TakahiroFujimoto.com

HOME MAIL
HOME PROFILE BOOKS MUSIC PAPERS CONFERENCES BLOG MAIL CLOSE

BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

BLOG|ブログ

■ASLMS 2013 in Boston⑫ ボストン開催のASLMS学会内覧

おはようございます。

今日4月19日はクリニックFの診療日です。

のどの掠れは5日目です。

今回は花粉症が影響しているのか、長引いていますね。

体調を整えなければ。

昨日は午前中に、お彼岸に行けずずっと気になっていたお墓参りに向かいました。

その後、工学部大学院に向かい、担当教授と来週の小さな発表のための打ち合わせ。

このところ連続して論文が通過したので、随分気が楽になりました。

工学博士号の主査をお願いしていた工学部教授も

「あの短期間にJJAPに通過したのであれば、それは評価できる」

とおっしゃってくださっている様です。それを伺って僕もほっとしてしまいました。

様々な方に支えていただいているので、一日でも早く結果を出さなければ・・・というのもありますから、結構自分で自分にプレッシャーをかけているところもあるのかもしれません。

まだ判定待ちの論文もありますし、今回の研究で判明した事実について、特許も確定させたいです。

もう少し忙しい日々が続きますね。

さて、「新国際学会周遊記」は先週のボストンはハイネス・コンベンションセンターで開催された米国レーザー医学会での話です。

***********************

空港に到着し、着の身着のまま学会会場に。

さすがに疲れた顔しています(苦笑)。

学会展示を見ながらどのブースに寄るか考えます。

サーマクールとフラクセルのソルタメディカル社。

そしてシネロンキャンデラ社。

クリニックFでも大活躍の最新機器ePlusが展示されています。

サイトン社。仲良しのマーケッターのロバートラックと撮りました。

本年は、新しくセルライトに効く機器を開発したのだそうです。

同軸RF+超音波の痩身機器EXILISを販売しているBTLも最新機器 Vanquishを展示してデモ中でした。

先日サイノシュアによる買収が決まったパロマ社。

サイノシュアと隣合わせのブースがつくられていました。

一方のサイノシュア社は、エポックメイキングなピコ秒レーザー ピコシュアーがやはり特に人を集めていました。

このピコシュアーですが、価格は3000万円程度。

機器の安定感がまだ途上らしく、ボストンのサイノシュア本社を中心に、技術者が2時間以内に駆けつけられる地域に30台。

まずは導入した様です。

日本に来るのは少し時間がかかりそうですが、発表演題としては本当に沢山ありました。

今までとれにくかったタトゥーについては、より早く治療できるということ。思ったよりもダウンタイムが少ないこと。しかし、色素の大きさを考えると、通常のシミの治療には、ナノ秒で十分ではないかなどの検討もなされていました。

学会での話はもう少し続きます。


■ASLMS 2013 in Boston⑪ 2013年米国レーザー医学会での僕の発表演題その2 教科書の間違いにどう対処するか?

おはようございます。

今日は4月17日(水)。クリニックFの診療日です。

ボストンの爆弾テロ事件で、大好きなボストンの街と人々が大変なことになってしまい、本当に許せない気持ちと複雑な思いで一杯です。

亡くなった方々や重傷を負ってしまった方々、そのご家族・・・本当にテロという行為は卑劣です。

つい先週まで滞在していたので、ホテルのスタッフや給仕してくれたお店のスタッフ、友人たちなどの顔も浮かび・・・色々と考えてしまいます。

なんとなく眠れず今朝も早く起きました。

今日も声が掠れたままで診察にあたらなければいけないようですが、どうか引き続きご容赦ください。

※※※※※

現在分担加筆している美容皮膚科の教科書があります。

高周波(RF)治療について僕の担当の部分を昨日は書いていたのですが、過去の医学論文の引用で、ちょっと疑問に思うことから工学の教科書と工学論文を見開いてみたところ、高周波が通常医療の現場で使用される時に説明されている工学理論についての記載で、ひとつ間違いを見つけてしまいました。

ある事象について説明されている工学的な理論根拠が、この分野ではある理由から使用できないのです。

大元は、2000年初頭の米国の医学論文にありました。

医師の皆が工学に詳しい訳ではありませんので、おそらく代々孫引きの引用がなされていたのでしょう。

困りましたね。

これを書き換えるためには、現在のものの数倍分量も必要となってきますので、考え込んでしまいました。

まずは自分の指摘が正しいかどうか、数名の識者に聞いてみようと思います。

医学と工学は同じ理系ですが、想像以上に乖離があります。

医学と工学のまたがる分野では、いくつも似たようなことが実際にはあるのかも知れません。

今後の課題ですね。

さて、ブログ「新国際学会周遊記¥は、先週まで滞在していたボストンで開かれた米国レーザー医学会の発表についてお話します。

**************************

2013年米国レーザー医学会(ASLMS)での僕の二つ目の発表は

High Temperature heat Generation With A Very Low Power Quasi-CW (Continuous Wave) Semiconductor Laser For Medical Use

