おはようございます。
今日は3月8日(金)。クリニックFの診療日です。
晴れ渡り朝から暖かい都心部ですが、花粉もすごいですね。
皮膚にも辛い季節です。
さて、僕の方はお陰様で6日にマイアミの米国皮膚科学会より無事帰国し、本日より診療再開となりますので、改めてよろしくお願いいたします。
こちらの冊子は2013年米国皮膚科学会の学会演題集。
最新知識が詰まっています。
そして、クリニックへのお土産のチョコレート。
患者さんにお出ししてゆこうと思います。
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昨日の休診日には、工学部大学院でお世話になっている教授を訪問してきました。
今後の研究についてアドヴァイスを頂いたり、打ち合わせをさせて頂いたりしました。
ここへ来て工学の英文論文も数本通過し、工学博士号の取得が具体的に見えてきました。
工学の英知が集まった機器を専門とする医師になりたい、という自分の道筋が数年前に見えたことは、この時代に生を受けて本当によかったと思えることのひとつです。
もし僕が生まれたのが30年早かったら、そんな夢を見ることも出来なかったでしょうし、もし僕が30年遅く生まれていたらすでにその夢は古いものになっていたことでしょう。
道筋が見えれば、どの道をどんな歩き方で自分らしく進んでいくのかをプラニングすれば良いことになります。
工学部大学院の門を叩いたのは、その意味ではとても自然な成り行きであり、その僕が叩いた門を開いてくださったすべての方に感謝の気持ちで一杯ですが、その中で
「現在クリニックFで診ている患者さんの治療のために、工学の基礎を理解した医師側から、より良い機器の提案が出来るのではないか?」
というひとつの疑問に対しては、この3年間でだいぶ答えが見えてきたような気がします。
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患者さんを日々診察・治療していると、アイディアは沢山浮かびます。
しかし、レーザークリニックを運営する上では、その浮かんだアイディアがどの程度工学的に実現可能なのか、工学を理解しなければ提案が出来ない、というひとつのジレンマを以前は抱えていました。
皮膚科学会などで語られる演題や展示ブースを見ていても、機器の中の話がディスカッションできない限り、機器を理解した上で操作するというところに至ることができないのです。
数年前には、セールスパーソンの主張をそのまま受け入れるしかなかったのですが、ここ数年は工学的な知識がついたので、学会や展示場の場で機器についての詳しい質問を返すと、上司や開発者を連れて来てくれるようになりました。
こうして僕なりに見えてきたことは、レーザー治療や光医学はまだまだ発展途上にあり、未来の可能性は想像以上にあるということ。
その上で今僕が夢見る僕個人の未来は、できたら今後10年の間に今まで培ってきた知識と経験を使い、新しいコンセプトのレーザー治療機器を作ることに是非とも関わってみたい、ということです。
夢の実現に向けておおよその図面は頭の中にありますし、特許条項も調べてあります。
具体化に向けて一歩一歩着実に進んでいきたいと思っていますので、また見えてきたらご報告しますね。
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僕自身が工学部に通うようになって、クリニックFにおけるレーザー診療も大きく変わりました。
光もレーザーもRFも、電磁波の一種です。
これらを治療に用いる場合、皮下のなるべく多くのレイヤーに層状に効率よくエネルギーを加えることが大切です。
それには、いくつかの機器を合わせて同時に施術をする方が効率が良いのです。
たとえば、
○最強のたるみの治療法は、「サーマクール」+「ウルセラ」
○最強の肌質の若返りの施術は 「フラクセル3DUAL」+「スターラックス1540XD」
○最強の目元回りの施術には 「マドンナアイリフト」+「サーマクールアイ」
○肝斑治療には 「フラクセル3(1927nm)」+「メドライトC6レーザートーニング」
などなど。
通常のクリニックの場合は、二つの施術を一日にしてしまうとオーバーパワーになるため、避けることが多いのです。
簡単に言えば、波と波が重なると、波の波形が高くなりますよね。
電磁波も一緒で、同時に照射したほうが効果が上がります。
クリニックFでは、それぞれの機器から顔全体に照射されるエネルギー(J:ジュール)を換算(積分)するという方法を取り入れたことで、治療効果を上げることができるようになりました。
今回アメリカの学会で、
「治療で注意するのは、照射野に入るジュール(もしくはそれを平方センチメートルで割ったフルレンス)だけに注目すればよい」
と、ここ数年の僕と、全く同じ主張を発表していた皮膚科の教授がいらっしゃり、ちょっと嬉しかったですね。