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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:北米 テキサス編

ASLMS米国レーザー医学会 2011② 会場の様子

テキサス州グレープヴァインで開催されている米国レーザー医学会の参加も二日目を迎えていますが、残念ながら最終日を残して一日早く明朝帰国します。

この学会は、レーザー機器を中心に、Science Technology Medicine (科学、技術、医学) の三分野を標榜する世界最大の学会。

本日は、新たなフラクショナルレーザー機器、フラクショナルRF機器、脂肪に対する痩身の機器等の開発テストを引き受けている先生が発表する演題もあり、来年度のレーザー医療機器のトレンドを考える上で、非常に興味深いものもありました。

僕も演題を出した、フラクセル re:store DUAL (日本では フラクセル 3 DUAL)の演題も、機器別では最も多く出ており、海外でのこの機種の注目度が本当に高いことを、改めて気づかされました。

日本でフラクセル3が使用されるのは、ニキビ痕や、毛穴縮小治療、そして最近では肝斑治療が多いのですが、老人性疣贅、actinic cheilitis (光線性口唇炎)、3度の熱傷後の肌の再生治療などなど、上記以外の症例への適応の発表も沢山あり興味深く聞きました。

学会に参加してまた新たな知識を蓄えましたし、展示会場見つけた面白い機器もありますので、帰国後に写真入りで、またこのブログでご紹介させて頂きますね。


ASLMS米国レーザー医学会 2011① レジストレーション

朝7時に学会会場に行き、参加登録をしてきました。

コングレスバッジをもらって、今回の僕の発表演題である、フラクショナルレーザーの比較演題のアブストラクトが載ったプログラムも確認してきましたよ。

とりあえず一安心です。

今回、日本人ドクターの発表は、ざっと確認したところ僕を含めて4名のようです。例年以上に少ないですね。

会場で、久しぶりに顔を合わせる先生も、日本から良く来たね。
とか原発は大丈夫とか、声をかけてくれます。

“Welcome to our Congress”といって握手してくれるのですが、ウェルカムという聞き慣れた言葉がイントネーションを変えると、こういった意味にも使うのかと、改めて気づかされました。

米国レーザー医学会American Society for Laser Medicine and Surgery (ASLMS) は、思えばリーマンショックの直前、2007年に元祖フラクショナルCO2レーザーであるフラクセル:リペアが発売された頃が、最も学会として力のあったときなのではないでしょうか。

ここ数年、新規の画期的な機器が出てこないこともありますが、30年以上も続いた学会でありながら、参加者も減りつつあるのはとても残念です。

フラクショナルCO2レーザーの話に戻りましょう。CO2フラクショナルレーザー治療を行なったが、結果が出ないといったご相談をクリニックFでも良く受けるようになりました。ちょうどNY滞在中にも、同じようなご質問のメールを何通か頂きました。

ここで簡単にフラクショナルCO2レーザーについてまとめておきたいと思います。

この種のレーザーは、ここ数年、模倣品含めて実に50台以上も出てきました。

CO2レーザー自体は既に確立されたテクニックで、OEMでも作成出来ますので、コストが下げられます。

それこそ僕自身でさえ、単純に試算しても原価10000ドル(80万円)以下で、CO2レーザーに簡単なスキャナ機能をつけたのみの“疑似フラクショナルCO2レーザー”を作成することが出来るのです。

しかしながら、これらの疑似フラクショナルCO2レーザーと、一流のレーザー機器メーカーが作り上げたフラクショナルCO2レーザーは、設計構造が全く違います。

ニキビ痕治療を考えている方は、フラクショナルCO2レーザー治療と謳われていても、機器自体の性能にあまりに違いがあるので、安い施術にすぐに飛びつくのではなくて、機器選択に注意が必要だと思います。

世界の学会で様々な先生方とディスカッションしますが、現状販売されている機器で、効果が望めるフラクショナルCO2レーザー機器は国内外含めて4機種しかないと僕は思っています。

フラクショナルCO2レーザーの最新情報についてはまた別途、このブログで触れようと思っています。

今回は帰国の日程を一日早めたので、聞ける演題も丸一日分、減ってしまったのですが、今年のレーザー医学会の情報とトレンドをしっかりと押さえてこようと思います。

 


テキサス州グレープヴァイン

NYから、NYラガーディア空港経由で2011年米国レーザー医学会が開催されるテキサス州グレープヴァインに移動してきました。

NYではいくつかの打ち合わせがあったのですが、どうしても日本の原発や、津波、地震の話題になってしまいます。

今回の事故に対して、僕なりの危機管理と解釈を述べるのですが、特に、原発の場合は、政府やマスコミから正確な情報がどこまでもらえているのかわからないので、非常に判断に困る場合があると話しています。

千葉県の水道で、正常値を超える放射性物質の検出がされたにもかかわらず、正常値に下がるまで発表がなされなかったという報道がありました。もしこれが事実であれば、危険を避けることが出来た人達の権利をも奪ってしまったことになり、人を守るための自治体の行動としては、明らかに問題がありますよね。憤りさえ感じました。