医用利用できる新たな工学レーザーについての発表を工学部の教授と連名でさせて頂きました。

実はこれは2月にサンフランシスコで開催されたSPIE Photonics Westという工学系レーザー学会に出した演題が落ちた時のために予備で入れていた演題なのですが、晴れて二つとも演題通過となりましたので、嬉しかったです。

米国レーザー医学会では過去10年で、すでに13演題を通過させたことになります。

○レーザーピーリング(マックスピール)

○LED+トーニングによる肝斑治療

○フラクセルおよびサーマクール併用療法

○アレキサンドライトとNd:YAGのレーザートーニング比較

○マドンナリフト

○CO2フラクショナルレーザーの比較演題

○1927nm&1550nmのフラクセル3DUALに使用される二つのレーザーの比較演題

○2970nmのYSGGパール

○1440&1320nmのアファームマルチプレックスによる演題

○レーザー照射後に発生する活性酸素の同定

などなどを発表してきました。

よろしかったら僕の研究テーマのこちらをご参考ください。

思えばこの10年間で急激に進化したレーザー医療界。

時代時代で、エポックメイキングな演題を選んできたものです。

内容については工学的な内容になってしまいますのでここでは少し割愛しますが、ファーバーレーザーの先端部を加工して、アブレーションが可能なブロードな光をつくる機器について、工学的な解析を加えたものです。

こちらの発表は、既に一部の実験が医学論文や工学論文になっていますのでリプリントをお送りできます。

ご興味のある方はクリニックにご連絡くださいね。

 

 

 


応用物理学会誌WEBに僕のレーザーの論文が公開されました

おはようございます。

今日は4月16日(火)。クリニックFの診療日です。

都心は朝から春麗らかな陽気で、出勤時の散歩? も楽しかったですよ。ただ昨日花粉症による鼻声にも関わらず診療で喋りすぎたのか、僕の声は朝から掠れています(苦笑)。

本日ご予約を頂いている患者さんや、ご連絡いただく方々には、少々お聞き苦しいかと思いますが、ご容赦いただけたらと思います。すみません。

診療の傍ら、引き続き論文などのことで慌ただしくしています。

今月も月末までに3つの締め切りがあるので、今朝も早くからクリニックに出勤して、原稿書きです。昨日は日中診療に追われてしまって一行も進まなかったのですよね。

秋のトルコ開催のヨーロッパ皮膚科学会(EADV)のアブストラクト演題締切も確か23日でした。

とはいえ、早朝のクリニックはすでに出勤しているスタッフが大抵ハワイアン・ミュージックかボサノヴァをBGMに設定しており、なにやらリラックスムード。

あまり論文書きに適した環境ではありませんね(笑)。

10時過ぎにはこれがバッハかモーツァルトに代わり、最初の患者さんがおいでになる11時頃になるとチャイコフスキーやブラームスなどに移行し、僕もエンジンがかかっていきます。

※※※※※※※

昨日は、3月にマイアミで開催された学会の時に通過した、応用物理学会の僕のレーザー論文がWEB公開されました。

ちょうど10年前に僕が医学博士号のために論文を書いていた時期には、論文の受理の日時と、出版の日時が記載されていましたが、最近の学会誌は、それに加えて電子ファイルでの公開日(すなわちWEB公開日)の日時が記載されるようになりましたね。

僕の論文も昨日がWEB公開日なのですが、実際の出版となるのは来月末なのだそうです。

掲載された論文は

「Development of A Semiconductor Laser Based High Temperature Fine Thermal Energy
Source in an Optical Fiber Tip for Clinical Applications」

です。

この論文は、僕の工学博士論文のキーになった論文で、これを引用していくつか論文が書けると思っていただけに、研究者としての僕の、今年一番のニュースです。

拡大して名前を観ることができますが、本当に論文が通過することは、嬉しいですよね。

もしも工学レーザー関係者の方々でご希望がありましたらPDFのリプリントをお送りすることができますので、クリニックまでメールくださいね。


■ASLMS 2013 in Boston⑩ 2013年米国レーザー医学会での僕の発表演題その1 DEKA社スマートサイドスクエアでの瘢痕治療

今回ボストンで開かれたASLMSで発表した演題の一つ目は、昨年に引き続き、慶應義塾大学薬学部と米子林原医院の林原伸治先生と一緒に行った共同研究に基づくものでした。

レーザー光治療を行った後に、皮下に発生した活性酸素の種類の同定を行ったのですが、本年使用した機器は、イタリアDEKA社のスマートサイドスクエア。

RFとフラクショナルCO2(RF発振管)の複合機についてです。

Detection of the Different Reactive Oxygen Species Induced Oxidative Stress in Skin During CO2 Fractional Laser, RF, CO2 Fractional Laser and RF Combination Therapy Respectively

