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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:北米 マイアミ編

■2013年3月 マイアミ AAD全米皮膚科学会出張⑬ ヘミングウェイの家

おはようございます。

今日3月26日はクリニックFの診療日です。

このところ、花見や博多などのイヴェントがありましたので、マイアミブログ、ちょっと遅れていました。もう来週には日本形成外科学会や、ボストンの米国レーザー医学会(ASLMS)での講演や発表がひかえています。

早めに上げてしまいますね。

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キーウェストを訪れる人にとって外せない場所がもう一つありました。

それはアメリカを代表する小説家の一人 アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ(Ernest Miller Hemingway)が住んだ家です。

1899年に、医師の父と元声楽家の母の下、六人兄弟の長男として生まれたヘミングウェイ。『誰がために鐘は鳴る』『武器よさらば』、大きく評価されノーベル文学賞受賞に繋がった『老人と海』。短編には簡潔文体の作品が多く、これらはダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーと後に続くハードボイルド文学の原点とされていますが、その文学性だけでなく人物としての彼にも時代を超えて沢山の人々が魅了されてきましたよね。

僕もこれらの小説は高校生の時に読みましたが、1961年にうつ病を罹患してライフルで自殺したという彼の経歴に驚いた覚えがあります。

ヘミングウェイは世界中の様々な場所に居を構えましたが、現在生誕地でもあるアメリカのイリノイ州オークパーク(シカゴ周辺)、長く住んだフロリダ州キーウェスト、キューバのサンチアーゴ・デ・パウラの三つが公開されているのだそうです。

そんなキーウェストの家に行ってみました。

日曜日でしたので、通り沿いに多くの人が集まっています。

こちらの建物のようです。

建物自体が博物館として旅行客に公開されていましたが、立ち寄る時間は残念ながらなし。

この家には「ヘミングウェイの猫」と呼ばれるヘミングウェイが飼っていた多指症のネコの子孫たちが50匹以上も住んでいることも知られています。

これらの猫は近親交配の結果か足の指が6本ある多指症で、ヘミングウェイは幸運を呼ぶ猫だと信じていたのだそうです。

この指が6本ある「多指症」は、人間の場合、1000人に2人の頻度で比較的多く起こる疾患の一つです。

僕も大学病院にいたときに何度も見たことがありますし、実際に豊臣秀吉や、作家のサリンジャーなども6本指だったといわれています。

インパクトがあったのは、映画「羊たちの沈黙」の、ハンニバル・レクター博士もそうでしたね。

そして、ピアニストのリスト。

どんな曲でも初見で弾きこなしたと言われ、超絶的な技巧を持つ当時最高のピアニストで「ピアノの魔術師」と呼ばれていたそうです。

その技巧と音楽性から、ピアニストとして活躍した時代には、「指が6本あるのではないか」ということがまともに信じられていたのだそうです。

実際にはリストが6本指であったという記録はありません(笑)ので、やはり演奏が天才的だったのでしょう。

是非聴いてみたかったものです。


■2013年3月 マイアミ AAD全米皮膚科学会出張⑫ アメリカ本土最南端 キーウェストへ

おはようございます。

今日3月18日(月)はクリニックFの診療日です。

昨日の日曜日はお休みを頂き、友人達と千葉県までゴルフに行ってきました。

マイアミ滞在中に一度プレーできましたので、今月二度目のゴルフでした。

そうそう、アメリカのゴルフ場では、最新のクラブをレンタルできることが多いのです。マイアミのゴルフ場で借りたレンタルクラブは、一度使ってみたかった白ヘッドのテーラーメイド ロケットボールズ ボンデッド ドライバー USモデル。

出てきたときは、「おっ!」と思いました(笑)。

とはいえ、レンタルクラブを使ってしまうと、素人でも調子が狂うこともありますよね。

僕の場合は特に自分のショートアイアンの距離感覚がずれてしまうことがあります。

昨日は、ドライバーの調子は良かったものの、反面ショートアイアンがまとまらず、スコア的にはレンタルクラブで挑んだマイアミでのスコアよりも悪く、ちょっと・・・いや、かなりがっかりしてしまったのですが、それでも青空の下桜の花も咲き始めた中でのゴルフは楽しかったです。

