日本美容外科学会で招待講演した内容を論文としたものです。
日本の医療法人の株式会社化を含めた転換策についてまとめました。
https://takahirofujimoto.com/blog/blog/diary/management/post_2600/
日本美容外科学会で招待講演した内容を論文としたものです。
日本の医療法人の株式会社化を含めた転換策についてまとめました。
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桜の季節になると写真を撮りに行きたくてそわそわしてしまいます。
今年の千鳥ヶ淵は自粛ムードでいつもと変わってしまうのでしょうか。
春はこうした儚くも胸を打つ「美」がいつにも増して身近にありますね。
こちらは数年前に僕が千鳥ヶ淵で撮った写真です。
以前、美をテーマにしたサロンのプロデュースにあたり、こんな文章を書きました。
人間以外の生物に、美を認識し語り愛でることのできる能力は確認されていません。
山を神々しく照らす朝日も、藍のグラデーション豊かな大海原も、
咲き誇る花々や跳躍のしなやかな動物たちも
この宇宙に溢れる色彩や音、形、光は、
源を辿れば美のために存在するわけではありません。
神により与えられた任を全うし、時間の中で機能を果たし、
最後まで淡々と生きていくためにあるものです。
それらに「美」というギフトを見出すのは、
人間という巨大な脳をもつ生物のみであるという事実に、僕は心震えます。
ある対象を見て、聞いて、触れて、感じ、それを「美しい」と認識し、
記憶する旧脳と新脳による対話から美は解釈、決定づけられますが、
時の中で美は水のように形を変え、与えられた称号は決して永遠ではありません。
美には様々な定義がありますが、その理屈付けは進化する新脳により作られた
臨時の”ルール”に過ぎず 理屈を取っ払えば、
美とはつまり「脳が悦ぶこと」そこに尽きるからです。
そして、人の数だけ、美には正解がある。
クリニックFを立ち上げ10年が経過しました。
ここでの診療で僕は一貫して「自己肯定」が美への最短の
近道であることを唱えてきました。
美が脳の中にしかない以上、自分以外の他人のようになることよりも、
自分をまず肯定する癖を脳につけ
自分にあるものを見つめなおしそこを伸ばすことの方が合理的だからです。
しかしながら、月日の中で医療だけではなかなか攻略できない領域も
認識せざるを得なくなってきました。
美しくありたい、美しくなりたい、美しいものが見たい、
という人間特有の欲望を、多角的にどう叶えていくのか。
自分の脳をいかに悦ばせ、美へとより近付くのか。
新しいプロジェクトではそこを考えていきたいと思います。
世の中の健康関連事業を科学的に解明するために、物理学、化学、生物学で学んだ研究考察手法(Reserch)を用いてゆく。
さらに、企業と健康ビジネスをつなぐために、MBAの知識や企業コンサルやIPOの経験を用いて商材の技術革新(Innovation)を進め、最終的にはマネタイズする。
いわば僕が行いたいことは、理系のコンサルティングファームの一人版。
僕の経営する株式会社BioFoticはそんな会社です。
ヘルスケア系の企業から、「エビデンスが無い」と言われてしまうので何とか立証出来ないかと相談を受ける事が多いのですが、ではエビデンスと言うのは一体なんでしょうか?
僕も理系のコンサルティングファームとして、いわゆる理系の謎解きを生業としてきました。
今まで、医学、工学、薬学つまり、生物学、物理学、化学の自然科学の博士号と、経営学の社会科学の修士号を取得してきましたが、これはそれぞれの学問での立証論理方法を学ぶために必要な過程でした。
物事を数式で立証するか、化学式を用いるか、PCRなどを用いてDNAなどの塩基配列を見出すかという事です。
西洋医学の世界では、統計学的に有意差が出るかという点を重視する論文が多いのですが、そもそも統計学をエビデンスの立証に選択する以上は5%は無視しています。
どんなに素晴らしい薬でも、5%の人には効かない可能性があるのです。
英文論文があると根拠にしている企業も多いですが、英文論文の採択率が50%を超える雑誌も沢山あります。
つまるところ現在の英文論文なんて、単なる仮説の一つに過ぎません。
もちろん、信頼度の高い論文誌に、マルチプルな検証総論が出ているものが、最も信憑性が高いといえますが、生物学にはそもそも100%例外がないという事象はありません。
ではどうすればエビデンスを立証できるのか?
