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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

カテゴリー:Fraxelフラクセル

加齢した肌を若い肌に「入れ替える」

「このシミをとりたい」

とおっしゃって御来院する方が、今でもやはり多いのです。

それは時に

「木を見て森を見ず」

・・・ということになってしまうのですが、初診でおいでになる方には時間をかけて説明しないとなかなかわかってもらえないことも。

そんなとき、僕はこんな話をすることがあります。

初めて会う人の年齢を想像するとき、どういった点で人は判断しているでしょう?

シミの有無や色の白さは、若さの判断基準に実はあまり関係がない。

それよりも

肌にハリと弾力があり、つやつやしている人が、より年齢が若く見られる傾向にあることは恐らく周りの「若々しい人」を見れば皆さんわかっていただけるのではないでしょうか。

レーザー治療にいらっしゃる方には、冒頭のようにレーザー治療≒シミ取り と考える方が多いのですが、以前にも書いたようにそれは日本ならではの現象です。

この10年間でアメリカを中心に行われた技術革新によって可能になったことがあり、レーザー治療の人気と実力はそれにより確実にひとつ上のステージに上がりました。

それは肌を新しく若い肌に「入れ替える」ということ。これをリサーフェシングといいます。

レーザー治療は、単にメラニン色素などを取り去るといった「肌の改善=Improvement」から、コラーゲンやエラスチンを再生させることによって、「入れ替え、もしくは、もとに戻すこと=Replacement または Resurfacing」に意味合いが変わりつつあるのです。

実は、90年代にCO2レーザーによるフル・リサーフェシングの施術が白人の肌に行われるようになりました。しかし、まったく同じパラメーターで色素の強いアジア人に施術をした際、トラブルが続出し、問題になった時期があるのです。アジアの肌にはフルリサーフェシングは、副作用が大きすぎたのです。いつの間にかアジアの国々にとって肌を入れ替える、リサーフェシングという概念は、なくなってしまいました。

アジア人の肌にはリサーフェシングは無理だろうといわれていて何年もが過ぎましたが、

この図のように、肌に正常な部分を残しながら、肌のごく一部分(赤い部分)のみを入れ替えてゆくという、フラクショナル・レーザー・リサーフェシングの概念が登場したのです。

これはアジア人の肌にもリサーフェシングが適応できる画期的な手法。

肌の改善に使用されてきた機器は、1999年に開発されたIPL フォトフェイシャルを中心とした光治療器がしばらくこの業界の中心に居座ってきましたが、アジア人の肌の入れ替えに使用できる機器として2004年に初めて発表されたフラクショナル・レーザーが、徐々にその座に座りつつある、というわけです。

2004年からいくつも現れたフラクショナルレーザーの機器たちを、ここに並べてみましょう。

クリニックFでは、これまで本当に沢山のフラクショナルレーザーを購入し、使用してきました。

これらの機器による「リサーフェシング」を行った患者さんを見ると、ニキビ痕であれ、毛穴であれ確実に改善して、また肌全体も同時に平均して5~10歳ぐらい見た目が若返っています。

医師にとってフラクショナルレーザーを使用する上で、最も注意しなければいけない点は、肌の入れ替え比率と深さです。

フラクショナルレーザー機器のメリットは、肌の一部だけを選択的に入れ替えることが出来るということ。ですから、むやみやたらに多く照射すればよいのではなく、照射野の中に、必ず正常な皮膚を残すということが必要です。

また、患者さんの症状が、ニキビ跡の深さなのか、広がった毛穴の深さなのか、を判断し、それに合った深さの波長とパワーの機器を選択する。

こうすることによって、肌の確実な入れ替えを可能になるのです。

この春に出席したフロリダの米国皮膚科学会(AAD)でも、特にレーザー部門においては、フラクショナルレーザー機器の新規製品の発表が最も多く、またフラクショナルレーザー機器による肌のリサーフェシング技術についての検討演題もとても多かったのが印象的でした。

世界的な流れとして、肌を若々しく入れ替えることに対して興味が出てきているのだとおもいます。

昨年末からデビューした機器では、たとえば

■シネロン社のサブレイティブRF機器であるe-matrixは、ニキビ跡の改善に役立つ機器として

■ソルタメディカル社のフラクセル3デュアルは、新たな肝斑治療の機器として

特に注目を浴びています。

レーザー機器による肌のリサーフェシングによって、肌を入れ替える。それにより、顔全体を若々しい印象に作り変える。

フラクショナル・レーザー・リサーフェシングという言葉を、ぜひ覚えてほしいと思っています。


フラクセル3デュアル (リストア・デュアル) 

日本に、まだ一台しかないフラクセル3(リストア)デュアルです。

新しいフラクセルの特徴は、今まで使用してきた1550nmの波長に加えて、1927nmの波長をDUALに使用できるようになったことです。

1927nmの波長は1550nmに比べて、浅く入るのですが、色素斑などの治療効果が高く、特に肝斑治療には効果を発揮するのです。

フラクセル3デュアルが昨年12月にデモ機としてクリニックFに来てから、何人もの患者さんの照射をしていますが、評判は上々です。

フラクセル2と比較して、肌の入れ換えの感触が、より実感できる様なのです。

フラクセルを入れているすべてのクリニックに、そして美容医療に取り組むすべての医師に、これはお薦めしたい機器ですね。

国内でも今月、正式発売となりましたが、今日はカリフォルニアのソルタ・メディカル社本社からアジア・パシフィックのマーケティングスタッフがクリニックFにやって来ました。

今後のフラクセル3デュアルの販売形態や、PRの方法などを相談してゆきましたよ。

さらに、5月にシンガポールで開かれる学会で、このフラクセル3デュアル招待講演が予定されているので、その打ち合わせもさせていただきました。


肌質改善についてのご質問にお答えします

こちらのQ&Aも公開しておきましょう。

Q 先生はじめまして。私は31歳です!