良い気分転換になりました。

今日は朝早く起きてしまいましたので、マルタ・アルゲリッチのリストのピアノ協奏曲を聴きながら、工学博士論文のために、自分の書いた英論文を訳す作業をしています。

この歳になって臨床の合間に研究をしようと思うと、まとまった時間というものはほとんどありませんので、数十分単位の隙き間時間に頭をフル稼働させて集中して仕上げて行くのが僕のスタイル。

ちょうど一段落つきましたので、今月訪れたフロリダ州キーウェストの話を書いてしまいますね。

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いよいよ車はキーウェストへ。

こちらのグーグルマップをご覧ください。

フロリダ半島の先端です。

マイアミからオーバーシーズ・ハイウェイが島の間に伸びているのがわかりますか?

こちらの左下に見える最終着点がキーウェスト。

キーウェスト自体が大きな島なのですが、その中でもまずはキーウェストのアメリカ本土最南端の地、サザンモストポイントを目指します。

この場所にはモニュメントがあるのが有名です。

ナビで向かってゆくとたくさんの人が集まっている場所がありました。

こちらのモニュメントの約145kmの沖にはキューバがあるのです。

オーバーシーズハイウェイでマイアミビーチから300km近くありましたので、マイアミよりも遥かに近いところにキューバがあると思うと、感慨深いですね。

日曜日ということもあって、観光客が写真を撮るために並んでいます。

僕はレンタカーを停めてちょっと写真だけ撮らせていただき、すぐに移動。

本当はこのモニュメントが米国本土の最南端の地ではなく、横にある米軍の基地内に最南端の地があるのだそうです。

望遠レンズで撮ってみました。

この日は夜にも会食の予定がありました。

夜に帰るとしたら、1時間ばかりしかキーウェストにいられません。

あとは美しいビーチを散策です。

自慢の車に乗った男の子にも会いました。

平和で本当によいところですね。

この地は鳥の楽園です。

海辺でカモメも佇んでいます。

さらに驚くべきは巨大なペリカンです。

3m以上の大きさのペリカンが、水上で獲物を探して急転直下。

見事魚をとらえる様は、感動でした。

駐車場を見ると、車での旅行客も多かったですが、大型バイクも沢山停まっていましたよ。

僕は乗りませんでしたが、キーウェストの観光地を周回する汽車の形をした車の様です。

キーウェストはヘミングウェイが長年住んで執筆した場所としても知られています。

マイアミに帰る前にヘミングウェイの家に行ってみることにしました。


■2013年3月 マイアミ AAD全米皮膚科学会出張⑪ キーウェストへの長い道のり

翌朝は日曜日。天気が良ければ、キーウェストに行きたいと思っていました。

目が覚めてホテルから窓の外を見てみると、この通りの晴天。

今回の滞在中は連日天気が悪かったので、キーウェスト行きはほとんどあきらめていたのですが、この天候であれば行けるかもしれません。

マイアミ―キーウェスト間は片道約4時間。

3年前にセブンマイルブリッジまで行った時に、途中のハイウェイは信号も渋滞もほとんどない一本道というのを確認しています。

急遽予定を変更して、レンタカーを借りることに。

車を借りて、マイアミビーチを走ります。

今はナビゲーションがあるので、ほとんど迷わずに目的地まで着ける様になりました。

ビーチからダウンタウンに向かう橋。

豪華客船が停泊していますね。

 

一路キーウェストを目指します。

キーウェストにはフロリダ半島から続く国道US-1号線が通っています。

ここでいうキーとは、珊瑚礁などでできた島のこと。

島(キー)から島(キー)へと珊瑚礁の海の上にかかる橋を渡っていくこの道路は、「オーバーシーズ・ハイウェイ」と呼ばれています。

キーラーゴ、アイラモラーダ、マラソン、ビッグパインキー、サマーランドキー、カジョーキー、ビックコピットキー・・・などの街と島を通過して行くこのハイウェイは「アメリカ合衆国で最も美しいハイウェイ」とも言われているそうです。