この機器は「マドンナリフト」という名称の下、上眼瞼の施術が話題になりましたが、実は陳旧性瘢痕治療にも適しており、こちらは林原伸治先生に素晴らしい症例写真をご提示いただきました。

鼻の上の陥没した古い傷や、口唇裂の手術の陳旧性瘢痕が、このように治療ができるのであれば素晴らしいですね。

今後、治療のために必要な細かいパラメーターなどを医学的・工学的に検討してゆきたいと思っています。


■ASLMS 2013 in Boston⑨ ボストンの米国レーザー医学会 学会会場へ

おはようございます。

今日4月15日(月)はクリニックFの診療日です。

東京は朝から綺麗に晴れましたが、ひのきの花粉が飛んでいるせいか、僕は少々鼻声です。

昨日は昼に、幼稚園~小学校卒業まで一緒だった同級生の友人とイタリアンレストランで久しぶりに会いました。

偶然にもお互い医師の道を選択し、どちらも現在は東京に住んでいますが、価値観やら何やら、そしてなにより同郷ということもあり、話が合いますね。

小さな頃にザリガニ釣りをして良く遊んだ「藤沢市鵠沼の蓮池」が、未だに残っていることを知りました。

鵠沼は人気の土地になって人口が増えましたし、当然宅地化されてしまっただろうと思っていただけに、これはちょっと嬉しかったですね。

今度見にいってみようと思います。

その後はクリニックに来て、今月中に締め切りのレーザー皮膚医療関連の依頼原稿を二つ仕上げていました。

総論の原稿を仕上げる時に色々と自分の考えをまとめるのですが、レーザーやRF治療について現象としては理解していても、理論をきちんと理解しているかどうかを再認識することになりますよね。

レーザーの生体に対する物理的作用は4つあります。

①光熱作用(Photo-thermal effect)

②光衝撃波作用(Photo-Acoustic effect)

③光化学作用(Photo-Chemical effect)

④光解離作用(Photo-Decomposition effect)

このうち、レーザー治療に用いるのは、主に①の物理的作用です。

生体の特定の物質にレーザーが吸収されると熱が発生し、数ナノ秒以内には熱化して組織温度が急激に上昇します。

だいたい1000nmを超える波長ですと吸収物質は水になります。

体内は60-70%が水分で構成されています。組織中の水の沸点(100℃)を超えると水分が水蒸気となることで体積が急増しますので、その結果、細胞膜や細胞内小器官は水蒸気と一緒に放出されます。

レーザーのフルレンス(W/cm2)と光吸収係数α(cm-1)の積が組織表面の過熱速度(W/cm3)を表しますので、この速度が組織を蒸発させるのに十分なほど長いと組織は蒸散されます。

CO2レーザーやEr:YAGレーザーは吸収係数が大きいので、表皮に近いところが蒸散されますし、反対に吸収係数が非常に小さいNd:YAGレーザーなどは、組織への光の進達長が深いので、組織の熱凝固に適しています。

これらの特定の吸収物質というのがレーザー治療の胆になるのですが、特に可視光線の近辺の波長では、波長に合わせて茶色いメラニンや、赤いヘモグロビン、黄色いキサントフィル、皮脂腺などなど、様々な要素が水以外の吸収物質になります。

これらの理論がきちんとわかっていると、どの波長(nm)を用いて、どの出力(J/cm2)で、どの様な時間(s)でレーザーを照射したら、皮下の何ミリ下のメラニンを破壊できるか?

というのことが明確に計算できるのです。

特にレーザー医療を選択する医師は、物理学や工学が好きな医師が多いと思うのですが、この辺りを何となく経験で治療するのか、きっちり予後を計算した上で治療するかということは大切な問題だと思いますよ。

さて、今日もブログ「新国際学会周遊記」は、先週帰国したばかりのボストンでのお話です。

***********************

こちらシカゴ空港で小さな飛行機に乗り換えます。

アメリカ五大湖ミシガン湖を超えます。

ちょっと飛ぶと、この通り、地面が凍り付いているのに気づきます。

湖もこの通り氷で閉ざされていますね。

まだまだ高緯度の春は明けていない様です。今回はあまり防寒の用意をしてこなかったのですよね。ちょっと心配になってきました。

シカゴからボストンまでは2時間弱のフライト。

駐機場に着きました。

ボストンの良いところは、空港から市内へのアクセスが良いところです。

目の前にある地下鉄の駅から、一駅乗り換えがあったものの、わずか20分ぐらい。

学会会場のシェラトンホテルにある、HYNESコンベンションセンターに着きました。

日本形成外科学会に参加したためフライトが一日遅れましたので、とりあえず部屋に荷物を置くのももどかしく、学会会場に直行します。

既に始まっていますね。

レジストレーションをして今年の名札とパンフレットをもらって、まずは自分の発表を確認します。


カテゴリー