10代の頃に鼻の汚れを指で押し出してしまいました。
挙げ句便秘で不規則な生活をしていて一時ニキビ肌になってしまい それもまた指で押し出してしまい 若い頃から鼻 ほっぺの毛穴に悩まされてます。

今までケミカルから始まり数多くのレーザー治療をしてきましたフラクセル②も合計で15回以上はしています

一時の改善はされても日が立てば元通りの毛穴顔(>_<)

どんなに優れたレーザーでも 陶器肌にはなれないのでしょうか?

素人の考えなので有り得ないかもしれませんが ケミカルの濃度の高いやつ、レーザーの高いやつを使ってベロンベロンに剥けたとしても 日にちが立てば元通りなのでしょうか?

凸凹になってしまった肌はもう二度と平らにすることは不可能なのですか?

国外にもないのでしょうか?

陶器肌にすごく憧れます(^w^)

教えて下さい(*_*)

A こんにちは。コメントありがとうございます。

結論から言ってしまうと、凸凹な肌を平らにすることは、可能です。

でも、使用する機器は選ばなければならないですね。

ニキビ痕の肌に対してフラクセル2は万能ではありません。治療経過中は、いつくかのフラクショナルレーザー機器を組み合わせる必要があると思います。

また、たとえ濃度を上げたとしてもケミカルピーリングだけでニキビ痕を治すことは、まずできないと思った方がいいと思います。

ニキビ肌を治療するのにクリニックFで一押ししているのはシネロン社の新製品「E-MATRIX」サブレイティブ・フラクショナルRFの機器とフラクセル3(リストア:デュアル)との併用です。

また、他のクリニックでフラクセルを照射しても効果が出なかったと言って、クリニックFに来院する多くの患者さんの肌を診察してみると、肌がフラクセル2を照射できる準備が整っていないことが多いです。

このブログでも書いてきましたが、そういった方にはフラクセルの効果が出やすくなるように肌を整える「基礎工事」のレーザー照射が必要です。


カルフォルニアから来たフラクセルのトレーナー

デモ機として、フラクセル3(リストア・デュアル)がクリニックFに来てほぼ1ヶ月。

カルフォルニアのソルタ・メディカル本社からナースプラクティショナーのトレーナーがクリニックFに来てくれました。

診療前の約1時間半時間を使って、フラクセルデュアルについてディスカッションしましたよ。

アメリカで設定されたパラメーターは、僕が臨床利用してきたパワーとほぼ一緒か、少し強めな感じでした。

1927nmのチュリウムレーザーを利用した施術をクリニックFで体験した患者さんは、ほぼ口をそろえて今までのフラクセル2との違いを強調して、絶賛してくれています。

4月頃に日本でも正式リリースされるようですが、この機械は相当売れるんじゃないでしょうか・・・・。

カルフォルニアからの報告によると、肝斑治療にも新たな進歩をもたらしそうです。症例写真を見せてもらいましたが、いい感じでしたよ。


育毛に効果のあるレーザー

今日は、韓国から来客がありました。

ルートロニック社営業部門のトップであるハンス・キムです。

彼は世界各国のルートロニック社製品のディストリビュータ(輸入販売業社)を統括する立場にあるので、僕が海外の学会に出席するたびに顔を合わせています。

ルートロニック社は毛穴治療のマックスピールや肝斑治療のマックストーニングなどに使用するスペクトラVRMⅢ、フラクショナルレーザーのモザイクを製造販売する会社です。

新規のレーザーをデビューさせる際に、最も重要なのは使用法と、使用するパワーの設定です。

僕は海外のレーザー会社数社と契約して、特にアジアンスキンに、こういったレーザーのパラメータの初期設定を決定する仕事を請け負っているのですが、今回彼は、クリニックFで使わせていただいているモザイクとスペクトラVRMの、新しいパラメータと使用法についてのディスカッションにやってきたのです。

クリニックFの院長室には、こういった際のディスカッション用に、50インチのプラズマディスプレーがあります。彼は新規のレーザーの新しいプレゼンテーションをいくつかしてくれたのですが、その中で面白い実験結果を見せてもらいました。

それは題目にもあげた、フラクショナルレーザーの育毛への使用についてです。

昨年11月に招待演者として参加した韓国のレーザー医学会でも、この話題はディスカッションの中でも出ていました。非常に興味深いですよね。

この件については、フラクセルの開発医でもあるキャメロンロクサーともディスカッションしたことがあるのですが、彼の意見は否定的でした。

「レーザー光が毛根まで届くと思えない。」

「育毛に対するメインターゲットは皮脂腺で、これに効果がある波長は、フラクセルの1550nmでは難しいのではないか?」

ということだったのです。僕もその時はそれに同意したのです。

しかしながら、残念ながら症例写真をブログに出すことはできないのですが、今回ハンスが持ってきた数症例を検討すると、臨床的にはかなり効果があると思うのです。

「レーザー光はやはり毛母細胞へ刺激をする」

「正常細胞の毛母細胞が、フラクショナルレーザーによって異常部位に迷入する」

「同時に使用するフィナステリドやミノキシジルなどの育毛剤の浸透をよくする」

などの理由が考えられますが、再考の余地ありですね。

うちでもプロトコールを作って、研究をしてみたいと思います。


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