マイアミビーチからキーウェストまでは約300kmの道のりです。

こちらがオーバーシーズ・ハイウェイの景色です。

4時間という時間が全く苦にならない、本当に楽しいドライブです。

途中、数多くのペリカンに遭遇しました。

マイアミ出発から3時間半後、セブンマイルブリッジにさしかかった頃、雲行きが怪しくなってきました。

晴天を予想していただけに、ちょっと残念な展開。

セブンマイルブリッジを渡る頃には大粒の雨が降ってきました。

20分ほど経過して、雨は上がり、またこのような天気に。

亜熱帯の気候ですので、こういったことがあるのでしょう。

 

特にセブンマイルブリッジから先は珊瑚礁の色も変わり、待望のキーウェストにいよいよ到着です。

 

 


■2013年3月 マイアミ AAD全米皮膚科学会出張⑩ ピコ秒レーザー 学会会場展示場のレーザー機器の新発表

AAD米国皮膚科学会、今年の展示会場です。

レーザー医療界にとって今回最も大きなトピックは、やはりピコ秒レーザー機器の登場でしょう。

数年前から噂のあったこの機器。

サイノシュア社からようやく登場です。

 

こちらは本邦初公開?

ピコ秒医療レーザーの写真です。

755nmのアレキサンドライトレーザーをベースとして、750psのパルス幅で照射ができます。

パルスエナジーは200mJなので、十分臨床利用が可能。

 

レーザー治療上、機器より発振するパルス幅は、非常に重要です。

1秒からスタートして、照射時間を1000分の1に短くしてゆくと

秒→ミリ秒→マイクロ秒→ナノ秒→ピコ秒→フェムト秒→アト秒

・・・と、呼び名が変わるのです。

ちなみに工学系ではピコ秒の百万分の一の単位であるアト秒レーザー機器まで開発されています。

アト秒レーザー機器を使用すると、分子ばかりか原子の動きまでを測定できるのです。パルス幅に関しては、医療レーザーとは隔世の感がありますね。

今まで医療の分野ではナノ秒発振機器が最短でした。

これを超える短いパルス幅が出たことは、医療の進化におけるひとつの歴史ですよね。

ちなみに機器の価格は約3,000万円だそう。まだ高額ですが、今後の臨床適応例が増えてゆくのが楽しみです。

こちらはCUTERA社のブースですが、同じように実験段階ではありますが、Nd:YAGレーザーのピコ秒レーザー機器がR&Dグループで開発されている情報が展示されていました。

ヤグをベースにレーザー機器を作ると、まずNd:YAGの1064nm及び半波長のKTP532nmが出力できます。こちらを250psで発振する技術が可能になったというわけです。

これが今回の発表です。

さらに、YAG波長のもともと持つ1320nmを半波長にした659nm。

そして、457nmという波長を現在開発中なのだそうです。

このように波長が揃ってくると、最もメリットがあるのは刺青、タトゥーの除去。

◆1064nmは黒に

◆532nmは赤に

◆659nmは緑に

◆457nmは黄に

それぞれ反応させることができますので、今までとくに難しかった緑色や黄色のタトゥーを除去することができます。

興味深いですよね。

こちらはパロマ社。

スターラックスよりも、新しいプラットフォームのアイコンです。

そして、こちらVECTUS LASER。半導体をいくつも横に並べた新規の脱毛機器を発表しています。半導体レーザーは、小さくつくれる反面、熱の逃がし方が難しく、出力を上げるためには技術が必要です。

この辺りは工学的には非常に興味深いです。

こちらのブースはシネロン社。

 

新規発売となったeMAXの後継機種であるePlusもデビューしていましたよ。

先月本社に見学に行かせていただいた、カルフォルニアのサイトン社。

 

DEKA社なども多くの展示がありました。

こちらは近年一気に成長したアルマレーザー社。

アクセントウルトラの上位機種Accent Ultra Vです。

プラズマを利用したフラクショナルRF機器が新たに付け加えられるようになりました。

 

詳しい話を開発者に聞きたかったのですが、残念ながら時間が合わず。

ところが、ちょうど来週Alma Lasers社長でもあるDr.Karniの来日予定があり、1日半の日本滞在のスケジュールの中、クリニックFを訪問してくれることになりました。

