となります。

各社の機器に関しては、もう少し後にまとめてゆきますね。

 


■レーザー解説2012①Fraxel re:store DUAL フラクセル3 DUAL

特に21世紀に入ってからというもの、レーザー治療機器の進歩があまりに早く、特に機器別の性能の違いについては、専門医師の間でも混乱が見られるようです。

WEB上でもレーザー機器について専門家が横断的に説明しているページがないため、海外学会で見つけた機器を少しづつリポ―トして書き連ねてゆこうと思います。

栄えある第一回は、クリニックFでも最も人気のあるレーザー機器・フラクセル3DUALです。

Classification

フラクショナルレーザー機器

フラクショナルレーザー機器のパイオニア、ソルタメディカル社が2009年に発売した、フラクショナルレーザー機器のフラッグシップ機器。エルビウムグラス(1550nm)とツリウムグラス(1927nm)レーザーを併用できる、Two in One の機器。

Debut

2009年 コントロバーシーズ 

Application

ニキビ跡、肌のリサーフェシング、毛穴縮小、肝斑治療(1927nm)

Supplier Product Name

Fraxel re:store DUAL 日本名 フラクセル3DUAL

Distributer in Japan

株式会社 JMEC

Price

160000ドル

Device Type

Dual Erbium Fiber and Thulium Fiber Laser

Wavelength (nm)

1550 nm, 1927 nm

Energy Output (Joules)

Up to 70 mJ/Microscopic Treatment Zones  (MTZ), up to 20 mJ/MTZ

Clinical significance

フラクセル3DUALがデビューした最も大きなメリットは、ツリウムドープしたファイバーレーザーを採用したことに尽きます。

蒸散系のレーザーの中で、過去のどのレーザーよりもダウンタイムが短く、止血もきっちりされるので副作用も少ない。アジア人の肌には最適な波長だと思います。

まだまだ続きます。

 


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