TakahiroFujimoto.com

HOME MAIL
HOME PROFILE BOOKS MUSIC PAPERS CONFERENCES BLOG MAIL CLOSE

BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:中南米 バミューダ編

フラクセルとサーマクールの新機種デビュー

さて、学会内でソルタ・メディカル社の技術者であるレン博士に再会しました。

彼はレーザー工学医学会の中でも指折りの優秀な技術者。

以前のブログ、レーザー機器の進歩にかかわる重要人物でも彼のことを書きましたよね。

そもそもフラクセルの理論を作り上げたのは彼の功績なのです。

そんな彼がまた新しい技術を投入しましたよ。

NEWフラクセルがリリースされたのです。

「Restore More(フラクセル・レストア・モア)」。

実はこのコントロバーシーズが、事実上この新しいフラクセル世界リリースの日。

フラクセルを扱う世界中のディストリビューターも、この日までリリースに関連する情報をほどんど誰も知らなかったようです。

「フラクショナル・レーザー・リサーフェシング」という理論がこの世に出たのは2004年のダラスの米国レーザー学会でした。

僕もその時会場にいたのですが、画期的な理論に会場がどよめいたのを覚えていますよ。

その後、多くのレーザー会社が追従してこのフラクショナル機能を付加しましたが、ソルタ・メディカル社が販売する「フラクセル」は、その名が示すとおり、誰がなんといってもフラクショナルレーザーの元祖です。

ここからレーザーの新しい章が始まったのですから。

NEWフラクセルの特徴は、今まで使用してきた1550nmの波長に加えて、1927nmの波長をDUALに使用できるようになったことです。

レーザー波長の水の吸収率を考えると、もう少し侵襲度が上がった感じでしょうか。

あちらでつくられるパラメーターは白人用ですので、そのまま日本人の肌に適応できるかどうかはわかりませんが、どんな反応が出るのか楽しみですね。

9月にアメリカで販売開始。

日本に来るのは数ヶ月後だと思います。

また新機種を買わなければならないのか…。

と一瞬目の前が暗くなりましたが、現行の機種をアップグレードすることが可能だとのこと。ちょっと安心しました。

クリニックFも、11月頃に向けて早速アップグレードの準備をしないと。

さらに同社サーマクールもCPTシステムという新しいエネルギー・デリバリー・アルゴリズムを開発し、痛みが少なく、さらに効果が高い機器の構想がほぼ固まったとの発表もありました。こちらはパンフレットは上がっていませんでしたが、非常に興味ありますね。

クリニックFでは、新しいレーザーを入れてから日本人に合ったパラメータを再度決定しますので、「フラクセル・レストア・モア」や「サーマクールCPT」の臨床デビューが決まりましたら、またこのブログでご報告しますね。


ニキビ跡にはブリッジセラピー? eCO2?

コントロバーシーズの初日は、

「アブレイティブ・フラクショナルレーザーの比較」

「現在の脂肪溶解の機器のデータ検討」

「ニキビ・乾癬により効果的なレーザー/光機器がなぜ無いのか?」

「今日の最も優れたフィラー選択」

という四つの演題が検討されました。

中でもニキビ跡に効果のある、アブレイティブ・フラクショナルレーザーの比較演題は、興味深いものでした。

現在販売されており、真皮まで入り込むフラクショナル・レーザー機器はスライドの写真にある7機種。

ニューヨーク大学の臨床教授で、自身のクリニックもNYCに持つRoy Geronimus医師は僕も所属する米国レーザー医学会(ASLMS)の重鎮の一人です。彼は6つの指標によってフラクショナルレーザーを分類し臨床経験を述べていましたが、非常に勉強になりました。

どの機器が、どのような症例に優れているか?きっちりと情報をもらってきましたよ。

同時に、これらの機器による火傷や色素沈着などの副作用報告も多くなされていますし、ひどい副作用の写真も沢山提示されました。

さすがコントロバーシーズです。

結局、高侵襲型のアブレイティブ・フラクショナルレーザーは、単にメーカーから推奨されたパラメータで照射すれば良いのではないので、他のレーザー光治療器と比較して、照射する医師の経験の差が、効果に出やすい。

