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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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患者さんにさくらんぼを頂きました

患者さんにさくらんぼを頂きました。

さくらんぼ

日本を代表するさくらんぼ「佐藤錦」です。

つやつやで宝石みたいですね。

果物はどれも大好きな僕ですが、サクランボはその中でも特に好きな果物です。

アメリカンチェリーよりはやはり日本のさくらんぼがおいしいですよね。

気分上がるなあ〜! ありがとうございました!


藤本先生の聴くだけで悩みがスッキリ!

藤本先生の聴くだけで悩みがスッキリ!

スッキリシリーズ3部作。「不眠」と「痛み」はアマゾンでは、すでに完売。こちらの「悩み」があとアマゾンで3枚だけ残っています。

でも、僕としてはこの「悩み」の選曲に最も力を入れました。

人が落ち込んだ時、明るい曲よりむしろ気持ちを代弁してもらえる暗い曲を聴いたの方が気持ちが上向きになります。しかしながら暗い曲ばかりでは気持ちも上がりませんので、最後に明るい曲を。つまりこのCDを一時間聴いていただければ、悩んでいる気持ちが切り替わって、心が明るくなるように選曲したつもりです。

CDに添付しているライナーノーツを一部ご紹介させていただきますね。

http://www.amazon.co.jp/%E8%97%A4%E6%9C%AC%E5%85%88%E7%94%9F%E3%81%AE%E8%81%B4%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A7%E6%82%A9%E3%81%BF%E3%81%8C%E3%82%B9%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%AA%EF%BC%81-%E3%82%AA%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%90%E3%82%B9-%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF/dp/B00VXMUDYW/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1435071203&sr=8-1&keywords=%E8%97%A4%E6%9C%AC%E5%85%88%E7%94%9F%E3%81%AE%E8%81%B4%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A7%E6%82%A9%E3%81%BF%E3%81%8C%E3%82%B9%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%AA%EF%BC%81

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脳の発達が際立った高等動物である人間は、様々な刺激とストレスを脳で“受信”しながら日々暮らしています。ストレスには環境的ストレスと心的ストレスのどちらもありますが、もし人間の脳がもっと小さかったならば、心はこんなにも刺激に反応することなく、心をここまで痛めることなく生きていくことが出来たかもしれません。

人間に負荷をかける強大なストレスは、ライオンに襲われる草食動物が感じるような数秒単位のストレスとは異なります。仕事や家族間、友人・知人関係、地域のコミュニティ……といった人間関係の中で発生するもの、状況や環境の変化への適応、育児、介護、学業、金銭にまつわるもの、健康や将来への不安、劣等感や疎外感、自尊心の欠損……など、なかなか解決の糸口を見つけられないまま、数ヵ月、数年、数十年といった単位でストレスが続くことも決して少なくないのです。

人体にストレスがかかると、医学的には一体どんなことが起きるのでしょう? まず、自律神経が乱れ、ホルモンの分泌に支障が出てきます。ストレスホルモンである「コルチゾル」が副腎から過剰に分泌されてしまうのです。そして、ストレスによって脳の情報処理能力が低下し、それにより気持ちは不安定になり、感情のコントロールが失われたりします。脈拍や心拍も乱れ、汗が突然出たり、涙がこぼれたりすることもあるでしょう。食欲が減退したり、逆に過剰となることもあります。睡眠が阻害され、集中力や思考力の低下も起こります。四肢の痺れが起きることもありますし、身体が極度に緊張し張りや冷えが取れない場合や、逆に火照りを感じることもあります。さらに消化管の活動も安定を保てなくなり、胃潰瘍なども起こりえます。

