TakahiroFujimoto.com

HOME MAIL
HOME PROFILE BOOKS MUSIC PAPERS CONFERENCES BLOG MAIL CLOSE

BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

BLOG|ブログ

■EADV2013 10月トルコ〜イタリア出張⑫ ブルーモスクとアヤソフィア

おはようございます。

今日は11月18日(月)。クリニックFの診療日です。

暖かくて晴天の都心部。気持ちが良いですね。

僕の国際学会周遊記は、トルコのブログをアップしますね。

*********************

トルコはイスタンブールで二日目。

朝一番に起きてみると、雲がかかっています。

まずは学会会場に向かい、いくつかのセッションを聞いた後、トルコの名所に向かいます。

ボスポラス海峡には大きなクルーズシップが停泊できますので、船を見ていても楽しめます。

まずは、ブルーモスクへ。

オスマン帝国の第14代スルタン・アフメト1世によって1609年から1616年の7年の歳月をかけて建造され、世界で最も美しいモスクと評されています。

15年前に来た記憶があるのですが、やはり美しいですね。

イスラムのモスクには、軽装では入れないようになっています。

この図の通り、スカートやショートパンツは駄目ですね。

入場してみましたが、すでに入場を待つ長い列です。

約30分ほど待ったでしょうか?

中に入ることが出来ました。

 

内部は息を呑む様。

28mmの広角カメラのレンズを使っても撮り切れません。

異空間ですね。

さらに、ブルーモスクに対面する形で、アヤソフィアがあります。

ブルーモスクが1600年代の初頭、つまり関ヶ原の合戦の頃に建築されたのに比較して、こちらのアヤソフィアは西暦300年代の建設。

コンスタンティヌス大帝の子コンスタンティウス2世の手によって350年にこの場所に聖堂が建設されました。

アヤソフィアはその後、東ローマ帝国(ビザンツ帝国・ビザンティン帝国)時代に正統派キリスト教の大聖堂として改築されます。

さらに、帝国第一の格式を誇る教会、コンスタンティノープル総主教座の所在地ともなりましたが、オスマントルコの興隆後はイスラム教の聖堂に転用されました。

キリスト教とイスラム教、さらにはユダヤ教は同じ聖典(旧約聖書)を使う兄弟ですものね。

アヤソフィアは現在博物館として活用されています。

内部の装飾は素晴らしかったです。

ところどころ、装飾が剥げたところからキリスト教の絵画が見えましたよ。

こちらはブルーモスクとアヤソフィアの間にあった噴水です。

市民が楽しんでいました。

 


■EADV2013 10月トルコ〜イタリア出張⑪ 清水谷公園 トルコ料理 オスマン帝国

おはようございます。

今日は11月16日(土)。クリニックFの診療日です。

都心部は朝から気持ちのよい晴天に恵まれました。

こんなお天気でしたので、僕もいつもの通勤路を変えて紀尾井町の清水谷公園を抜けてクリニックに来ました。

今月は予定されていたボストンへの出張がなくなり、久しぶりに体の方も楽な月を迎えています。

こうして木漏れ日の下自然の中を歩いていると、頭もすっきり冴えてきます。

経営者になってしまうと以前は予想もしなかったような様々な雑用や決断を迫られる事象も増えてきますが、医師としては臨床や勉強の時間も常に必要ですし、研究者としてはアイディアを練る時間も欲しい。

欲張りです(笑)。

まだまだ修行が必要な僕には両立が難しい局面も多々ありますが、こうしたちょっとした散歩の時間や海外出張の際に、研究者として求められるアイディアを頭であれこれ組み立ててみたり経営について頭を整理したりする時間を持つようにしています。

そして、これから自分はどこへ向かおうとしているのか。

何か軌道を間違えたりしていないだろうか。

そういったことを再認識したり、微調整を加えたりするのです。

これまでコツコツと積み重ねてきたもの、そしてこれからまた出逢うものや人、事象などを少しずつまとめて、50代に突入する頃にはひとつまとまったヴィジョンを描くことが出来るといいですね。

一日一日を大切にしていこうと思います。

さて、今日のブログは引き続きトルコのお話。世界三大料理・トルコ料理です。

*********************

トルコ料理は、フランス料理、中華料理と並んで、世界三大料理と称されています。

なぜトルコ料理? 和食じゃないの? イタリア料理は? と日本人である僕はつい思ってしまったりしますが、宮廷料理として発展したものを指しているのだと聞けば、なるほどと感慨深いものがありますね。

世界史好きにとってはなおさらでしょう。

フランス、中国、トルコ。

これら三地域は、歴史的には巨大な領地と富をもった大帝国であった時期があり、古今東西出身の多くの宮廷料理人を召し抱え、さらに腕を競わせたために料理が発展したということなのでしょう。

