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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

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慶應義塾大学薬学部で打ち合わせ

今日は薬博論文と次回の実験の打ち合わせに来ました。

やっぱり教授の指摘は的確だなあ。

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あまりに気持ちよくて紅葉狩りに行ってしまいそうですが、早速作業に取り掛かります。


「メディカルアロマセラピーの科学」実は、年内にもう一冊本が出ます

実は、年内にもう一冊本が出ます。

「メディカルアロマセラピーの科学」。

現在最終校正中です。

 

香水をつけて10分くらいの香り「トップ・ノート」、少し時間が経って20分から30分ぐらいの香り「ミドル・ノート」、大分時間が経って消えてしまうまでの香り「ラスト・ノート」。音楽のようにハーモニーを作り出す香りは奥が深いですね。

五感の中でも嗅覚と聴覚は特殊です。

人間の脳は、主に新脳と旧脳とに分かれます。

考えたり言葉を話したりするときに使われる新脳は、理論と倫理を組み立て理解し整理することに長けており、人間的営みや社会生活を送る上で必要不可欠です。

これに対し旧脳は食欲や呼吸、感情など本能をコントロールしていて、生命の維持に欠かせない役割を担っています。

ヒトが外界を認識する感覚機能、いわゆる五感は視・聴・嗅・触・味覚ですが、このうち視覚、触覚、味覚は大脳皮質の連合野において脚色され、過去の人生の記憶を含めた情報が補われることによって、初めて認知できる感覚です。

ちょっとマスクされてしまうと正確な情報刺激にはなり得ないのです。

例えば、TV番組でこんな光景を見たことはありませんか?

目隠しをしてワインを飲むと、グルメで有名な多くの芸能人たちが高価なワインを当てられない・・・。

逆にアルコールを飲めない未成年の方が、匂いだけで正解を当てたりすることがあり場が盛り上がる・・・

これはどんな人にも十分起こりうる現象です。

視覚と触覚、味覚というものは、そのほかの経験と情報に依存せざるを得ない。

それに対し、非常に原始的で独立している感覚機能が、嗅覚と聴覚です。

嗅覚と聴覚は、より原始脳に近いと言えます。

日常生活を思い出してみても生理的に避けたい嫌な臭いや音がありますよね。

例えば大好きな人と心休まる空間にいて心身共に満たされていても、生理的に嫌な匂いがそこに漂えばそれを意識が無視することはなかなか難しい。

匂いという目に見えない触れられないものに意識は捕らわれ、集中力は損なわれてしまうことでしょう。

聴覚も同様です。

好きな音楽や小鳥のさえずりのような心地よい音がその場に流れれば、思わず鼻歌が出たりうきうきと気分が盛り上がることもあれば、一方黒板を引っ搔くような嫌な音や子供の泣き声、人の叫び声などを聞けばその場は確実に乱れます。

嗅覚と聴覚からの感覚は、古い脳と言われる大脳辺縁系に直接刺激を与えるため、感動や恐怖といった人間の情動に対してより強い影響を与えるのです。

こうした脳の仕組みを理解していれば今回書籍で取り上げたアロマセラピーや音楽療法が精神の安定により多くの影響を伝えるのも理解できますし、またそういう意味でヒトのカラダを癒し整えるために医療以外の現場でできることはまだまだ多くあるように感じています。

たとえば、嗅覚や聴覚という感覚を通してダイレクト且つパワフルに脳に送られる香りや音楽の刺激及び信号は、痛みの緩和に利用することができます。

また、嗅覚や聴覚からの刺激を脳が上手に受け取ることで、さまざまなホルモンの分泌が促されます。

このホルモンには、痛みを鎮めるものもあれば、落ち込んだり塞いでいる気分を改善するものもあります。

加えて香りや音楽は自律神経を整えることにも利用できるので、痛みで緊張した心や体をほぐすことにもとても有効であるということが言えます。

それが間接的に痛みの軽減につながることは十分考えられます。

特に嗅覚について我々日本人は古来より強いこだわりを持ってきた民族であることが言えると思います。

限られた国土の中で隣近所の気配を感じながら生きざるを得なかったこの国では、季節の移り変わりを楽しみ、食や衛生、居住空間にも繊細さを求めることを日常としてきた歴史があります。

「風薫る」という言葉もありますが、もともと日本には古くから天然香木の香りを鑑賞する芸道「香道」というものがあり、香りを聞くことで楽しみ、また香りの効用による心身の浄化を試みたり、感覚を研ぎ澄ませたり、孤独感の解消や忙しい日々のリセットに用いられてきたと聞きます。

近年では90年代の頃よりアラビアやヨーロッパで行われてきた伝統医学アロマセラピーが日本でも普及し、香りの効用について文献も多く出ています。

脳に対し非常に大きな影響をもつ嗅覚からの刺激ですが、香りには好き嫌いもあり、また大病院のような場ではなかなか香りや音楽といったツールにこだわるところまで行けない現状もあります。

一方で本文の中でもお話ししていますが、これだけ大きな影響をもつものだけに、その特性を十分理解したうえで日々の生活に生かしていきたいものでもあります。

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本著をお読みいただくことで香りへの理解を深めていただき、日々の暮らしの中で生活環境を整えたり、痛みや不調の緩和などに香りを役立てていただくことができれば幸いです。

あなたにとって一番の主治医は本来あなたであるはずです。

ご自身が心地よいと感じる香り、癒されると思える匂いを意識し、脳が集中しリラックスできる環境を整えるということを、改めて考えていただきたいと思います。

それによって痛み止めの薬を常用する機会がきっと減るはずです。


2001年 和楽 柴門ふみさんに

そう言えば、僕を最初に漫画で描いてくださったのは「紫門ふみ」さんだったのを思い出しました。2001年の「和楽」での掲載でした。

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あの東京ラブストーリーの柴門さんが取材に来ると大騒ぎだったのですよね。

 

その後、紫門さんの医療漫画&フジテレビドラマの「小早川伸樹の恋」の医療監修もさせて頂きました。

 

もうこんな機会はないでしょうね。

 

機会や人に自分は本当に恵まれてきたのだなあ、とありがたい気持ちと共に時々感傷的になります。

 

こんな天気だからかなあ。

 

 


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