適応障害やパニック障害と言った病名が一般的に認知されるようになって久しいですが、心の痛みは専門家にとってもまだまだ奥の深い、先の進化を予測しきれない分野でもあります。予期しない悪いことが起こり沈んだ気持ちになるというのは、人間の脳の正常の反応です。反対に原因が無いのに落ち込んでしまう、やる気が出ない、不安や心配で仕方がない、イライラが絶えない……といった状態は病気の可能性があります。これらは専門医によるカウンセリングや投薬などの治療によって改善されるケースも多く、心の痛みによって日常生活に支障を来している方にはまず専門外来での受診を第一選択肢としてほしいと医師としては思います。一方で、こうして心の痛みを抱えながら過ごす一日24時間は実際の時間よりも非常に長く重いものであることと思います。音楽の力を借りることでその時間をやり過ごしながら、少しずつ心の緩解を目指すことは有意義であることでしょう。音楽を聴くことによって増幅するドーパミンやβエンドルフィンなどの快楽ホルモンは、コルチゾル分泌を確実に低下させます。

本CDには、まず序盤に苦しみ痛んだ心にそっと静かに寄り添い、その心をありのまま認め受け入れてくれるような名曲が並びます。音楽療法の世界では、アルトシュラーというアメリカの精神科医が1952年に、気持ちが落ち込んでいるときには気分の高揚する音楽を聴くのではなく、その人の気分とテンポに同質の落ち着いた音楽を聴き、音楽に慰めてもらうことが大切であると指摘しています。鬱病の患者さんを励ましてしまうと、むしろそれがプレッシャーになり却ってよくないと聞いたことがありませんか? 気持ちを明るくしようと思ってアップテンポな曲、明るく華やかな曲を聴いても心がそれを受け付けません。むしろそんなときは静かでゆっくりとした、心の状態をそのまま表すような曲を聴いたほうがよいのです。それによってまず自分の心の状態をそのまま認識し、受け止め、受け入れることを目指すこと、自己を否定するのではなく肯定できるようになることがとても肝要です。

1曲目に選んだのは、サミュエル・バーバーの弦楽のためのアダージョ。1991年に録音されたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による名演です。この曲はジョン・F・ケネディの葬儀で使用されてから一気に知名度を上げました。昭和天皇崩御の際にもこの曲が演奏される模様が流れています。すすり泣きにも似た旋律にまずは暗く沈んだ心をそのまま委ねてみてください。2曲目はシューベルトの即興曲変ト長調D899の3。切々と響く美しいピアノの音色は、ピリスによる1996年録音。3曲目はフォーレによるレクイエムの傑作レクイエム作品48から 第7曲:楽園にて。ここまでの3曲で必要な作業は、具体的に自分に一体何が起きたか、こうして落ち込んでいる原因はなんなのかを振り返り考えることではありません。音楽にただひたすら無心に耳を預け集中することで、心が今どれほど疲れてしまっているか、その中で自分がどれだけ頑張ってきてしまったか、心の在り方を見つめ、疲労の度合いを認め、肩の力を徐々に抜いていく作業を行います。

4曲目からの3曲はその心をすこし揺らしながら刺激を与え、意識的にドーパミンに働きかけていきます。4曲目と5曲目は日本人奏者による名演、ラフマニノフの《鐘》とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です。その後6曲目にショパンのバラード第1番が控えます。特にメンデルスゾーンのこの曲には個人的にも強い思い入れがあり、僕が人生で初めて購入したLPでもあります。オーケストラによる序奏が無く、冒頭からほぼ休むことなくヴァイオリンが主題を奏でるホ短調のヴァイオリン協奏曲。この曲に慰められたことは数えきれないほどあります。美しい旋律はこれまで多くの映画やコマーシャルで使用されてきていますが、それだけ人の心に訴えかけるものがあるということでしょう。曲の最後は独奏ヴァイオリンが華やかで、かつ技巧的な旋律を繰り広げ、情熱的なフラジオレットで高潮して終わります。諏訪内晶子さんのヴァイオリン、アシュケナージ指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団という最高の演奏家による音源です。そのまま6曲目のドラマティックなショパンでピアノに心を乗せることが出来れば、迷い込んだ闇の先にある光の暗示が見えてくることでしょう。