それぞれの主は、国王、皇帝、スルタンと名乗っていましたが、宮廷において食事を摂るテーブルでは、食材や料理だけでなく食器やカトラリー、あらゆる装飾、集う人々、順序や作法などを通してその国の富の象徴、文化の成熟度が伺えたと言います。

東西の文化が融合する地であったオスマン帝国。西洋の金銀細工に東洋の陶磁器など、豪華絢爛な晩餐が幾多もあったことでしょうね。

一度機会があれば、食文化についてもきちんと学んでみたいものです。

今回、イスタンブールには15年ぶりに滞在しました。

さすがに宮廷料理を食べるようなチャンスはありませんでしたが、庶民的なトルコ料理は頂きましたよ。

野菜が豊富に使われていて健康的。

いずれもかなりおいしかったですね。

 

 


■EADV2013 10月トルコ〜イタリア出張⑩ 円径に少しずれがあるのがわかりますか? パワーロス イェニ ジャーミィ  

おはようございます。

今日は11月15日(金)クリニックFの診療日です。

診療開始前に朝9時からレーザーの次期研究実験のためのミーティングがクリニックで行われました。

今日も朝から黒い紙にたくさんのレーザーを照射していました。

僕の手にある黒い紙を拡大してみましょう。

同じように見える照射部位ですが、レーザー機器の性質や調子によってずいぶん開きがあります。

上記の写真でも、右上の円径に少しずれがあるのがわかりますか?

こちらだけ、違う機器で照射しました。

ちょっとパワーロスがあるんじゃないかと思ったんですよね。

さて、僕のブログ「新国際学会周遊記」は引き続き先月滞在したトルコの話です。

今日はモスクの写真を少しご紹介します。

**********************

イェニ ジャーミィ

新しいモスクといわれているのですが美しいモスク。

エジプシャンバザールの目の前にあります。

イスラムモスクは独特の形状で美しさが引き立ちますね。

内部はこの様に。

古今東西、人を魅了する宗教施設はどこも本当に美しいですね。

今回のトルコ滞在中には、こちらを含めて、3つのモスクを訪れましたが、個人的にはこのモスクが最も好きでした。

 


■EADV2013 10月トルコ〜イタリア出張⑨ プラハのBTL社からTomas Boleslavsky エジプシャンバザール キャビア 行列のケバブ はちみつ

おはようございます。

今日は11月13日(水)。クリニックFの診療日です。

昨日は非接触型のRF痩身機器「ヴァンキッシュ」の販売元であるチェコはプラハのBTL社からTomas BoleslavskyがクリニックFに表敬訪問してくれました。

彼と会うのは2年ぶりです。

前回会ったときはチェコ共和国で開催された欧州皮膚科学会で、学会会場からBTL社まで彼が送迎をしてくれたのです。とてもありがたかったです。

非接触型のRFという全く新しいコンセプトでしたが、以前にいただいたプレゼンテーションだけではいまひとつきちんと理解が出来なかったので、今回ゆっくり話を聞くことが出来てだいぶクリアになりました。

そういえば先日ちょうどモスクワ大学に滞在した工学部の教授と話していたのですが、旧ソ連圏の理系には、物理と化学、そして物性の三つの学部しかないのだそうです。

ちなみに理論が主ですので、応用系の工学部もありません。

数学も物理の中に含まれてしまうのだそうです。

細分化した西洋型の理系の学部と比較して、横断的に思考と研究が出来ますよね。

チェコも30年間の旧ソ連圏の学問構造の蓄積がありますので、我々にはない発想があるのです。

2時間弱の間、彼を英語で質問攻めにしてしまいましたが、お互い母国語ではない言葉でのやりとりであったにも関わらず、とても良いディスカッションが出来ました。

最後には、

「とても的確な工学的質問をありがとう。普通の医師と話していてもなかなかでない質問で、本社で新たに検討する課題が出来た。」

と言ってくれました。

今日は上海に、明日は香港に立ち寄って帰国するそうです。

上海に行ったら蟹を食べてねと言っておきました(笑)。

さて、僕のブログ「新国際学会周遊記」は、先月滞在したトルコについて。

***********************************************

イスタンブール到着の翌日は朝から学会に行きましたが、夕方からは比較的時間が余ることに。

この時間を使ってまずはトルコらしいところへ見学に行くことにしました。

こちら、エジプシャン・バザールです。

オスマン帝国時代の1660年に建設された歴史ある建物。

入口は見ての通りの混雑ぶり。

この中に88の店舗・・・主にスパイス屋さんが並んでいるのです。

スパイス屋さんの中でとりわけ目立ったのがキャビアとカラスミを売るお店。

中には試食をさせてくれるところもありました。

ベルーガ産のキャビアだといわれましたが、本物でしょうか?