誰もが納得できるためには、結局自然科学の立証方法を利用した上で、演繹法もしくは帰納法で理論構築するしかないのです。
自分は仮定理論の上に、さらに理論武装して解を解く、演繹法が得意ですので、その手法をとる事が多いのですが、こうなると文系と理系の再統合が必要になりますよね。
今後は統計学の時代は終わり、AIを用いたビックデータの直接比較検討ができる様になりますし、さらに量子コンピューターが数年で開発されると、演算機能が飛躍的に上がり、実験もしなくて良い状況になります。
我々医師は、まさに自然科学の立証法がパラダイムシフトをおこす、その岐路にいるのです。
さらに、せっかくエビデンスを立証しても、すぐに経営的にメリットとなるとは限りません。
エンゲル係数で有名な経済学者エンゲルは、新しいものが売れるためには、「奇跡的な効果」が実感できないとビジネスにはならないと言っています。
今は企業努力により、良い製品ができているのは当たり前、良い物を作れば売れる時代は終わりました。マーケティング自体がもう古い考えとも言えるのです。
やはり、市場の既存の価値観を変える様な、新たな価値を提供する知的財産ビジネスモデルの模索が、今後企業が行うべき方向性なのでしょうね。
世の中の全ての企業は、ヒトモノカネを用いて情報を得て、「お金を稼ぐこと」を目標としますが、医療企業は、ヒトモノカネを用いて情報を得て、「医療のクオリティを上げる」ことを目標とします。
医療と経営はもともと相反するもので、両立のバランスが極めて難しいのです。
僕は医師であり、MBA保持者であるということで、企業から医療機器や化粧品原料、サプリメント、医療施術などの効果証明研究や、健康系ビジネスの経営コンサルタントを受けることが多くなりましたが、過去の事例のない事象の立証を、最も効率よく行うための最適解を見つけ出すことが、自分の最も得意な分野なのではないかとと思うようになりました。
考えてみれば、美容レーザークリニックの医師も、多くの可能性(いわば多次元方程式)の中から、患者さんにとっての最適解を見出して、提案することが仕事。
つまり長年個人コンサルタントのトレーニングをしていたわけですよね。
自然科学系の学問と違って勝つための戦略は数える程なのに、それでも経営が面白いところは、時と運により百社百様の戦術を展開して、時には一発逆転勝利が狙える事なのでしょうね。
追いつめられてボロボロになっても、追いつめられたからこそ絞り出された知恵により起死回生の一手を打ち息を吹き返すこともある。
思いがけないトラブルに見舞われて倒れても、それが何かのヒントをもたらし、それまで以上に大きくなることもある。
もちろんその逆もあるわけですが。
答えがバラエティに富んでいるので創意工夫で何通りも挑戦できるのが、経営の醍醐味なのだろうな、と人生の先輩ともいえる様々な経営者の方々とお目にかかってお話を伺うと、そんなことを思います。
そして、50歳を目前に若輩者ながら確実に僕が理解したことはと言えば、
ではその目指す「勝利」とは一体どこにあるのか、ということが経営者自身の中でも時や経験の熟成の中で形が変化していくということです。
戦略も、勝利そのものも、有機的で粘土細工のように形状変化するものなのですよね。
病院というカテゴリーの中のささやかなクリニック経営をしていますが
経営者として自分はクリニック経営には向いていないんじゃないか。
医療に関してはどこかの研究施設で研究者に徹し、それとは別に自分の好きな機器やテクノロジーをテーマにした企業を別に作り、その経営者になることを考えたほうが良いんじゃないか。
この点を随分悩みながらもう15年以上経ってしまいました。
クリニックの目指す勝利は、ゴールにたどり着くことではなく、患者さんとの間の関係構築と維持にある、という結論に最近辿り着き、それにより少し肩の力は抜けたかもしれませんね。
勝つための戦略は数える程なのに、自然科学系の学問と違って経営が面白いところは、時と運により百社百様の戦術を展開して、時には一発逆転勝利が狙える事なのでしょうね。
答えがバラエティに富んでいるので創意工夫で何通りも挑戦できる。
逆に人真似やコピーでは勝てる筈がない。
ビジネスモデルのコピーで勝てるのは、参入障壁が低い分野だけですよね。
そして、クリリニックの経営の場合、患者さん満足度が至上の目的になりますし、それが経営に繋がると思います。