7曲目と8曲目はロマン派の巨匠シューマンが引継ぎます。委縮してしまった心に酸素を次々と送り、膨らませ、また生き返らせるような、希望と力を感じさせる力作です。立ち上がりまた一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。その上で9曲目エルガーの愛の挨拶、10曲目の《ジャンニ・スキッキ》から私のお父さん。朝焼けのような清々しさと美しさが同居した作品は、これまでの情景とは一転して眩いばかりの光の世界です。慈愛と未来、優美と気品を心で受け取ることができれば、確実に状態は一歩前進していることでしょう。私のお父さんの歌唱は、米国随一のソプラノと評されるオペラ歌手ルネ・フレミングによるもの。前季2014~2015年のNYメトロポリタン・オペラで上演されたレハール作曲《メリー・ウィドウ》のハンナ役は素晴らしかったですよね。

どんなに美しい楽曲も終演の時が来るように、あなたの心の混沌にも必ず終焉の時が来ます。その渦中にいる今はそれをとても信じられないかもしれませんが、本CDを繰り返し何度でも集中して聴くことで、その終焉の時と光の存在を信じられるようになることを祈っています。またこれら稀代の名曲を作った作曲家の中にはあなたと同じ深さと孤独さで心の闇を抱えていた作曲家も少なくありません。創作活動でのみ救われ自己を解放することができた過去の偉人たちにも、機会があれば心を寄せてみてください。


ワーグナー愛が強すぎて・・・

今回のCD「藤本先生の聴くだけでスッキリ!」シリーズ全31曲に、僕の敬愛するワーグナーの曲を敢えて入れませんでした。

入れなかったことで僕をよく知る知人友人からは

「あれ? ワーグナー一曲も入ってないの? 藤本先生がワーグナーを入れないなんてどうしたの!?」

と口々に言われてしまいました。

 

今回のCDは3枚それぞれに名曲ばかり良いバランスで仕上がっているという思いに変わりはありませんが、公正であることに些かこだわりすぎて、自分の個性を控えてしまったところはあるのかもしれません。

僕はワーグナー愛が強すぎるところがあるので、客観性が持たせられないと思ったのと、玄人好みの曲が多いので万人に理解してもらえないのでは?と思ってしまったのですよね。

 

ですが、もう一生CDを作る機会なんてないかもしれないと思うと、夜な夜な後悔の念に駆られています。

こんなに好きなのに、なぜ一曲でいいから入れなかったのだろう?

さまよえるオランダ人や、ニュルンベルクのマイスタージンガーの序曲、ヴァルキューレの騎行・・・この辺りであれば耳に馴染みのある人も多く、テーマの中でも曲順を考えればうまく盛り込むことが出来たかもしれないのに。

海外の演奏会ではワーグナーを聴きに来るのは男性ばかりです。

男性を魅了し勇気づける何かがあるのでしょうね。

こちらはニューヨーク・METメトロポリタンオペラでトリスタンとイゾルデを観たときの写真です。

ダニエル・バレンボイムはユダヤ人ですが、ナチスを彷彿とさせるワーグナーの曲をイスラエルで初めて公演し、賛否両論受けましたよね。

こちらは2013年にワーグナーの200周年を祝いにドレスデンに行った時のもの。

ゼンパーオーパーは内装も素晴らしかった。

 

翌日の新聞にはティーレマンとカウフマンのトークショーが一面に掲載されていましたよ。

 

こちらはワーグナーの聖地バイロイト。

 

バイロイトの古本屋で見つけたニュルンベルクのマイスタージンガーの楽譜です。1903年版。

 

 

 

ワーグナーに心酔した、ルートヴィッヒ二世がワーグナーの世界観を実現化させたノイシュヴァンシュタイン城にも訪れました。

ロンドンはコヴェントガーデンでもワーグナーを観ましたね。

 

こちらはライプティヒで行われた200周年の演奏を収めたCDです。

 

カール・ベームが1975年に東京でN響を率いて演奏した音源。

 

ニュルンベルクのマイスタージンガーが演奏されました。

 

こちらは巨匠ショルティの指揮によるタンホイザー。

評価の高い名盤CDです。

 

こちらはクリニックFで良く流す、バイロイトワーグナーのオペラ全集です。

 

ああ、こうして名盤を並べてみるとやっぱり悔やまれる・・・

 

序曲でいいので、たった一曲でいいので、ワーグナーの曲を入れればよかったです。

 


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