ともあれ、とてもおいしかったです。

こちらはケバブのお店。

なぜかこの店だけがものすごい行列です。

食べようと順番を待っていたのですが、列が長いためあきらめました。

30分後ぐらいして戻ってみると、なんと閉店していたんです。

食べたかったなあ。

そして、こちら、なんだと思いますか?

はちみつです。

はちみつを、ハチの巣ごと売っているのです。

下の写真は翌朝ホテルで食べたもの。

こちらにナイフを突き刺して、チーズを混ぜて食べるのですが、これが本当においしい。

確かに、ブルーチーズに蜂蜜をかけて食べるピザなんかもありますが、ビジュアル的にもこれは

衝撃の体験と味でした。

 

 


プレゼンテーションの教材 画期的なすい臓がん診断キット TED Technology Entertainment Design

国内外の学会で発表のチャンスを頂くと、発表内容もさることながら、どういうスタイルで講演すべきかということも最近考えるようになりました。

考えても、もちろん実際それが本番でできるか、というのはまた別の話で、こちらはまだまだ課題があります。

自分のプレゼンテーションスタイルを作る、というのはやはり難しい。オリンピック招致のときにその手の専門家がいることを多くの日本人が知ったと思いますが、身近なもので僕が教材にしているものがあります。

TEDってご存知ですか?

TED(Technology Entertainment Design)とは、アメリカのカリフォルニア州ロングビーチで年一回、大規模な世界的講演会を主催しているグループのことを言います。

このTEDが主催している講演会は、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がプレゼンテーションを行います。超有名人から無名の人まで。

これら価値ある英語の発表を日本語に訳している人たちがいます。

訳して、発表の映像に日本語で字幕をつけているのです。

この日本語字幕のついたTEDの講演シーンは、無料で学ぶことの出来る、英語の、そしてプレゼンテーションの最適な教材ではないかと思います。

ちなみに今回非常に感動した映像がありますのでご紹介しますね。

それは、すい臓がんの診断キットをこれまでにない精度で、しかも安価に作り上げたアメリカの高校生の話。

彼は、13歳の時に近しい人をすい臓がんで亡くしてしまいます。

なぜ彼は死ななければならなかったのか。もっと早く癌を見つけて、治療し、治ることがどうして出来なかったのか。そもそもすい臓ってどんな臓器なんだろう? すい臓がんとはどんな病気なのだろうか。

その死をきっかけにすい臓がんについて彼は調べ始めます。すると、どうやらすい臓がんの診断検査は高額で、しかも精度が低いことがわかります。また、60年前に作られた機器が未だに使われていることもわかります。

彼は非常な熱心さをもって、ネット上のデータバンクにある4000種のタンパクの中から、すい臓がんや卵巣がん、肺がんに特異的なタンパク質である「メソテリン」を見つけ出しました。

そして、高校の授業で習った抗体と、偶然読んでいた本の中のカーボンナノチューブを組み合わせ、メソテリンに特異的に反応する抗体を作ることを思いついたのです。

彼のすごいところは、その後ジョン・ホプキンス大学と国立衛生研究所の200名の教授にメールを送り、材料一覧、予算、研究予定表、研究手順を詳しく書いたのちに、

「自分に研究をさせてくれないか?」

と、働きかけたこと。

200名の内199名からは断りの返事が来たそうですが、ひとりだけよい返事をくれた教授がいました。

その教授を訪ねていくと、いくつもの質問を投げかけられ、それに答えていく内に別の教室から彼に質問に来た博士(PhD)たちで次第に教室が一杯になり、最後には20名の博士と教授がひしめきあうような状態になったのだそうです。晴れて彼はこの教室で研究を行う権利を与えられ、実験系を再度組み直す作業を行い、この研究結果を出した・・・というわけです。

青年の着眼点の素晴らしさ、行動力、熱意にも胸打たれましたし、経緯や結果も夢があって素晴らしいですね。

すい臓は十二指腸の横、胃の裏側にある薄い組織です。

消化液を排出する外分泌器官と、インスリンを排出する内分泌器官を併せ持つ、非常に重要な臓器なのにも関わらず、癌が出来てしまった場合、その解剖学的場所から発見が難しいのです。

膵頭部という消化液が十二指腸に排出される部分に癌が出来た場合ならば、症状がすぐに現れますが、特に膵尾部といわれる部分に癌が出来た場合、ほかの臓器に浸潤し、症状が出た時には手術が出来ないし、手の打ちようがないということも多いです。

万が一癌が見つかっても、外科の手術の中でも、最も大きく体に負担がかかる膵頭十二指腸切除という手術が必要になります。

癌治療は早期発見に勝るものはありませんが、検査の中には放射線被ばくなどの悪い影響があるものも存在します。

このように体に負担の少ない診断機器が今後も出来るとよいですよね。

プレゼンテーションというのは、かように人の心を動かし、その上で歴史までをも変えていく力がある、ということが映像を見ているとよくわかります。

勇気までもらえる、よい教材です。

 


カテゴリー