学会会場でも注目を浴びていた機器だけに、とても興味があります。

いずれにせよ、AAD会場のこの混雑ぶりには、毎年のことながら驚かされますね。

 


■2013年3月 マイアミ AAD全米皮膚科学会出張⑨ オーパスワンを超えるワイン?DARIOUSH MEAT MARKET

 

おはようございます。

今日3月15日(金)はクリニックFの診療日です。

昨日は、しばらく「木曜恒例」となっている工学部大学院に向かいました。

投稿の準備が終わった新たな工学英論文の最終チェックと打ち合わせや、工学部博士論文の執筆について章立ての見直しなど、また教授にお時間頂きながら進めていきました。

「博士論文」と一言で言っても、各大学でルールが違います。

英文の論文を国際誌にいくつかアクセプトさせ、それらをまとめて博士論文にすることが多いのですが、日本の大学は博士論文を日本語で書いて提出する場合が多いのです。

自分で書いたものとはいえ英語の文章の言い回しを日本語に訳すのは、想像以上に手間がかかります。今後数ヶ月かけてまとめてゆくことになります。

また昨日はDEKAジャパンのスタッフに大学までお越しいただき、残された半年の大学院期間の間に、イタリアDEKA社との工学的な共同研究が可能かどうかも教授と打ち合わせをしてきました。

DEKA社の希望の主なものは、

「『マドンナリフト』の施術で必要なフラクショナルCO2機器である、スマートサイドドットおよびスマートサイドRFスクエアのCO2レーザーの性質を、他機種と比較することによってより特性をより引き出すことが出来ないか?」

ということです。

このブログでも何度も書いてきましたが、レーザー治療機器の場合

同じ波長を使用した機器ならば、同じ性質を持つのでは?

と考えてしまいがちだと思います。

実際には、「CO2レーザーフラクショナルレーザー機器」がいくつかのレーザー企業で開発されたとしても、各社でかなり性能の違いがあります。

たとえば同じスペックの車を作ろうとしても、トヨタとホンダでは技術が違うのは当たり前ですよね。

一方、レーザー機器の特性の違いは、いくつかの機種を使用した医師の感覚で発表されることはありますが、明確な性能の測定方法がなくて、医学的工学的に検討が難しかったのです。

工学的には、レーザーを肌に照射するときに発生する衝撃波をソナーで探知して比較したり、一様の条件で作り上げた人工皮膚に照射して収縮条件を調べたりと、臨床家としては、まだまだ検討しなければならないことは沢山あります。

常に患者さんを診ている限り、より良い診療をするために、疑問は果てしなく浮かび上がってきます。

しかしながら、解決策は過去の教科書どころか、最新の論文にもありません。

レーザー治療を科学として成立させるためには、こうした測定評価方法をもっともっと明確にしなければならず、この答えは、自分で見つけなければならないのです。

僕のようなレーザー治療という新しい医療分野を選択する人間にとって、この点が、知的好奇心を満たしてくれるところでもあり、研究をしたいと思う原動力でもあるのですね。

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さて、再びマイアミブログに戻りたいと思います

この日はCUTERA社のクリス社長にお誘いいただき、湘南鎌倉総合病院形成外科の山下理絵先生、そしてみずき皮フ科クリニックの榎堀みき子先生とご一緒させていただきました。

お店はクリス社長が選んでくれた、こちらの人気店「MEAT MARKET」。

マイアミの繁華街であるリンカーンストリートにありました。

 

AADの開催によって、マイアミでは一時的に2万人以上人口が増えていることもあり、予約がとりづらかった様です。

お店の内装はこのような感じで、雰囲気のあるお店でした。

ちょうどこの時僕は日本時間で誕生日を迎えていましたので、一足早くワインで誕生日をお祝いしていただきました。

中でもナパバレーで最近人気だというDARIOUSHの赤ワイン。

これは絶品でした。

もしかしたら、オーパスワンを超えるのではないでしょうか?

 

おいしい料理と楽しいレーザー談義に盛り上がり、あっという間に時間が過ぎてゆきます。

最後にリンカーンストリートで写真を撮りました。

クリス社長。おいしい料理をありがとうございました。

 

 

 


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