と結論されていました。

「良薬口に苦し」ではないですが、効果のある機器は当然副作用も大きくなります。

副作用をなるべく減らして、効果を最大限に引き出すことに、医師の経験と技術がある。

このあたりは、非常に納得です。

レーザー/光機器は、効果も高いですが、所詮は「道具」のひとつ。

同じ機械を使ったから、同じ効果が出るというものではありません。

どのように使いこなすかは、医者の腕にかかっているということですよね。


コントロバーシーズ イン バミューダ

翌朝目が覚めて窓の外を見ると、こんなに素晴らしい景色が見えます。

さっそく海に行きたいところですが、この「コントロバーシーズ&カンバセーションズ」という学会は、朝7時から始まるのです。

7時前に会場へ行ってみると、もうこんな賑わい。朝食を兼ねて、久しぶりに会ったドクターたちに挨拶します。

この学会、もともとハーバード大学ロックス・アンダソン教授の門下生が始めたレーザー治療医師たちの同窓会のようなもの。

もう20年近く開催されています。

毎年8月に3日間リゾートホテルで開催され、医師たちがレーザー機器について本音で語り合う。

という趣旨の学会なのです。

こちらの写真。ロックス・アンダソン先生です。ロックスが鋭い発言をすると、時に会場から拍手が湧きあがります。

「この機械はメーカーが言うほど効果がない」

「指示通りの照射をしたら、こんな副作用が起こってしまった」

「こんな新しい技術の機器を開発実験している」

「数あるヒアルロン酸などのフィラーやボトックスの商材の使用感の違い」

などなど。

普段はメーカーサイドから絶対に聞けない、しかもレーザーの専門医としては知っておきたい情報の宝庫なので、辺鄙なところで行われるとしても、僕の学会出席の優先度としては非常に高く、いつも楽しみにしている学会なのです。


フェアモントにチェックイン

JFK国際空港に戻った時には、ちょうどチェックインに間に合いました。

さて、アメリカンエアラインに乗り換えて、NYからバミューダまでは約2時間半。

バミューダ空港に到着した時は夜でした。

ちょっとピンボケしてしまいましたが、こんな場所でしたよ。

バミューダにはレンタカーがありません。

タクシーで会場のFairmont Southamptonについたのは日本を出発して24時間後。

夜も更けていました。


バミューダ諸島から

NYでトランジットしてバミューダ諸島にやってきました。毎年この季節に開催される「コントロバーシーズ&カンバセーションズ」というハーバード大学系の皮膚レーザー学会が、今年はこの地で開催されているのです。

日本を出発してから到着するまで、なんだかんだで約24時間かかりました。

本当に遠いですね。

僕のバミューダ諸島の知識は、バミューダトライアングルの話と、名探偵シャーロック・ホームズの話の中に出てくる、

「ワトソン君、僕はこの事件が終わったら2ヶ月ぐらいバミューダにバカンス行ってくるよ」

という台詞。

どんなところなのか興味を持ってきました。

NYから飛行機で約2時間半。大西洋上にぽつんと浮かぶこの島は、イギリス領ではあるのですが、独自の自治を敷いています。

パスポートのスタンプもバミューダ独自のものでした。

ちょうどこの時期、日本との時差は12時間。

日本の昼の12時が夜の12時。昼夜逆転して考えれば良いので、時計を合わせる必要がなさそうです。

地球上で日本と時差がピッタリ12時間という場所は意外と少ないんですよね。ある意味貴重な場所かもしれません。

ネットの環境は悪くはないのですが、写真をアップするのがあまりうまくいかないようなので、日本帰国後になってしまいそうです。

とはいっても、まだホテルの客室と会場を行き来しただけで、たいした写真はまだ撮れていないのですが・・・(苦笑)。

窓の外には、真っ白な砂浜。

今日の午後には行けるかな?


カテゴリー