日本国民は賢いですし、正確な情報さえ与えられれば、それに対する判断が出来る人も多くいます。原発が水素爆発まで起こしてしまった今、パニックになる様なステージは既に過ぎていますので、得られた情報を少しでも早く開示してほしいと思います。

先日のニューヨークタイムズには、日本人の経済活動の「JISHUKU(自粛)」について紙面のページ丸一枚を大きく使って、他人を思いやるのは日本の良い文化であるが、日本の復興を遅らせるかもしれないと、解説されていました。

経済活動はすべて繋がっていますので、被災地以外では少しでも消費を上げて、経済復興に集中し国力を上げた方が、結果としても被災地を含めた社会経済の立ち直りは速くなることは様々な方が論じていますが、日本人のメンタリティを考えると頭ではわかっていてもなかなか実際には・・・ということもあるのでしょう。

NYCのいたる所で、日本の災害に対して追悼の意を表するといった掲示がなされていました。タイ王国が、発電所をひとつ丸ごと船で移動し、日本に無償貸与する計画があるという記事も読みました。

世界各国が日本に対して支援を向けてくれるのを肌で感じるのは、本当に嬉しいことです。

閑話休題

現在NYCには8枚のフェルメール作の絵画があります。そのうち3枚はフリックコレクションに、そのうち5枚はメトロポリタンミュージアムにあるのですが、たいていどれかは他の美術展に貸し出されていて、実は過去にも一度のNY滞在で、すべてを見たことがありませんでした。

最終日に2時間ぐらい時間が空いたので、だめもとで観に行ってきたのですが、わずか1時間あまりのうちに、広い二つの美術館の中から、まるで導かれたのように8枚すべての絵を見つけ出すことが出来、再会することが出来ました。

これは個人的には嬉しかったですね。

また帰国後に、写真を入れてブログにアップしますね。


2011米国レーザー医学会の演題名の変更依頼

今年の米国レーザー医学会ASLMS(American Society for Laser Medicine and Surgery)は3月30日より4月3日まで、テキサス州GRAPEVINEにある、Gaylord Texan Resort and Convention Centerで開催されます。

今年僕は、フラクセル3DUALによる、肝斑治療とニキビ跡治療についての演題を提出して、演題が通過したとの通知をもらっていました。

この学会ではこの10年間、ほぼ毎年発表をしているのですが、数えてみると、ちょうどこの演題が通算10回目の発表演題通過でした。

演題名はこちら

CLINICAL EVALUATION OF 1550nm and 1927nm LASER DELIVERED BY FRACTIONAL FOR ASIAN PATIENTS OF MELASMA AND ACNE SCARS

フラクセル3DUALの二つの波長、つまり

「1550nmと1927nm波長を使用したフラクショナル照射で、肝斑とニキビ跡の治療評価」

といった演題でした。

フラクセル3DUALは、日本で販売されているフラクショナルレーザー機器の中で特にニキビ跡治療については、最も効果を出せるものだという概略は、このブログでも報告させていただいています。

フラクセル3を使用した症例が、肝斑、ニキビ痕ともに最も効果が高かったので、この演題名にしたのです。

そして多くの症例写真とともに、スライドの中に一枚だけ、クリニックFで使用してきた数多くのフラクショナルレーザー機器を比較した、下のグラフを加えたのです。

このグラフは、アファーム、イーマトリックス、エコツー、フラクセル2、フラクセル3DUAL、イントラセル、モザイク、サイトンプロフラクショナル、アファームMPXの

「効果ーダウンタイムー満足度」

の比較です。

フラクセル3が、ダウンタイムが短く、効果と満足度が高いことがよくわかります。

ところが、今回の演題を確認していた学会エディターが、昨日アメリカから、こんな内容のメールを送ってきました。

ここまで多くのフラクショナルレーザーの比較演題は過去、演題として例がなく、非常に興味をもたれるので、題名を変更してはどうか?

急ぎで新演題名をメールしてほしい。

というのです。

そこで急遽、

CLINICAL EVALUATION OF  FRACTIONAL LASERS FOR ASIAN PATIENTS OF MELASMA AND ACNE SCARS

と「肝斑とニキビ跡治療におけるフラクショナルレーザーの比較」

という演題名に変更するとメールを入れました。

米国レーザー医学会(ASLMS)で、常に発表を引き受ける様な有名なドクターは、機器メーカーに機器を提供してもらっていることが多く、結果として企業寄りの演題を出すドクターが増えてきた現状があります。

このあまりに企業寄りの発表を、冷めた目でみてきた医師も多く、ここ数年のASLMSの参加者が大幅に減少しているのです。

これには学会主催者も頭が痛いのでしょう。

僕が出した演題のように、多くのフラクショナル機器メーカーの比較演題は、最も医師が知りたい内容なので、より注目を浴びるように配慮してもらえたのだと思います。

実際に学会会場でのディスカッションで、どういった意見が出てくるか、楽しみですね。


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