新型コロナウイルスがなぜ怖いと感じるか?
それは未知なものだからですよね。
生物の歴史で、未知なものを避けるというのは本能に備わった生体防御のシステムと言えます。
僕は、医学知識や薬学の知識がある程度ありますので、RNAウイルスの動態がおおよそ推測できます。
今回の政策の乱れや齟齬を、ある意味、達観してみているのだとは思います。
ウイルスに対してできること、やっても意味がないことが分かっているので、ブレもないのだと思います。
首都のロックダウンも良いですが、経済に打撃を与えることが必至で、その前にやることが沢山あるだろうという感じですね。
人工呼吸器も良いですが、やはり間質性肺炎が進んだ重症症例に対してはECMO extracorporeal membrane oxygenation つまり「体外式膜型人工肺」が必要になるので、この機器の確保が今後の課題にはなると思います。
そもそも、恐怖には、見える恐怖と見えない恐怖があります。
見える恐怖は、目の前の猛獣のような外敵、危険な場所。
これは動物にも感知できますが、人類は恐怖に対する想像力があります。
これが見えない恐怖を引き起こし、例えば、暗闇それどころか、悪魔や怨霊といったものを想像し恐怖を感じるのです。
しかしながら、こうした恐怖は、学習することによって克服できるはず。
昔は悪魔や怨霊、神の与えた罰と考えられていたものが、多くの病原菌やウイルスの影響だと分かってきたことで学習され、恐怖が押さえ込まれたのです。
この機序に、脳内にどういったメカニズムが働いているのかなあと論文を探してみましたが、Nature Neuroscience2017年に興味深い論文を見つけました。
未知のものへの恐怖は、そもそも学習によって、脳内には抑制するシステムがあるというものです。
恐怖体験が予兆なく起こると大脳の扁桃体外側核という部位が活性化します。
これにより、体内が過緊張となり、自律神経が過剰に活性化して、眠れなくなり、体がリラックスできなくなるのです。
ところが、恐怖の状況が理解され、事前にわかるようになると扁桃体中心核→中脳水道周囲灰白質→吻側延髄腹内側部というルートが活性化されて、恐怖による脳刺激を押さえ込むことができると。
英語と適切な知識があればいつでも医学論文が検索できて、様々なことが理解できるようになりました。
素晴らしい時代ですよね。
知的好奇心を満たすために、日々勉強ですね。